
タンペレの名物はムスタ・マッカラ(黒ソーセージ)である。実物に出会ったのはタンペレ滞在の数ヵ月後、秋になってからと記憶しているが、家内がカウッパハッリで買ってきたのを食べた。割安で、これ1、2本に焼たてのパンを購入挟んで食べれば、高価な(割には魅力の少ない)サンドイッチを購入するよりかなり割安で、ユースホステルを利用する旅行者にはもってこいの昼食となろう。ただし、このソーセージ、名前はソーセージだが肉は含まれていない(それが安価の理由?)。主成分は穀物と血、それをソーセージと同様に包んで焼いたものである。なぜ黒いのかお分かりだろう。

この時期、屋外で最も長時間過ごすのは、智のホッケーの練習や試合のときである。上記のように防寒は十分のはずだが、約1時間半動かずにいると足元からの冷え込みがきつい。スノーブーツの中では靴下を3層に重ねているのだが不十分である。帰ることには、現時点で最も効果的な防寒方法は、自分もスケート靴をはき滑っている(止らない)ことである。ホッケー観戦には、スケート靴が欠かせない。
土曜日には、タンペレ西方のテソマでホッケー三連戦があった。12月からの一連リーグ戦とは独立した4チームの総当り戦で、8時半(夜明け前?)から4時半(日没後)までの時間帯に試合が点在(ホッケーチームは年齢毎に編成されている。他年齢の試合も含めるとコートの空く時間帯はない)している。智の第一試合は9時15分開始、気温は18℃である。さすがにフィンランドの少年達も動きは悪いがキエッコ(ホッケーのパック)は走る。ヘルヴァンタは体が暖まってきた後半に、ようやく追い付き2ー2の引き分け。次の試合まで2時間あることから、逃げるようにして片道20kmの道のりをアパートまで戻る(Uno は冬になっても活躍しています)。午後からの試合は気温14℃、いくらか耐え易いはずだが、それでも、ホッケーコートから駐車場に向かうわずか1、2分間(二重の)手袋をはずしただけで痛くなるような冷たさである。空は青空(色は薄い水色だが)、陽光に照らされた氷面は本当にきれいだが。美しいものにはトゲがあるということか。午後3時半、ヴィデオカメラは回らなくなった。

日曜日も快晴、気温は更に下り20℃に達した。こんなに光りあふれる良い日にもったいない話しだが、昨日より更に低い気温の中、屋外でスポーツを楽しむ気力はない。フィンランド人はスキーを積んで出かけて行くし、スケートリンクにも人が絶えないが、我々には少々きつい。軟弱な選択肢だが、サルカンニエミの展望塔に上り屋内からタンペレの冬景色を楽しむことにした。ナシ湖、ピュハ湖とも完全に凍り、遊園地も4月25日開園予告の大看板の向こうは雪に埋もれている。唯一凍っていないのは、両湖を結ぶタマー運河、流れが速く冬でも凍らないというのは事実だ。タンペレ中心の製紙工場を始め、多くの煙突から出る湯気は青空を背にして雲のようである。青と緑が支配的だった夏と異なり、この日の色は青と白、フィンランド国旗の色である。あの旗を見るとき、今後私が思い出すのは光りあふれるフィンランドの夏だろうか、それとも全てが凍る冬だろうか。展望塔からは、ナシ湖の氷上を岸から数百メートルも離れて散歩している人々が見えた。

ちなみに、今朝、出勤時の気温は22℃、万全の防寒体制でアパートを出たことは言うまでもない。