元研究生の証言 1

高校の時, 倫理の先生が, 「授業で時々使うから連絡のあったときには持ってくるように」と言って一つずつギデオンより贈呈された聖書を分けてくれました。

それは, とても神聖なもののような気がしました。私はまだ子供の時からキリスト教とか聖書と言うものに良いイメージを持っていたからです。

私は, ごく普通の家庭に育ち, ごく普通の生活をしてきました。時には, 大きな問題にぶつかることもありましたが, それはだれでも味わうほんの軽いものでした。家は, 決して裕福ではありませんでしたが, 恵まれた環境で育ったと思います。

高三の時, 自分の生き方や考え方に一つの統一されたものが欲しくて, その倫理の先生に戴いた新約聖書を読み始めました。今でこそマタイ伝のイエス・キリストの系図の奥に, 主の御心を探りながら読める恵みが与えられていますが, その頃は意味も全く分からず, 本の上に目を走らせているだけでした。

やがて高校を卒業し, 短大に入学しました。聖書をどこへしまってしまったのか忘れかけた一年生の4月の終わりごろ, エホバの証人の人が, 私の下宿を訪問したのです。

その人達は, 「聖書は決して一人だけで読めるものではありません。一緒に学びましょう。」と言ってきました。

また, 「聖書に書かれていることを学ぶことによって地上の楽園で永遠に生き続けることができると書いてあります。」とも言ってくれました。

その時には, 何だかその話にピンと来るものがなく, そのまま帰ってもらいました。

けれども, 「聖書を一緒に学びましょう。」という言葉が私の耳から離れず, 二回目の訪問を受けた時, 日曜日の集会に参加したいということを伝えました。

とにかく, 行くだけ行ってみようという気持ちでした。中にはいると「ものみの塔」という雑誌を読んだり, ある男の人が質問をして, 会衆が手を挙げて答えたりしていました。

小さい子供も, 年をとった人も真剣でした。聖書を信じている人たちの純粋さを見て, やはり聖書を読んでみたいと気持ちが湧いて来ました。

それからは, 研究生ということになり, 一つ年上の女の人と週一回, 私の部屋で学ぶようになりました。そこでは確かに聖書を学ぶ良い機会になりましたが, 聖書の中の〜しない者は罰せられるとか, 例えばマタイ25章30節などで「役に立たぬしもべは外の暗闇に追い出しなさい。そこで泣いて歯ぎしりするのです」というようなみことばがよく「ものみの塔」に載っています。

だから, 神様の怒りに触れないようにするためにはどうすればいいのか, それを知るために夢中になって聖書やエホバの証人の間で使われている本を読むのです。

神様に対する感謝などありませんでした。研究が半年近く続いた頃「XXさんそろそろバプテスマを受けて私たちと一緒に家々を訪問しましょう。」と言われたのです。

私は心の中で「ただ聖書が読みたかっただけなのに」と思いました。研究を続けていくことが, 大きな不安と重荷となるようになりました。

そして一年生の9月の終わりごろ, 日曜の朝早くから洗濯をしている同級生に会いました。どこかへ出掛けるのかなと思い聞いてみると, 教会に通っているということでした。

私がエホバの証人の人たちと交わっていることを話すとその人は, 「ぜひ一度自分たちの教会に来て下さい」と言いました。

その頃の私の心境はエホバの証人と交わることが苦痛だったので, 次の日曜日に, 早速教会に行ってみることにしました。一歩足を踏み入れた途端, 言いようもない開放感と暖かい平安に包まれる気がしました。

牧師のメッセージや証しは, はっきりと覚えていませんが, 「これが私の信じる道だ。」と確信しました。

ある日, メッセージのマタイ8章3節でイエスがライ病人に「わたしの心だ。きよくなれ」と言ってお治しになったことから, 神の御心はすべての人の心がきよくなることだと知ったとき, 聖書を読んでいるから他人より優れた生き方ができると思い上がっていた高慢な心を示され, 深く反省しました。

主の臨在を感じて, 感謝して祈って聖書を読んだとき, 清い生き方どころか, それまで生きてきた年月に重ねた罪・自分の醜さばかりが発見できました。

そしてイエス様は, それを赦して下さる方, さらに清くして下さる方ということを, 今, とても感謝しています。

精神が不安定なこの時期も, イエス様から目を離さないで生きていきたいです。主を恐れてばかりいたエホバの証人との交わりの間は, 今, 思えば主の恵みを何倍にも感謝できる計画だったと感謝しています。

この土の器の私をも用いて下さる神様に本当に感謝します。

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