腸管型ベーチェット病について

大阪大学医学部第2内科
篠村 恭久先生
 

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私は消化器、消化管が専門なので「腸管ベーチェット」について話しをします。

 腸管ベーチェットといわれる病変は、大腸と小腸の繋ぎ目の回盲部に潰瘍ができます。腸管ベー
チェットの症状としては、ベーチェット病特有の症状ではなく、消化器疾患で一般的な、お腹が張
ったり、痛くなったり、下痢をしたり、便秘をしたり等ですが、中には潰瘍に繋がって、発赤をし
たり盛り上がったりすることもあります。

 潰瘍からの出血で、下血をみることもあります。下血と言いましても、出血の場所が肛門から1
メートル位のところですので、真っ赤な血が出るということは少なく、
便が黒っぽかったり、褐色
や、赤みかかっていたりなどで、見逃されることが多くあります。

 臨床的に一番問題なのは、腸管の潰瘍が外側に破れる穿孔というひどい痛みが起こりまして命に
かかわることもあります。

 検査方法としては、バリウムを飲んで、時間をかけて小腸や大腸まで調べたり、注腸検査といい
まして、肛門からバリウムを入れまして、小腸、大腸と調べる検査があります。そして、そこで異
常が見つかりますと、大腸ファイバーなどで、直接調べることになります。

 治療はステロイドや免疫抑制剤の投与などの、内科的な治療が行われますが、なかなか治療の難
しい症例が多いのが現状です。と申しますのは、一般的に症状がかなりひどくならないと来られな
いため、深い潰瘍ができていて内科的治療で良くならない場合が多いのです。また、潰瘍が深く他
の腸管と繋がっている、ろう官などができていて、最終的には手術を受けなければならない方もお
られます。

 腸管ベーチェットの潰瘍も、初期は口腔内にできる浅い潰瘍であると考えられ、早期に発見され
適切な治療を受ければ、内科的に薬で潰瘍を治すことができると思います。
腸管以外には食道に潰
瘍ができたり、また肛門周辺の潰瘍や痔ろう等があります。

 消化器以外の病変との関連では、腸管ベーチェットの患者さんは、病変は軽い方が多く、また神
経や血管ベーチェットとの合併されている方は非常にまれです。この病気は人によって侵される臓
器が少し違うのではないかと思います。

 したがって、早期発見、早期治療が大切なのですが、この病気は一般的には見つけにくいもので
す。そこで、、ベーチェット病だけでなく、癌や成人病の予防のためにも、
定期的な便の検査を受
けることをお勧めいたします。
潜血反応を調べることが早期発見につながると思います。

 難病の研究、治療は、大学の大きな使命でもありますので、消化器でなにか問題がありましたら
気軽に内科の診察を受けられますようにと思います。

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