1月 5日(月)
January 5th (Mon), タンペレ通信に
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(あけましておめでとうございます)
1998年初めての「タンペレ通信」をお届けします。我々の滞在も3月中旬まで、あと3ヵ月を切りましたが、最後まで、おつきあいいただければ嬉しいです。私がタンペレ工大で行った仕事は、今後も順次この
サイト
(または、帰国後の
豊田高専電気工学科のページ
)で公開していきますが、話しを「タンペレ通信」に限れば、今後は「この国がどこまで寒いところか」を御報告することが主となるでしょう。今冬はまだまだ寒さが緩いようで、積雪量はまだまだ少なく、厳しい北国の冬を体験したとは言えませんが、これからは本格的な寒さを体験できると思います。
フィンランドの冬のもう一つの特徴「暗さ」については十分味わいました。昼の時間が短く、さらに空が四六時中低い雲に隠されていて、お日さまが姿を現わすことは極めてまれです。タンペレの電飾も昨日で終わり、日に日に昼間が長くなっているはずですが、陽光に触れることは極めてまれです。年末に風邪をひき、いまも完全にはセキが止らないのも、日光(浴)不足が原因ではなかろうかと考えるほどです。
長男:智は、新学期より、週に2〜3日は国際クラスを離れて、フィンランド人ばかりのクラスに挑戦することになりますし、長女:素子は、保育園への入所当時から、完全なフィンランド語環境で生活、生き残って来たわけで、今ではフィンランド語の童謡なども披露してくれますが、父ちゃんのフィンランド語の進歩は遅く、未だに、職場の同僚達の会話の話しには(おおよそ何について話しているのかもにさえ)、ついて行くことができません。フィンランド人が普段どのような会話をかわすのかを詳しく報告できないのは残念です。
(クリスマス・イヴ)
一般的なフィンランド人が敬虔なクリスチャンだとは思わないが、少なくとも、この国はクリスマスの本場である。稲垣さんの「サンタクロースの秘密」にもあるように、サンタクロース(ヨウルプッキ)はフィンランド北部のラップランド東部ロシア国境に近い、耳の山の麓に拠点を構え、ロバニエミの近郊には一般人との交流のためにサンタクロース村(来年のクリスマスにはサンタワールドなる地下テーマパークも開設すると聞く)まで開いている。
サンタクロースに付き従うトナカイは、ラップランドの主人公である。ノルウエー、スウエーデン、ロシアにも広がるラップランドを旅する人々は、奥地(とは、たぶん、北極に近いことだと思うが)になるほど、トナカイの数が増し、「わっ、本物のトナカイだ。」、「また、トナカイだ。」、「すごい数の、トナカイだ。」、「またー?、トナカイ?」というような経験をされると聞く。トナカイは、いつも皆の笑いもの . . . ではない。もちろん、笑われる特定のトナカイさんを笑っているのが他のトナカイであるというなら話しは分かるが。ラップランドには人間より多くのトナカイが住んでいると聞いたような気がする。
クリスマス・イヴになると、サンタクロースを迎えるためか、随所に明りが灯る。アパートでは窓を小さな電飾で飾り、一戸建の家々では庭の木々で豆電球を点滅させ、玄関先にはバケツで作った氷のキャンドルカバー(風よけ?)の中に大きなろうそくを灯す。パルモネン宅(イヴに行き先のない我々一家をご招待下さった。感謝します)では庭の真ん中に松明(直径10cm、高さ50cm の木材に幅5mm ほどの切り込みを十字に入れたもの)を立てて、豪快に燃やす。ここまで来ると、日本の大晦日の神社の雰囲気に近いものがある。
(屋外のキャンドル) (クリスマス・ツリー) (庭では松明をともす)
(
屋外で昼寝する赤ちゃん達
)
年末に、パルモネンさん宅を訪問して驚いたのは、
さくらちゃん
が零下3℃の屋外で昼寝していたことである。訪問当初、彼女の姿が見えないが、「昼寝中よ」とのことなので納得し、テレビでフィンランド対スウエーデンのホッケーの試合を見ていると、ひょんなことから、彼女が玄関前のベビーカーの中で寝ていることが分かった。「どうして、このような寒い屋外で昼寝を?」と当然の疑問を発すると、「外の方がぐっすり眠れるのよね」と、こちらも極当然のようにパルモネン夫妻、「ミーティングプレースでも、乳児は玄関先に並べられたベビーカーの中で昼寝してるわよ」と家内まで言い出す。「何をとろいことでおどろいているのかしら、この人は、当り前のことでしょ。」という雰囲気である。驚いて見にいくと、ベビーカーの中で、鼻と口以外は帽子に隠れ、顔以外は小さな寝袋にすっぽりとおさまった赤ちゃんが寝ている。約1時間後に昼寝が終わり、屋内に戻ってきたのは、いつもの愛らしいさくらちゃんであった。異常はない。
最近の日本よりは大きめのベビーカーで、防寒着に加え冬用の寝袋を使っているのとはいえ、幼い赤んぼうを、寒い屋外で一人で昼寝させることが当然だと言い切れるフィンランドとは、どのような国なのだろう。そもそも、フィンランドでは、ー3℃くらいでは寒いなどとは言わないのだろうか?また、治安の良さも格別なのだろうか。日本では、地方の中核としの近郊(たとえば、その町のベッドタウン)で、赤ちゃんを屋外で一人で寝かせて、安心できるだろうか。
(雪に囲まれたパルモネン宅) (玄関先のベビーカー) (昼寝中のさくらちゃん)
(エイナ)
ロシアの少年エイナは、小学校の外国人クラスの友達で、最も仲の良い子である。以前は同じヘルバンタに住んでいて良く遊びにも来たそうだが、少し離れた地区に引っ越してからは、放課後の付き合いが減っていたという。この日、めずらしく我が家に遊びに来たのだが、聞いていたのと違い、とてもおとなしくよそいきの雰囲気で、緊張している風にさえ感じられた。どうも、家内でなく私が家に居たことが原因のようだ。ロシアの父ちゃん連中は、厳しく恐ろしい存在なのだろうか?それとも、日本の父ちゃんが恐ろしくなさすぎるのだろうか。
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