八重桜



私の原風景。 ある春の日、雨が降っていました。 母が朝から悶々としています。子供達は何かを感じ 母に近寄りません。 父と何かあったのでしょうか。 夕方、雨が上がり西日が差してきました。 向かいの山にある八重桜に日が当たりパーッと光って いました。 何を思ったのか母は兄に鋸を取って来るように言い、 一緒にその桜の木に向かいました。 あれこれと兄に指示をして一つの枝を切らせました。 それを持ち帰り座敷に運ばせ、そして物置から大きな 水盤を出して来て座敷に運びました。 母は座敷で切ってきたばかりの八重桜を生け始めました。 大きな枝ですからたいへんです。 兄にあれこれ指図をする意外に口を利きません。 子供らは只黙って母を見るばかりです。 八重桜気魄を込めて生ける母     握りこぶしで見つめる子供ら 上のwebの「戻る」より表紙に戻って下さい。