タチハラスピードアップ計画

 ってゆーか、別にタチハラが速く動くようになるとかそういうわけではなく、撮るこのワタクシがスピードアップしよう、と、それだけのことなのだが… (^^;

 前のブツブツで書いた、「ボディをいちいち畳まずに、ストラップを付けて首から下げよう大作戦」は、なかなかいい感じである。問題は、極めてみっともないことと、肩が凝ること、そして、風の多い場所だと、微細な砂ぼこりが可動部に侵入して、動きが渋くなってなんだかなぁ、という3点なのだが、ここで撮ろうかな、と思ったときにすぐに三脚に付けて、そのままピント合わせに入れるこの速写性(笑)は、なにものにも代え難い。「なんだあの首から下がってるデカイ骨董品みたいなカメラは。チンドン屋か?」とゆー視線になど負けず、頑張って首からぶら下げて歩くのがよさそうである。いちいち畳んだりまた組み立てたりするこの手間がないだけでも、大判カメラの「メンドー感」は著しく改善される。せっかく重い思いをして大判カメラを持ち歩いても、どうも結局撮るカット数が少ないような気がしているアナタ、一度組み立てたまま首から下げて歩いてみることをオススメします。あ、でも、フィールドカメラにしておかないとアブナイよ。くれぐれも、ジナーやアルカスイスを首から下げて歩いたりしないように。頸椎痛めても知らんぞ。(って、誰もしないってば。(^^; )

 次の問題は冠布なのである。カメラを三脚にさっと付けて、そのままピント合わせに入ろうとしても、とりあえず冠布をかぶらなくては何も見えないのである。で、カバンからゴソゴソ出して広げてかぶることになる。この時間がうざったいのである。(一度、いちいちしまわずに、冠布をずーっと肩に羽織ったまま歩いてみたことがあるのだが、同行していた友人に「それはやめた方がいいかもしれない」との忠告を受けて、中止したことがある。冷静に考えてみると、いい年して月光仮面ごっこをしている人みたいで、我ながらかなりアヤシかった。オススメはできない。)
 また、冠布自体がけっこうかさばるし重い上に、かぶっている間は、どちらかの手で押さえておかなくてはならない。6*7ホルダーで撮るときなど、片手で冠布を押さえつつ、もう一方の手で、ボール紙で作った自家製フォーマットマスク(笑)が落ちないように押さえて、さらに別の手でルーペを持って画面を確認し、もう1つ別の手でフォーカシングノブを回してピントを合わせるという操作が必要に… って、ワタシは火星人か

 …どうも、手が2本ほど足りないのである。その上風が強かったりすると、もううんざりである。冠布がバタバタはためいて、三脚は倒れそうになるわ、光が入ってピントグラスはよく見えないわ、冠布が顔の前に入り込んで目の前が真っ暗になるわ、ボール紙で作った自家製フォーマットマスク(笑)は落っこちそうになるわで、1人で写真撮ってて、悪態つきまくりである。突っ立ったまま頭から黒い布をかぶった男が、1人で「くそ」とか「ばかやろう」とかブツブツ言っているのである。いつ通報されたっておかしくないぞこりゃ。(^^;

 そんなわけで、ピントフードである。どこかで、トヨのバルーンフードをタチハラに付けて使っている人がいるとの話を目にした。もしタチハラに付くものなら、少々高価だが買って損はないかもしれない。あるいは、折り畳み式のピントフードでもよいかもしれないが、あれだと、フードを付けたままピント合わせしようとすると、ロングタイプのルーペが必要になるかもしれない。
 いずれにせよ、ピントフードが使えると、撮影のスムーズさが大いに改善されるような気がする。PLを使うときにも、現状では、「冠布をかぶってピント合わせ」−「フィルターを通して露出を実測(この間冠布は腕に巻いて事務のおじさんモードもしくは肩から羽織って月光仮面モードである)」−「フィルターをレンズに付け、冠布をかぶりなおしてフィルター枠を回転させ、フィルター効果の設定」という手順を踏まなくてはならない。冠布をピントフードで代用できれば、手があくし、動作も速くなるはずだ。撮影のスピードアップが期待できる。冠布そのものの重さを考えれば、固定式ピントフードに変えても、重量はさほど変わらないだろう。

 問題は、冠布を一切持ち歩かないとすると、カットフィルムホルダーの引き蓋を抜くときに遮光ができなくなることである。今回、わざと遮光なしで引き蓋を抜くのを試してみたのだが、今回撮った数カットに関しては、引き蓋方向からの光線漏れは見あたらなかった。ピントフードだけで撮って、冠布を一切使わなくても、光線引きを心配する必要はそんなにないんだろうか…

