そもそもキシリトールって何?

キシリトールは自然界に存在する五炭糖の糖アルコールで、多くの果実や野菜の中に含まれている天然甘味料です。甘味度は砂糖とほぼ同じですが、キシリトールは溶解時に吸熱反応が起こり、口の中で爽やかな清涼感が得られる事が特徴です。ブルボンのアイスミントは、このキシリトールの特性である吸熱反応を商品名にしたものです。キシリトールの安全性についてはFAO(国連食料農業機関)やWHO(世界保健機構)からも「一日の許容摂取量を特定しない」という安全性の高いカテゴリーとして評価され、インシュリン非依存的に代謝されるので血糖値への影響がなく、糖尿病の方も安心して摂取できます。

 これまでにも、ソルビトール、マルチトールといった甘味料はあり、ノンシュガーのお菓子類に使われていました。しかしキシリトールの特筆すべき点は、齲蝕の形成に関与しないという非齲蝕性を有するだけでなく、フッ素のように齲蝕の発生を予防・減少させるという抗齲蝕性を有するということです。

 

意外に少ない100%キシリトール

これまでに発売されたキシリトール入りのガムを挙げてみると意外に甘味料中のキシリトールの割合が100%なのは少ないことがわかるかと思います。

ロッテ

キシリトールガム(クールハーブ)

キシリトール60%

ロッテ

キシリトールガム(ライムミント)

キシリトール55%

ブルボン

アイスミント

キシリトール60%

カネボウ

歯みがきガム

キシリトール25%

カネボウ

ティースケアガム

キシリトール25%

明治

キシリッシュ(クリスタルミント)

キシリトール50%

グリコ

キスミントガム(ダイエット)

キシリトール10%

アダムス

トライデント各種

キシリトール28%

カバヤ

キシリクール(ボールガム)

キシリトール50%

カバヤ

Air Smash

キシリトール100%

TP Japan

キシリトールガム(シュガーレス)

キシリトール100%

リーフ

キシリフレッシュ

キシリトール100%

キシリトールは他の甘味料と比べて若干高価なため、100%にすると価格を上げるか枚数を減らすかしなければならないので、少ないのだと思われます。大手のメーカーが100%ガムを出してないのは、偶然でしょうけど。

これを見て分かったことは、甘味料中50%未満のキシリトール含有量ではキシリトールガムと銘打つことは出来ないのだということです。50%未満ともなると虫歯予防効果は低いでしょうから。

キシリトールって過大評価されてる?

キシリトールは歯を溶かす酸をつくらないか?

むし歯の直接の原因は発酵性糖質と歯垢中の齲蝕原因菌の作用によって産生される酸であり、それがエナメル質を溶かすことから始まります。歯垢中で酸をつくらない糖質には、キシリトールのほかにも、ソルビトール、マルチトール、アスパルテームなどがあり、特に、キシリトールだけが強調されるものではありません。

フィンランドではむし歯が日本の1/3?

1972年から1974年にかけてフィンランドのトゥルク市の市民を対象(平均年齢28歳)に行ったトゥルク・キシリトール研究で、日常摂取する食品中の甘味料をすべてキシリトールに代えた群において、蔗糖群に比べ85%、果糖に比べ50%の齲蝕発生が減少したとの報告があります。

しかし、フィンランドを含めたヨーロッパ諸国では、ほとんどの国が西暦2000年までの12歳児の歯科保健目標をすでに達成していますが、それはフッ化物の積極的な応用によるもなのです。フィンランドにおいては幼稚園と小学校でフッ素洗口が実施し、保健所ではフッ素錠の無料配布を行ない、また町においても、フッ素洗口液や99%シェアをもつフッ素配合歯磨剤の普及が進み、その環境のもとで虫歯予防が成功してきたのです。

フィンランドのヨルマ・ヨケラは「フィンランドでむし歯が劇的に減少したのはフッ化物の適切な応用が1番で、成功の60%はフッ素の利用によるものである。30%はキシリトールを含めた食事指導で、残りの10%は歯磨きでしょう。」と述べています。従って、フィンランドのむし歯が少ない理由のすべてがキシリトールというわけではないのです。

キシリトールガムを咬んでいればむし歯にならない?

むし歯になる可能性はあります。ガムを咬むことにより唾液の分泌が促進し、唾液の緩衝作用や自浄作用を高めるには良いことです。これはキシリトールだから唾液の分泌が促進されるのではありません。しかし、糖濃度の高い食品では緩衝作用の効果が期待できないことや唾液の緩衝作用の及ばない部位があり、むし歯になる可能性は十分にあります。キシリトールの再石灰化促進作用が強調されていますが、キシリトールを含めた糖アルコール系甘味料は、唾液中のCaと結合して再石灰化に必要なCa の供給源になるという性質があります。このうち、キシリトールの再石灰化促進能が優れているわけでなく、むしろ他の糖アルコール系甘味料の再石灰化促進能の方が高いといわれています。

キシリトールは抗齲蝕性であるか?

齲蝕の病因にかかわる定義は難しく、一般に、“抗齲蝕性”という用語は齲蝕を予防する活性や機能、齲蝕を治癒の方向へ向かわせる性状などを指し、歯質の耐酸性の増強、歯の抵抗性の向上を行いう蝕原因菌に作用して増殖・作用を阻害することを意味しています。そのような意味からすると、砂糖に20倍ものキシリトールを添加しても、砂糖による歯垢中のpHの低下を抑制できなかったとの報告もあり、フッ素のような抗齲蝕性には及ばないでしょう。

以上のように、キシリトールは歯科的に過大に評価され、誇大に広告されているということも言えます。キシリトール使用は、むし歯予防の効果を高める追加型のむし歯予防法であると理解するのが最もよいのではないでしょうか?

キシリトールを使用した虫歯予防の方法

1.1日3〜5回食後にキシリトールガムをかむ。

2.ガムならば甘味料として50パーセント以上キシリトールが含まれているものを買うこと。

3.フッ素と併用することで予防効果倍増。