2002.6.26.2007.1.18

  


所沢名物数々あれど、やはり、ところざわっ子にとって一番は焼きだんごでしょう。

明治から大正にかけて町には数件のだんご屋がありましたが、中でも有名なのは寿町の「金平だんご」でした。
昔米屋であった中島さんの初代の金平さんが始めたもので、並みの家よりだんごが大きく「所沢のでかだんご」と呼ばれていました。

久米の水天宮の縁日『五日』三・八の市日の時などは一日中満員で賑わっていたそうです。
当時の食事は引き割り飯などが多かったので、米で作って焼きたてのだんごを、熱いお茶を飲みながら食べることはご馳走だったことでしょう。

山田屋横丁を上って行き所沢小学校の手前にありました。

「金平だんご」の店頭風景

絵画は故峯岸正雄さん著・「むかしのところざわ百景」より


郷土史の研究に携わっていらっしゃる「越坂部三郎先生」の資料より転載させて頂いています。

この所沢の焼きだんごの由来については

巷説によれば寛永16年(1639)から毎月三と八のつく日に所沢の町で開かれた市(三・八の市)に、
近在の農家の人が休憩所を設けて席料をとり、米の粉を丸めて焼きだんごにして出したのが始まりと言われていますが、定かではありません。

「太田道灌が武蔵野に鷹狩りに出かけた帰りに所沢に立ち寄った際に
地元の人がだんごを焼き、自家製の醤油をつけて出したのが始まり」ともいわれていますが道灌が所沢にたちよったという
記録はありません。

所沢地方の耕地は火山灰土で、水利が悪い所沢には水田がなく、お米は陸稲(おかぼ)が主でした。
陸稲(おかぼ)つくりが始まったのは享保年間(1720年頃)だそうです。
ところで、お米にはインデカ系とジャポニカ系があります。私達が毎日食べているお米は水田で栽培されているジャポニカ系です。ネバリと甘みがありますが、インデカ系の陸稲はお米とは言っても硬質米で、外米と同じでですので、味や風合いはけっして美味しいものではなかったのです。

特に冷たいご飯になるとこわくてボロボロ。鶏でさえも喜ばないと言われた代物でした。
そこで
ご飯で食べるより、米粉を作り、焼きだんごにしたほうが、はるかに美味しかったのでしょう。

粉にするのは自家用の石臼を使ってできるので、文久年代(1860年頃)にはだんご作りもかなり盛んになっていたようです。
この家庭用の石臼は使うということは自然と粗引きとなる。これが歯ごたえや甘味が醸し出して「所沢の味」が生れたというわけです。。
 明治時代に入り、焼きだんごの評判もよくなったので、だんご屋も増え、「焼きだんご組合」がだんだんと整ってきました。
そして、明治27年(1894年)、組合では次のような申しあわせ事項を作り、所沢の焼きだんごの味を守ってきました。。

この申し合わせの音頭をとったのは当時の組合長の金平さんでした。


焼きだんご組合の申し合わせ事項


子持ちだんご
楊枝に小さなだんごをおまけに刺して、安産、母乳も沢山でる様に女性のみのサービスです。

@ 竹串は青竹を使用し、5寸5分(約16cm)、下から1寸(3cm)のところに節があり、青竹のついた1分(3mm)角であること。
蒸したり、焼いたりすることで青竹のほのかな香りがだんごに移り一味違う
A 一串4個のだんご、そのうち上としたのだんごは直径1寸のまん丸中の2コは直径8分のまん丸。
両端が大きいのは、焼きだんごを5〜6本積み上げても、だんごがくっつき合わず、直ぐに取れて、だんごもきれい。

B 醤油は所沢産のヤマホに限る。
ヤマホは寺坂深井醤油店の屋号(商標)。色も味も濃くだんごに最適と言われていた。
これも一つの地場産業の守り合いで、だんご屋の開店に資金援助があったのかもしれない。
C 隠し味として一割の酒を混入すること。
       
 味良く、光沢良く、夕方までだんごが柔らかく、香りが三町四方に広がって買い手が増える
D 毎月5日は久米の水天祭り。お産の神様で嫁さんお姑さんの参拝が多いので、女性のみ参拝帰りには子持ちだんごの大サービス。
E 2本で一皿、3銭。(明治〜大正時代の初め、1日の労働の対価は60銭)
F 包装は必ず経木で包み、冷やしてから新聞紙にくるむ
      空気の通りを良くする。
G だんご焼きの炭は「消し炭」に限る。火は弱いがだんごの芯から熱くなる。

明治のこの時代から今でいう標準化の考えを取り入れて所沢のだんごの品質保証をしていたのだから驚きであり
所沢先輩商人達を誇りに思い嬉しい限りですね。
だんごが所沢の名物になったのもむべなるかな、頭が下がります。



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所沢の焼きだんご