 さて、ピントフードについては、もう少し調査が必要だが、とりあえずすぐできるスピードアップ策としては、「必要なものはすぐに手元に計画」がある。(^^;
 不肖うみょ吉、タチハラを持ち出すときはリュックサックなのだが、リュックサックに機材が入っていると、移動時は楽でいいのだが、取り出すときはタイヘンなのである。大判カメラで写真を撮るときには、次々にいろいろな小物が必要になる。これをいちいち背中のカバンから取り出すという手際の悪さが、撮影スピードを遅くし、撮影意欲を殺いでいることは、疑いを得ない。

 …そこで、手提げ袋である。(^_^;

 小型の手提げ袋を持って行くのだ。もちろん、岩場を歩くときなどは、手がふさがっていると危険なので、手提げ袋は背中のリュックに入れてしまう。で、撮影の時にこれを出して、タチハラでの撮影に必要な小物をあらかじめ全部この中に放り込んで、三脚に下げておくのである。こうすれば、機材の設置から撤収まで、背中のリュックを下ろして開く手間は、一度ですむ。すなわち、最初にリュックを下ろしたときに、レンズケースと冠布とフィルムホルダーと(6*7で撮る場合は)フォーマットマスクとフィルターとレリーズケーブルと露出計とルーペを手提げ袋に放り込んで、三脚に下げておけば、あとは撮影の流れに応じて、袋から必要なものを取り出すだけでいいのである。これでスピードアップ間違いナシである。あぁなんと素晴らしい。オマケに三脚の重りにもなる。(^^;

 実は、今までにも似たようなことはすでにやっているのだ。コンビニのビニール袋に、新聞紙を入れて持ち歩いているのである。どうやって使うかというと、ここで撮ろうかな、という場所が見つかったら、袋から新聞紙を取り出して地面に敷くのである。で、リュックをその上に完全に下ろしてしまう。こうすれば、背中は軽くなるし、荷物は取り出しやすくなるしで一石二鳥である。で、撮影が終了したら、新聞紙をコンビニ袋に入れてまた次の撮影場所に向かう。こうして、一日の予定が全部終了したら、駅のゴミ箱にぽい、でおしまいである。

 それはともかく、大判カメラを使う人が、なるべく人けのない山奥に行きたがるワケが、さらに1つ新たにわかった気がする。大判カメラでの撮影には、「通行人が少ない」ことがとても重要なのである。山道というのは、一般的に細いのである。三脚を立ててしまうと(それでも三脚の使えるスペースがあるだけマシだが)、前か後ろから誰か他の人が来やしないか、気が気でないのである。もし来ちゃったらアウトである。無論、どくのが礼儀である。せっかく時間をかけて合わせたピントやアオリも、三脚を抱えてどいた瞬間に、全て水の泡になってしまう。もう一度はじめから、構図決めと水平出しからやり直すしかない。で、やり直してる最中にまた誰か来ちゃったらどうしよう。うみょ的には、よっぽど気に入った場所でもない限り、もうそこでの撮影はあきらめてしまうと思う。少しでも撮影のスピードアップを図りたいと思う理由は、実はこういうところにもある。
 なんにしろ、大判カメラは、人里離れた山奥の、自分以外誰もいないようなところで、好きなだけ時間をかけてのんびり撮る方が楽そうなのである。(^^;

 通行人と言えば、このカメラで撮っていると、ほぼ100%誰かに話しかけられるのだが、写真にかなり詳しい人でも、ビューカメラを使ったことがない人だと、話しかけるタイミングを間違えてしまうのが困りもんである。これはまあ、どうでもいいことなのだが、どうも、知らない人には、ピント合わせを終わって、冠布から頭を出して、シャッターを閉じた瞬間に、撮影が終わったと見えるようなのだ。多くの人が、この瞬間に話しかけてくる。それまでは遠慮していてくれたのだと思うと、ありがたい話なのだが、実のところは、ここからがやっとホントの撮影なので、実はこのあたりがイチバン大事な時間なのである。この後、露出を決めて、絞りとシャッタースピードをセットし、フィルムホルダーを挿入して、シャッターをチャージし、引き蓋を抜いて、風がおさまる瞬間を見計らってシャッターを切り、引き蓋を戻す。失敗してフィルムが真っ白または真っ黒になる可能性が一番多いのが、この辺の操作なのである。ホントはむしろ、ピント合わせやアオリの操作をしているときの方が気は楽で、話をしている余裕もあるので、できれば話しかけるのはそっちの時にしてもらいたいのだが、まあ、そりゃ無理なハナシというわけで… (^^;
 一度、完全に撮影が終わるまでじっとそばで見ていて、引き蓋を戻し終わった瞬間に、ばっちりのタイミングで話しかけてきたおじさんがいた。話を聞いてみたら、昔写真館でアルバイトをしていて、5*7のカメラとかを使っていたらしい。ナットク。

