天狗のかくれ里 2003年2月12日
劇団ふるさときゃらばん

 
 新聞のチケットプレゼント企画に当選して観ることができました。ありがとうございました。
平日の夕方の公演だったので、仕事が終わったあと、SHUと駅で待ち合わせして行きました。ちょっと遠いもので、開演時刻の18時30分には間に合わず、遅刻してしまいました。ですので開演20分くらいの話しを見ていません。
 ふるさときゃらばんの舞台は初めて拝見しましたが、素朴な感じのするミュージカルでした。舞台上手側に楽器のセットが置かれ、生演奏での歌と踊りだったのが嬉しかったです。やっぱり演奏も生が好き。

 ストーリー
(上記に書いたように、開演まもなくの話しの展開はよく分かりません)
東京墨田区に住む男子小学生の「マコト」は、花咲き村に住む、いとこの女の子「ミカ」とともに、花咲き村近くの山奥に入ってしまう。
そこは昔から天狗の住む結界になっているので、人の立ち入りは禁じられていると言われている場所であった。
 マコトとミカは天狗に捕まり、天狗の住む「かくれ里」に連れていかれる。そして、天狗の修行をするように言い渡される。
特に運動嫌いで今まで便利な都会生活に浸って暮らしていたマコトは修行を嫌がるが、「これ以外に道はない」となかば脅されて、ミカとともに修行の手はじめに「天狗山」(天狗岩だったかな?)の頂上まで歩いて行く。
 道中、くじけそうになる2人を、修行の先輩であるカラス天狗が励ましてくれる。「くじけそうになったら歌うといい」と、天狗の歌?を教えてくれたり、道具を持たせてくれたり、およその時刻を知る方法や「自分の手足と頭」をフル稼働して行動する、ということを2人に教えてくれる。
 2人が修行をしている間、マコトの両親は失踪したマコトの行方を案じて、色々と手を尽くしている。
2人は無事修行を終えられるのだろうか…??

 

感想
 色々思い出したり考えたりの舞台でした。
まず、話しの展開も舞台装置も俳優さんの動きも全体的に素朴で、なんだか懐かしい感じがしました。(なんかね、小学生の頃に、学校の体育館で「演劇鑑賞会」をした時の舞台を思い出しました)
作品中で、都会っ子の代表のような「マコト」が、いとこのミカ(この子はまだかなり原始的な子どもらしさをもった子どもとして描かれています)と一緒になって天狗山の頂上を目指しながら、自然への畏敬の心や克己心を持つようになったり、その後の話の中で子どもたち2人が「食べることは他の生物の命を自分の養分にすること」を体感する様を見て、最近の職場での雑談を思い出していました。
 「近ごろの子どもってさ、『へとへとになるまで夢中で遊ぶ』ってことをしないんじゃないかと思う。」
「そうだよね、へとへとになるまで遊んだら、夜は早く寝るわな。」
「…それで、ろくな物食わせなければ自然と何でも食べるようになると…」(笑)
 何がいけないのかはよくわからないのですが、とにかく子どもは悪循環にはまっています。(と、わが息子SHUを見ていても思います)へとへとになるまで遊ばないから「眠る快感」「食べる喜び」のようなものも少なく、土と遠いところで生活しているので「生命の循環」のようなものにも気づきにくくなっています。
  作品中で、「天狗」とは「未開の生活をしながら自然との共生を考え、次代に伝えていく集団」として描かれています。全世界から天狗の生き方を学ぶために留学生が集まっている、という設定です。(そういうところ、おもしろかったです)
マコトの両親(主に母親)が、本気の顔で日本政府に天狗と交渉してもらい、拉致された息子を取り戻そうとするところも、なんだか現代社会と天狗というギャップがおかしくて笑ってしまいました。その運動の中で、「やっぱり私、パパが大好き」と、夫を見なおす妻の台詞に応えるように天狗の高笑いが響いたところをみると、天狗はそのへんも見越してマコトを拉致?したのでしょう。
子どもたちがその後、修行を終えて、どんな青年、どんな大人になって世の中で生きていくのだろうか…と、幕が降りたあと「作品のその後」を想像してしばらく楽しんでしまいました。

「親にもらった手足と頭を使え!!」と、作品中で天狗たちは子ども2人を繰り返し叱咤します。
なんとなくそれを見ながら、私がまだ若かった頃(今でも若くないってことはないけどさ)某地方の自然林の中を一人で歩きながら、「ここに来られるのは、足でなければダメなんだ」(車でもバイクでもない、足でなければダメってこと)としみじみ思ったことや、一昨年キャンプから帰ってきたSHUが「あのね、ナイトハイクからの帰り道で、天の川が見えて流れ星がいっぱい見えたんだよ」と目をキラキラさせながら話してくれたことなどを思い出していました。

 私んちのSHUは、最近歩くことを嫌がります。「山登り行こう」「ハイキング行こう」と言っても、少し前なら「行こう行こう」とのって来たのに、最近「えー、疲れるからイヤ〜」などと言います。
舞台を食い入るように見ていたSHUを、天狗が拉致してくれないかな、と、ちょっと思ってしまいました。