00年12月9日                      〈毎週水・土曜日発行〉
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          ☆小説の作り方!51号★彡 
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 不安になる原因を除くことだけが、落ち着く方法かと言えば、そうではあり
ません。心の中に宝庫を見つけることによっても、落ち着くことはできるので
す。
                     ルーフス・M・ジョーンズ
      「小説家・ライターになれる人、なれない人」(同文書院)から
:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:**:*:*:

 こんにちは。
 今日は小説のいちばん重要な部分「会話」についてです。

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
            ■「会話」を考える■         
    ────────────────────────────
       目次 ・シーンがわかっていなければならない
          ・会話はディベート
          ・会話は嘘の固まり
          ・会話と地の文
          ・会話の小説での機能
          ・よくないセリフ
          ・セリフをおもしろくする法
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 会話は小説のいちばん魅力的な部分だといっていいとおもいます。
 読者は登場人物の会話と行動を楽しむ。小説世界に引き込まれる。
 さあ、登場人物にどういう会話をさせればいいのか、を考えていきましょう!


      シーンがわかっていなければならない
     ---------------------------------------

 作者はそのシーンで登場人物に何をさせたいのか、どういう目的で会話させ
たいのか、をわかっていなければなりません。
 もちろん、登場人物のキャラクターが手に取るようにわかり、シーンの細か
いところまで描写できるほど、場所がわかっていなければなりません。役者と
舞台ですね。
 登場人物は「どんな格好」で「どんな事をする」か。
 そしてどういう会話が行われるか。

┌─────────────────────────────────┐
│会話に緊張感、恐怖、怒りなどの強烈な感情を盛りこむには、これらの感│
│情はすべて会話自体のなか、言いかえれば、話し手のことばの選び方、考│
│えの述べ方のなかに表現されなければならないのだ。会話からそれが伝わ│
│らないなら、その会話は貧しいのであり、期待した効果が盛りこまれるま│
│で、みがきあげられる必要があるのだ。               │
└─────────────────────────────────┘
     「ベストセラー小説の書き方」朝日文庫 ディーン・R・クーンツ

 会話がおもしろくないということは、キャラクターができてないということ
です。キャラクターができていれば、現実と同じように、人物はどんなテーマ
にもそれぞれの価値観と喋りかたで会話ができるはずですから。

 シーンという作者が設定した舞台で、登場人物がどういった言動をするのか
――それが会話の醍醐味なのです。



         会話はディベートである
        --------------------------

 会話はドラマ性――登場人物の意志の対立がなければなりません。
 そう、小説の構成の起承転結と同じように、一つのシーンの心理の起承転結
なのです。それでこそ、小説世界を前に進めていく会話ができる。

 それでこそ、おもしろい。
 表面上はどうであれ「心理の口喧嘩(ディベート)」なんです。


 もちろん、登場人物の年齢・性格・教養・環境・置かれた状況に合致した話
し方、喋り方をさせないとリアリティがなくなるのはわかりますよね。

 そういうリアリティを保証しながら、口でのアクション←→リアクションな
んです。会話は漫才と同じです。ぼける、つっこむ。
 そしてその台本を書いているのは作者です。



          会話は嘘の固まりだ!
         -----------------------

 ほんとにそうなんですよ。

 現実に生活する人間の会話というものは、「嘘を含んで」います。
 現実の生活でぼくらは言葉とは裏腹な感情で喋っていることはありませんか?
 明るい声で「おはよう」なんて挨拶してますが、仕事をするのは嫌だな、勉
強するのは嫌だな、とか、こいつは気にくわないな、とか。

 人の喋る言葉というのは本心を隠すために機能することもある。
 その目的がひとつの規範に従うことであったり、ルールを守ったり、人との
関係を円滑にするためであったり……してもね。(^_^; 
 また、人を陥れるために表面はきれいな言葉を使う。
 やむなくお世辞をいうこともある。
 人間は本当のことだけを喋っているわけではないのです。

