点眼薬の使い方
ゆあさ眼科医院長 湯浅 武之助先生

1 点眼薬を使うときに、覚えていただきたいこと

  それぞれの点眼薬の使用目的(効果)、点眼する眼の左右別、点眼回数や点眼時間、そして
 できれば点眼薬の名前も覚えてください。また、その点眼薬だけの特別な使用上の注意事項があ
 るときは、それも守ってください。

2 点眼薬の保存法

  (1) 保存について点眼容器に何も書かれていないものは、直射日光や暖房器具からの熱気等
    を受けないところに保管してください。できれば戸棚・引き出し・箱等の中で、あまり光
    が当たらないところがよいでしょう。

  (2) 「冷所」、「10度以下」等と書かれているものは、できれば冷蔵庫に保管して下さい
    「遮光(しゃこう)」の指示があれば、黒い袋、引き出し・箱等の中で、あまり光が当た
    らないところに置いてください。

  (3) 点眼した後は、フタをしっかり閉めて下さい。フタが完全に閉じていないと、点眼薬の
    汚染や液漏れの原因になります。

  (4) 幼児の手に触れないところに保管して下さい。

  (5) いったんフタを開けた点眼薬をしばらく使用しない場合には、冷蔵庫に保管して下さい
    使用状況によりますが、フタを開けてから約1ヶ月を過ぎると、その安全性は保証できま
    せん。3ヵ月を過ぎれば捨てた方が、安全です。

  (6) 点眼薬の容器に記載されている有効期限は、容器のフタを開けたことのない点眼薬を正
    しく保管した場合のものです。フタを開けたことのあるものや、保管状態の悪いものは、
    この限りではありません。

3 点眼するときは

  (1) まぶたに汗が付着しているときや、まぶたや手が汚れているときには、先ずまぶたや手
    をぬぐうか洗って汚れを落とし、できるだけ清潔にして下さい。

  (2) 上を向き、片手の指2本で上下のまぶたを押し広げ、反対側の手で点眼薬の容器を持っ
    て1滴点眼して下さい。このとき、容器の先が眼やまぶたに触れないように注意して下さ
    い。眼やまぶたに触れると、容器のなかに残っている点眼薬全体が汚染されます。

  (3) 点眼薬の滴数は、うまく眼に入ったら1滴で十分です。まぶたと眼球の間は狭く、1滴
    の点眼薬でさえ大部分はあふれてしまいます。1回に何滴も点眼しても、流れてしまうだ
    けで、たくさん点眼した効果はありません。もちろん、眼に入れそこなったら、もう1滴
    点眼してください。

  (4) 点眼薬が眼に入ったら、点眼薬を眼の表面全体にゆきわたるように、2〜3回まばたき
    をしてから、あふれた点眼薬を清潔な布や柔らかい紙で軽く押さえて、拭き取って下さい

  (5) 薬の効果をあげるために、このあとすぐ1分間ほど点眼薬が鼻の奥に流れないように、
    めがしらを指先で押さえていて下さい。

  (6) コンタクトレンズを装用したままで、点眼しても良いかどうかは、医師にお尋ね下さい
    点眼薬やレンズの種類によって異なります。

4 複数の点眼薬を使用しているとき

  2種類以上の点眼薬を続けて点眼すると、薬が互いに薄めあい、流しあって、効果が十分あが
 りません。ある薬を点眼したあとは、少なくとも5分以上経過してから、次の点眼薬をご使用下
 さい。できれば、まったく異なった時間に点眼してください。

5 点眼する時間

  1日1回の点眼薬は時間をきめて、1日2回の点眼薬は12時間おきに、1日3回の点眼薬は
 8時間おきに、1日4回の点眼薬は6時間おきに点眼するのが理想的です。実際には、1日3回
 の点眼薬は起床時と就寝前、およびその中間、1日4回の点眼薬は起床時就寝前、および起きて
 いる時間を3等分した時点ぐらいが適当でしょう。
  なお、「就寝直前に点眼薬を使用するのは良くない」というのは、昔の点眼薬の話しらしく、
 現在このような注意が必要な点眼薬はありません。

7 他人の点眼薬・以前の点眼薬

 (1) 同じ薬でも、できれば他人と点眼薬共用することは避けてください。保管状態の悪いもの
   を点眼したり、感染を起こす恐れがありますので。

 (2) 効果や副作用をよく知らない、以前に使用した残りの点眼薬や他人の点眼薬を使用すると
   危険なことがありますので、このような点眼薬の使用は避けて下さい。

8 副作用

  副作用のない治療薬はありません。点眼薬でも同じことです。しかし副作用を恐れているだけ
 では治療はできません。以下に一般的な点眼薬の副作用を挙げておきます。このほか、特定の点
 眼薬にだけ起こるもの、非常に稀なものもあります。「副作用?」と思ったら医師にお知らせ下
 さい。ときにがまんしていただく副作用もあります。

  (1) 点眼時にごく短時間しみるのは、通常は問題ありませんが、しみる時間が30秒以上に
    及ぶとき、点眼直後に充血するとき等では、医師にお尋ねください。

  (2) 点眼薬で角膜の表面にキズができることがあります。異物感・充血・眼の痛み等が次第
    に強くなってきます。

  (3) 点眼薬によるかぶれ(アレルギー)では、点眼薬の使用を続けると次第に充血やまぶた
    にはれがひどくなってきます。

9 点眼薬の処置量

  先に述べたように、眼に入れば点眼薬は1滴で十分です。点眼薬の容器は通常1本5ml(
 5cc)入りです。この量で、両眼にそれぞれ1回2滴、1日4回点眼しても、1本で7日間
 以上使用できるはずです。ただし、1回に3滴以上点眼したり、毎日5回以上点眼されれば足り
 なくなります。
  健康保険による診察では、お渡しできる点眼薬の数に制限があります。両眼に1日4回点眼す
 る薬の場合、点眼薬の必要量は1週間につき5ml(1本)とされています。1回の診察で処方
 できる点眼薬は両眼1日4回のものなら3本(25ml)までです。特に緑内障やアレルギーの
 点眼薬は高価のため、1日2回両眼なら2週間で1本、1日4回両眼なら1週間で1本に厳しく
 制限されていますので、ご了承ください。

1999年1月  ゆあさ眼科医院