元研究生No45

今、普通に家事をし パートの仕事をこなしながら、ほんの数ヶ月前まで私はいったい 何を考え、何に夢中になっていたんだろうと不思議に思ってしまうことがあります。

今と同じように食事の仕度をしながらも 次のエホバの証人の集会には夫に何と言って出かけようかと悩んでいたり、職場の同僚と話しながらも あまり深く付き合ってはいけないと自分を一歩退いていたり…。その頃はどんな反対があってもエホバという神を信じなくてはと必死でした。

 私がエホバの証人の訪問を受けたのはもう10年も前のことです。 それまで私は、医療に従事していた経験から エホバの証人に嫌悪感を持っていました。輸血拒否などの反社会的な行動が理解できなかったからです。ですから、まず「なぜ輸血を拒否するのか」という疑問を姉妹に投げつけてしまいました。それに対して姉妹は温和に 答えて下さり、その後何度かものみの塔協会の聖書や資料を持って訪問され、子育てに関するアドバイスも頂くようになりました。

その誠実な態度・聖書を権威として持っている姉妹の芯の強さに圧倒され、「エホバの証人は本当はいい人たちなんだ。」と思うようになりました。この時点で私はもうエホバの証人色のサングラスをかけてしまったのかもしれません。疑問だったはずの輸血に関する事も「この人達が信じている事だったら、それもアリかな…」などと根拠のない確信を持ってしまっていました。

別に 何かに悩み救いを求めていた訳でもなく、生活に不安を抱いていた訳でもなく、夫に不満があった訳でもなく、ただエホバの証人はいい人だったんだという見方の変化と共に 宗教に引き込まれていきました。

 それからの私は、何とかして家族でエホバの証人になりたい、エホバの証人はいい人たちなんだと世間に知らせたいなどと 大それた思いを胸に生活し始めました。もちろんそれは、夫・親戚一同の反対により 思うように行きませんでした。しかし、反対に遭えば遭うほどものみの塔協会の聖書や出版物に導きを求め、自分の思いを神の愛に向けようと努力していきました。これが、マインドコントロールというものだったのかもしれません。ただ、残念ながら(?!)意志の弱い私は、夫の強い反対に遭うたびに 本当の愛ってなんだろうと 家族への愛と神への愛の狭間で悩み、結局10年間 献身も出来ぬまま研究生を続けてしまいました。その間ずっと、神の愛に関する確信が欲しいと願っていました。

 それが、2004年に 全日本脱カルト研究会の心優しいご指導により、誤りに気づきました。ものみの塔協会は偽預言者であり、聖書や出版物にも偽りがあること・エホバの証人はイイ人でではあるが、ものみの塔協会の教理によって間違った方向に進んでいること・それによって数々の犠牲者があること…色々な事を思い知らされました。何よりも衝撃的だったのは、私の行動によって 家族が苦しんでいたと気付かされた事…というよりその事実を充分知りながら目をつぶり、いつかは家族がエホバ神の愛に気付くだろう・サタンの世に対抗しようなどと思いこんでいた自分に気付いたことでした。結局は 私がサタンの奴隷になろうとしていた…。申し訳なさでいっぱいでした。

 私は家族の愛によって 今後起こるかもしれない問題から救われ、本当の神の愛というものに出会ったのかもしれません。

 しかし、それと同時に10年間も私に付き合って下さった姉妹、そして親切にしてくださった会衆の皆さんの顔が目に浮かびました。この会衆はとてもアットホームで ものみの塔組織の偽りを感じさせない和やかな会衆でした。この会衆の兄弟姉妹がこのまま偽りへ導かれてしまう…それはとても悲しい事です。なんとかして皆さんがその事実に気付いて欲しいと願います。  幸い 私は今、家族・友人・同僚・近所の方々 たくさんの人の人間的な暖かさを感じながら生活する事ができ、そのことに心から感謝しています。どうか1人でも多くの兄弟姉妹が 普通の生活に戻る事ができますようにと 祈り求めている今日この頃です。

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