 だからこそ、相手を推察したり、やりとりをするおもしろみもあるわけです。
 そういうところで生きているのが人間なんです。

 小説の登場人物もそう。
 嘘もつくし、心からの真実の言葉も喋る。

 読者は小説世界というシミュレーションのなかでそれを体験して、楽しんで
いるわけなんです。

 人間は「嘘を含んだ」会話をする――それを頭において登場人物の会話のシ
ーンを作ってください。それこそリアリティです。



            会話と地の文
           ----------------

 上のクーンツの約束が難しかったら、地の文で、心理描写で補ったらいいん
です。ただ、クーンツが「素人がする」というような描写はしないでください
よ。これは次のようなことです。
┌───────────────────────────────┐
│例えば、会話のあいだに「とあえぎながら言った」「と身震いした」│
│「と驚きの声をあげた」「と聞きただした」「と断言した」「と探り│
│を入れた」「と躍り上がって喜んだ」――などの地の文を頻繁に入れ│
│ること――これは文章の流れを妨げ、歓迎されないメロドラマ的雰囲│
│気を作るだけだ。                       │
└───────────────────────────────┘

 地の文で会話の雰囲気を作ろうとしてはだめ。

 これは時間の流れを止めるだけでなく、読者の想像力をそぐだけですから絶
対にやめたほうがいいです。

 会話のシーンでは特に描写は必要ではないんです。
 読者の注意は話していることに向けられているからです。

 だから、「言った」「尋ねた」「答えた」というだけで充分です。
 それだって必要最小限で、無くていい。




           ┌─────────┐
           │会話の小説での機能│
           └─────────┘
 小説という世界において、会話はどんな役目を果たしているのでしょうか?

 読者に1)現在の状況を知らせ、2)登場人物の今の心理状態を明らかにし、
3)ストーリーを押し進めるきっかけになる。

 だから会話は物語(テーマ)の進行方向に沿って進められなければなりませ
ん。ひとつのセリフはひとつの目的を持っています。無駄な会話はないんです。

1) 登場人物は小説世界のなかで動機をもって動いています。
2) 作者はストーリーにプラスになるように対立関係を持った人間、協力関
   係のある人物を、一つのシーンに集めなければなりません。
3) そこで、会話はテーマが表に現れたものとして交わされなければならな
   いのです。

 会話はディベートなのですから、プロットに無駄な意味のない会話は許され
ません。

 どんな会話にも目的があります。
 相手の次の行動を引き出すことです。
 そしてストーリーに貢献すること。


「シナリオの基礎技術」新井一(ダヴィツド社)を参考にしてよくない会話を
挙げます。これシナリオでは有効なんですが――映像で情報を伝えているから
――小説ではどうでしょうか? でもヒントにはなるとおもう。


            よくないセリフ
           ------------------

■過剰で無駄なセリフ
----------------------------------------------------------------------
 場面が思い浮かばないからいきおいセリフで安定させようとする。
「お茶をどうぞ」「なんて汚いんだろう」――見ればわかるのに説明する。
----------------------------------------------------------------------
1)小説でも会話でこういうせりふを言わせてしまうこと、ありますよね。こ
ういうセリフが浮かんだら要注意したほうがいいのかもしれません。しっかり
描写されていれば無駄な会話をさせずにすみます。
「おはようございます」、「毎日、暑いですね」、「ご主人によろしく」など。

2)問答型になる。
「どこへ行こう?」
「さっきから考えているのだけど」
「海へ行こうか?」
「そうねえ」

■説明セリフ
「心配だから、探してくるわ」
「警官がいるわ、交通事故でもあったのよ。行ってみましょう」

 ドラマでわからせるのではなく、心理をセリフで説明している。

■英会話セリフ
 警察でいえば誘導尋問のやりとり。
「どちらへお出かけです」
「銀座の方へちょっと」
「お買い物ですか」
「いえ、主人が帰って来るものですから、その支度に」
「ご主人はどちらから……」
「アフリカに行っておりましたの」

 ストーリーは進展しますが、人物は人形のようで生きていない。

■無性格セリフ
 元来、セリフは「その登場人物がその時点において、どうしても言わなけれ
ばならないもの」といわれています。
 ただストーリーを説明するために喋るというものではない。
 こういう実験をしてみてください。
 三,四人で会話しているときに、誰が喋っているかのセリフをあべこべにし
てみるのです。それで不思議に思わなかったら、その人物の性格は描かれてい
ない。

 感情のないセリフというものもあります。挨拶と営業のときです。「おはよ
うに」に感情を込めるのはたいへんです。
 挨拶の代わりに、性格を出すセリフ、状況を出すセリフに変えてしまう。