 ところで、次に買うシートフィルムであるが、はじめはベルビアにしようと思っていたのだが、ちょっと迷っている。感度50(実効40)はちとキビシイのである。なにしろ、画角に比して深度が浅いので、長焦点レンズを使ったら、f32や45はアタリマエっちゅう世界である。PLを併用したら、晴天の真昼でも平気で8分の1秒や4分の1秒になってしまう。野外で撮るときの最大の問題は、風による被写体ブレである。どんなに精密にピントを合わせてアオリを調整しても、風が吹いただけで全てパーである。大判カメラを持ち出してお外で写真を撮るときには、曇りよりも雨よりも、風が一番コワイのである。そんなわけで、少しでもシャッタースピードは稼げる方がウレシイ。候補になるフィルムのプラスとマイナスをそれぞれ考えると…

 ベルビア。抜群のシャープネス。シアワセな色彩。特に青と緑がきれい。赤も悪くないが、赤の発色に関してはコダックの方が好き(黄色はコダックの方がきれい)。けっこう色彩に透明感もある。マイナスは、コントラストが強すぎて平面的な感じになること。感度が低いこと。

 プロビア100F。ベルビアに匹敵するくらいシャープ(このフィルムはすごい)。階調が滑らか。暗部が潰れにくい。マイナスは、色味が地味なこと、ハイライト側のラチチュードがかなり狭い気がすること、なんか特徴がない気がすること(笑)(ホントはこれが一番自然で優れている、ってことかもしんないけど。(^^; )

 E100S。階調が豊か。かなり鮮やかな発色。マイナスは、(フジのフィルムと比べて)粒が粗いこと、青の発色が浅いこと(黄色味が強いのだと思う)、濃度が若干薄い気がすること。ただ、その分色の透明感は高い。

 E100VS。ど派手な発色。非常に鮮やかな黄色。美しい赤。そのわりにはトーンもよく出る。マイナスは、(フジのフィルムと比べて)粒が粗いこと、緑の発色が少し不自然なこと、コントラストが少し高すぎること。E100Sより色の透明感は劣る。

 以上、個人的な感覚による勝手なインプレでした(笑)。うーん、どれにしようかな。今のところ、ベルビアがいいかなぁと思っているのだが、4*5なら、4倍でもう6つ切り相当だから、コダックのフィルムでもツブが気になるなんてことは有り得ない。E100VSかE100Sでもいいかもぉ。まあ、目下マミヤにはベルビアが入っているので、4*5の方はコダックのフィルムを使ってみるのもいいかなぁ…

 ところで、フジノンとシュナイダーなのだが、同じところで構図を変えてそれぞれ撮った写真を見比べてみると、やっぱりそれぞれにはっきり個性があるようなのである。スーパーアングロンは、ひとことで言ってとてもシャープである。コントラストが高く、パリッとした写り。色味は若干渋くて濃い。対するフジノンの方は、甘い。甘いと言って悪ければ、柔らかい写りである。エッジの立たない、優しい感じの写り。発色は鮮やかで、明るく華やかな感じがする。ポートレートにはフジノンが向いているような気がするが、風景にはシュナイダーが面白いかも。えーっと、210mmf9のG−クラロンって、どんななのかな。うーん、210mmf6.1のクセナーとか、210mmf5.6のアポジンマーとか、180mmf5.6のアポジンマーとか、180mmf9のフジノンAとかにもちょっと興味あるんですけどぉ…
(ってまたそれかい! (^^; )
(でも、買わないよ〜だ)
(少なくとも、1番シャッターのクセナーとアポジンマーは買わないだろうなぁ。0番のG−クラロンとフジノンAは、これは、興味が全くないと言ったらウソになるケド… んでも、フジノンはちと高いな。その点、シュナイダーは実売価格が安くてとても嬉しい)
(でも、f5.6のアポジンマー、便利なんだよねぇ。なにしろ、開放f9のレンズとかだと、PLつけてピントグラスで効果確認しながら枠を回そうとしても、暗くて何が何だかわかんないんだよね… (^^;; )

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