|
前にも書きましたが、日本で結婚式・披露宴をやりました。
私は、アメリカに引っ越す準備だけでも大変だし、お金も掛かるし、やるつもりはなかったのですが、両親から「アメリカに駆け落ちしたと、言われるような真似はやめなさい。今までお世話になった方達に、挨拶するつもりで、ちゃんとけじめを付けなさい」と言われ、やることにしました。
89年6月、彼が再度日本に来て、色々最後の準備を、大急ぎで始めました。
まず、衣装合わせ。和服のお部屋に入っていったら、係りの人が彼を見て「とくだぁ〜い!!」と叫びました。彼は背はそんなに高くないのですが、ジムでトレーニングしているので、筋肉が付いているんです。それで大きく見えるんですね。
用意された着物を着たら、肩幅が大きいので、袖が短い…。でもそれ以上大きいのはないから、それに決めました。次は足袋と草履ですが、これも大きいサイズを持ってきてもらって、何とか決まりました。
タキシードは彼がアメリカから、黒と白の2着を持ってきたので、それを持ち込むことになりました。
結婚式の前夜、新郎新婦が、同じ家から式に向かうのは、おかしいというわけで、 夫はホテルに泊まりました。私は家族と、最後の夜を過ごしました。興奮と緊張の為か、淋しいとかいう気持ちは湧いてきませんでした。
当日早朝、母とホテルへ。夫はもう起きて待ってました。夫と一緒に控え室へ入って、着付けの始まりです。私は化粧とかかつらとか、打ち掛けとか、男性よりも手間が掛かるので、彼の様子を見ていられなかったのですが、兄がフォローしてくれてたようでした。
でも時折、カーテン越しに係りの人の「この人、はかまの片側に、両足突っ込んでるわ〜。どーしよ〜!」「ここに座って下さい! ここ!(ぱんぱんと叩く音) お〜しり! ヒップ!」という声が聞こえてきて、私はくすくす笑っていたのでした。
やっと準備が整い、ホテル内の神殿へ。事前に、友達の結婚式のビデオを彼に見せて、一通りやり方を教えておいたのですが、私は彼が何をしでかすかと、気が気ではありませんでした。
とうとう、式が始まりました。
神主さんの祝詞の中に、新郎新婦の住所を入れるところがあるのですが、これが「え〜、かるふぉる〜に〜あ〜の〜、ろさん〜ぜるす〜の〜」という節回しで言われると、おかしくって、おかしくって…。
その上、巫女さんが踊るので、初めから笑いをこらえるのに必死でした。
ダメ押しで夫が、「ねえ、見て見て、あの靴、ミッキーマウスみたい」と、神主さんの靴を指さして言うので、私は死にそうになりました。
次に榊をお供えするのに、2拝2拍手と言われて、夫は横目で私を見ながら真似をして、ぎこちないながらも、なんとか出来ました。ホッ。
そして、メインの三三九度。盃を手に持ち巫女さんが注いでくれます。
夫は形はよかったのですが、1回目にお酒を飲み干してしまい、日本酒を飲んだことがなかったのに、大丈夫かなとはらはらしました。そして、私が口を付けるだけで、飲んでいないことを横目で見て、自分も次からは飲まないで済ましました。
この時のビデオを後で見ると、2人とも目がきょろきょろしてて、と〜っても、落ち着きのない、まるで職務質問された犯人みたいな顔をしていました。
こうして、ドキドキモノの式は、大きな失敗もなく、滞りなくとりおこなわれたのでした。
式が終わって写真撮影が済んで、披露宴会場へ。
まず、ケーキ入刀。夫はあれが作り物だとは知らず、実際にそばによって、一部分だけがケーキなのを見て、「だまされた〜!!」とぶつぶつ。おまけに形だけでいいものを、本気でごしごし切ろうとするので、ケーキがゆらゆら揺れて倒れそうになり、係りの人が飛んできて、止められてしまいました。
ケーキ入刀も無事に済んで(?)、乾杯をしてから、私側の親戚と友達ばかりで、夫側がいない、仲人もなし、主賓もなし、とてもお気楽な宴会が始まりました。
しばらくして、私たちはお色直しへ。夫は黒のタキシード、私は純白のウェディングドレス。人の結婚式でお色直しを見る度に、「ファッションショーじゃないんだぞー」と思っていたのに、自分がやる羽目になるとは…。
夫は、間違った靴を持ってきたらしく、控え室で「この靴は違うー!! 部屋に置いてきたー! 取ってくるー!」とわめいていたのですが、この「WRONG SHOES」を係りの人は「LONG SHOES」と思って、ブーツを持ってきたりして、大騒ぎでした。
やっと、着替え終わって、又、写真撮影をして、会場へ。
この時は、いとこの子供達が花束をくれたのですが、「アメリカ式にキスもするんだよー」「はよう、チューせんか〜」という、大人の激しいツッコミにあい、子供達はおそるおそる、私たちのほっぺに、チュッとキスしてくれたのでした。
さて、席について、スピーチが始まりました。新郎新婦が、ぺちゃくちゃおしゃべりしていては、みなさんに失礼ということで、英語の出来る方に頼んで、夫の隣に座って通訳してもらってました。
でも夫は、新郎新婦は、おとなしくスピーチを聴いてるもんだという、日本の風習は知らないので、思い切り食べまくってました。
一緒にアメリカに旅行して、夫との出逢いを、一番よく知っている友達のスピーチの時、たまりかねて彼女は言いました。「食べてばかりいないで、私の話も聞いてよ〜!!」夫は涼しい顔で「食べながら聴いているよ」と答えたのでした。
お決まりのカラオケが始まって、また、お色直しの時間。夫は席を立つときに、しっかりと「まだ食べ終わってないから、この料理は下げないように言っといて」と、通訳の友達に頼んで、部屋を出たのでした。
最後のお色直し、夫は白のタキシード、私は銀のドレス。今度は問題もなく、写真撮って、会場へ。
お決まりのキャンドルサービスです。悪友が多いので、ろうそくを濡らして、点かないようにするいたずらを、あちこちのテーブルでやられて、私たちのキャンドルの火まで消えてしまい、係りの人がすっ飛んで来て、ライターで点け直すという場面もありました。
長い披露宴も終わりに近づき、両親に花束贈呈、そして普通なら、親族代表の挨拶でしょうが、ここでは私と夫がマイクを持って、お礼の言葉を述べました。その後、出口でお客さまをお見送りして、長い披露宴はお開きとなりました。あ〜疲れた〜。ホッ!
|