「おはようございます」
「あたしゃ、五時間も前から起きてるよ

――ゴミ袋を持って路地から出てきて、隣の人に会う。
「この頃、とりにこなくて困りますわねえ」

■過小セリフ
 リアクションのセリフが当然入るべきなのに、入れないで話を進めてしまう。

――10年ぶりに再会した場面。
「ああ、美也子さん、お久しぶりです」
「あら」
  では困ります。
「ああ、美也子さん」
「(じーっと見て)斉藤さん?」
「お久しぶりです」

■抽象セリフ
 セリフのなかに形容詞などの「うれしい」「悲しい」……の一般的な感情を
表す言葉を入れてしまう。
――恋人同士が登山をして、頂上について、
「まァ、素敵!」

 それよりもっと具体的に表現したほうがいい。

■文章体セリフ
「日が没しましたね」(落ちたでしょう)
「出張の準備をしに帰ってきて下さい」(これは支度のほうがいい)
「変な宗教に加わって……」(入ってのほうが)

■告白セリフ
 シナリオでは登場人物が自分のことを喋るセリフをいう。
「ぼくはこのあいだ、ホールインワンをしてね。……」
 自分のことばかり喋るのは嫌みで現実味が薄くなる。その効果を狙うなら別
だが。
 こんなとき、他人に言わせる。
「あなた、このあいだホールインワンをなさったそうですね」
「いえ……え、まァ」

■分裂セリフ
「君の家の庭はなかなかいいじゃないか、ぼくもこういう庭が欲しいよ、ああ、
話はちがうが、山田の奴このあいだ結婚してね」

 ひとつのセリフの中でテーマを二つも三つも言ってしまう。観客はAがこう
言った、Bがこう反論したな、というなかで登場人物のいわんとしたテーマを
探っているのだから、このセリフでは混乱してしまう。

■独白セリフ
 舞台では人物が独白することが多い。セリフでしか表現方法がないから。
 しかし、映画は映像があるのでそうする必要がない。
――柱の影から見ている男。
「あいつは、たしかに、うちのライバル会社の杉山製薬の敏腕社員だ」
 なるほど、全部よくわかるが、ニュアンスがなくなる。

■長セリフ
 舞台では長セリフは醍醐味。
 映像芸術は喋っているかより、どう反応して聞いているかのリアクションに
重点がかかる芸術。
 思いのたけを登場人物に喋らせようとすると長セリフになる。そして説明的
になる。つまらなくなる。
「うん、みんなよく頑張ったな、あれは半月も前のことだったなァ、敵が総攻
撃をかけて、城のこの曲輪に取りついたと思ったら、あっという間に大切な水
桶をこわして引きあげて行ってしまった。何しろ高い崖の上にある城だ、水が
一番大事だということを敵は知っていたンだ。あとは責めるでもなし、ただ遠
くからかこんでいるだけで、俺たちは乾上がってしまったンだからな」

----------------------------------------------------------------------

          セリフをおもしろくする法
         ----------------------------

■反対セリフ
 反対セリフとは全然反対のことを言って、セリフを言った人の気持ちを表す
もの。「私、あなた大好きよ」よりも、
「あンたなんて大嫌いよ」と言わせたほうが心理の綾がでます。
 セリフの裏の真実を観客に感じさせることができる。

■包むセリフ
 間接的な表現でそのものズバリと言わず心理の綾を出す。
 例に岸田国士の『紙風船』を挙げています。
「なるほど、付き合おうといわれたらどうする」
「いけばいいわ」
「行けばいいさ。しかし行きたくなかったらどうする、行きたくっても、事情
がゆるさなかったらどうする。今日みたいに」
「じゃア、芝居が活動になったっていいじやないの」
「お前のところはいくらある?」
「もう、いや、そんな話は」
「(指を折りながら……)十六、十七、十八、十九……」
「おい。お前のところにいくらある」
「月給前じゃないの、あるわけないわ」
「ああ。あと五日か……」

 給料日前なのです。苦しい。それがよく出ている。

■飛躍セリフ
 日常生活では問われたら返事することが常識になっています。でも、現実に
は怒っていたり、すねていたり、上の空だったりで返事しないことがあります。
 シナリオを書く場合、律儀に返事しなければと、とらわれてしまう。
 これを飛躍させて、答えさせないで、観客に戸惑いを与える。
 セリフを1,2,3,4と順序よく並べるのでなく、たまには、1,2,4
としてみる。

■強調セリフ
「さしあげます。これ」
「え? 私に?」
 聞き返すことによって強調しています。強調されるところは観客に覚えてお
いてほしい大切な部分です。

 シナリオではセリフの最後(セリフ尻)が、訴えやすい結論的な部分です。

■テンポとリズムのあるセリフ
 セリフはストーリーの説明や、心理描写の役割だけでなく、もう一度くり返
して見たい、というリズムとテンポのあるものであること。

■対立セリフ
 ドラマの本質は対立です。セリフも対立させていくことによって成立します。

「私はこの仕事には反対だ」
「いえ、私はやることが、この際必要だと思います」

■感情のあるセリフ
 テーマとストーリーに気をとられてしまうと、登場人物の口を借りて、作者
の言いたいことをいう結果になってしまう。

 すべての登場人物の行動は感情によって動かされているということを意識し
ておかなければなりません。

1) 感情的にする
 自分の言葉に感情を込めるのはもちろんですが、相手がどう思って聞いてい
るのか、そのリアクションを考えて書く。相手は感情で返してくる。それをま
た受けて感情でものを言うことができる。

2) 個人の話にひきもどす
 個人がどうなのか、という問をいつも持っておく。全体よりも個人を見るよ
うにする。

3) 抽象を具体化する
 抽象的なセリフが浮かんだときは、それを具体的なものに変えて表現する。

4) 小道具を使用する
 公害を訴えるシーンを作るとする。口で説得するよりも、机の上の稲を取り
あげて「見てください。この稲が……」とするほうがセリフに実感がこもる。
 物を人にたとえる擬人化の方法がある。これによって感情移入ができる。


----------------------------------------------------------------------
「シナリオの基礎技術」をほとんど要約する形で引用しました。読まれている
方も多いとおもいます。そういう方には……m(_ _)m。この本はシナリオ作法
の本ですが小説を書く場合のヒントがつまっています。ぜひ買い求められては
いかがでしょうか。

 長くなりました。次回は「タイトルと梗概」をお送りします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ■編集雑記■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今日は5日なんですが、明日から福島へ行きます。少し寒そうです。
 それが済んだら仙台へ。
 お正月を無事に過ごすために稼いでおかなくちゃ。また。
……………………………………………………………………………………………
  ☆ミ         ★☆彡     ☆ミ       
            ☆ミ                           ☆ミ
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 00年12月13日                      〈毎週水・土曜日発行〉
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          ☆小説の作り方!52号★彡 
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:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:**:*:*:
 ライターはまず登場人物に息を吹き込むことから始めます。しかし、もしも
あなたがとても幸運ならば、彼らがあなたに息を吹き込んでくれます。
                     カーリル・フィリップス
      「小説家・ライターになれる人、なれない人」(同文書院)から
:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:**:*:*:

 こんにちは。
 小説を書く最終段階を過ぎると推敲と応募だけです。
 ぼくはまだ応募したことがない初心者です。
 そんなことをおもうと、こういうメルマガを出してるのが、ちょっと恥ずか
しくなったりする。でも……がんばるぞ!(^_^; 

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
           ■タイトルと梗概について■         
    ────────────────────────────
       目次 ・タイトルの重要性
          ・梗概について
          ・ミステリーの梗概では
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

「小説家への道」「小説家への道2」鳩よ!編集部(マガジンハウス)
 は、小説家になりたいとおもう者にとって役に立つ本です。
 ほとんどのことが丁寧に解説されている。

 この本を読めば、ぼくが52〜54号の最終号までのメルマガで書くようなこと
は必要ないのですが、ぼくなりに。このメルマガ(小説作法基本編)を締めく
くるために。


             タイトルの重要性
            ---------------------

 小説を書くときにいちばん楽しいのがタイトルを考えるときですね。
 わくわくします。
 どういう読者が読んでくれるのか――
 どんなふうに感じてくれるだろう――

 タイトルはその小説の芯になるものをそのままタイトルにすればいいんです
 読んで欲しい内容、訴えたいテーマを絞り込んでタイトルにします。

 タイトルが決まれば書き出せます。
 タイトルをいつも横に置いて睨みながら書き進む――そうすることで創作に
対する集中力が生まれるんです。自分の書くものがはっきりする。

 抽象的なタイトルでは、この「自分の書くもの」がはっきりしないんです。
 作品の内容や結末がタイトルになっているものは広がりがないし、ですから、
今までと違う新鮮味や意外性を付け加えたタイトルにしてください。
 タイトルは方向性を決めるんです。

 読むほうにとってみても、インパクトがないタイトルって読みたい気持ちが
起こらないでしょう。(^_^; 

1) 詩的であること
2) 印象に残ること
3) 現代を一言で言い表せているようなコピーであること

 ジャンルがわかるようにしなければならないし……
 レイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女よ』。すてきですね。
 Farewell, my lovely. が原題なんですが、なぜかアメリカの作家の小説の
タイトルは単純なのが多い。それが日本語に直すとこんなに詩的。アメリカの
作家は膨大な量を書くから、内容で勝負しているんでしょうか?


 登場人物の台詞や、キーワードになる単語を抜き出して、ブレーンストーミ
ングをして作るのもいいです。セリフをもとにするのは、それがいちばん訴え
たいものを表しているから。


 物語の場所や、小説世界のイメージから作るのもいいです。
 タイトルがそのテーマを象徴する。

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」村上春樹(新潮文庫)
 いいですねえ。

 タイトルを考えるのは楽しいです。
 作品は子供――タイトルは子供への命名ですもの。いいタイトルを考えてく
ださい。けっして名前負けにならないように――


-----------------------------------------------------------------------


             梗概について
            -----------------

 紹介した「小説家への道2」には野沢尚の『破線のマリス』の実際の梗概が
掲載されています。
 こういう実例があると梗概というものが何かがわかりやすい。
┌────────────────────────────────┐
│梗概は、その完成した作品が他人である読者にどのように見えるか、そ│
│れを客観的に要約したもの                    │
│                                │
│物語の発展を客観的に書き出し、その小説のエッセンスを要約したもの│
└────────────────────────────────┘
 であるということです。


「下読みの鉄人」
http://www.sky.sannet.ne.jp/shitayomi/
    でも、梗概について詳しく書かれています。
┌────────────────────────────────┐
│梗概は宣伝文ではないということです。あくまでも長い本編を非常に短│
│くまとめた総集編のようなものなので、きちんと完結していなければな│
│りません。                           │
│この時に一つ注意してほしいことは、つまり「誰々の運命やいかに?」│
│とか「そしてついに決着の時を迎えた…」とか、そういうふうに途中で│
│終わっていてはいけない、ということなんです。結末まで、きちんと書│
│く必要があります。ここらへんを勘違いしている応募者がかなりいるの│
│で、気をつけてください                     │
└────────────────────────────────┘


1)梗概は、下読みする部員、あるいは編集部員が読むときに、まず、この作
  品では何が書かれているのかを把握するためにあるようです。

2)そのときに、おもしろそうな作品を先に読む、梗概がしっかりしている作
  者は作品もいいという印象を持つのは、人間だからしかたないでしょう。

3)で、まさか、梗概を読んだだけでおもしろくないと落とされてしまう、と
  いうことはないとおもいますが、いい梗概を書くのは必要条件です。



 下読みの人の裏話もおもしろい。気をつけなければならないことがいっぱい
あります。

「小説新人賞はこうお穫り遊ばせ」奈河静香(飛鳥新社)
「小説家への道」の「座談会 予選突破のための10か条」



■ミステリーの梗概では

 ミステリーでは、トリックまで明らかにしなければならないのか、という疑
問があるとおもいますが、基本的に梗概は粗筋なのですから、トリックがスト
ーリーを左右する展開でなければ、書く必要はないとおもいます。


 犯人が見つかった経緯まで、つまり、最後の結末まで書く必要があるでしょ
う。

 基本的におもしろい作品は、ストーリーを知っていても何度も読むに耐える
ものです。ですから、梗概ですべて書いてしまったら読まれないんじゃないか
と考えるのは杞憂だとおもうんです。

----------------------------------------------------------------------
 うん、ちょっとタイトルと梗概については書きにくかったですね。
 タイトルは個人的な好みというのがあるので、いくらでも喋ることはできる
んだけど、それじゃ、退屈でしょうし。
 梗概については、おもったほど、書くことがない。構成をしっかり立てる人
ならちゃんと書けるだろうし。

 そんなところで、いよいよ、あと2回なんだけど、次回は「スランプと推敲」
について書いてみたいとおもいます。
 では、また。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ■編集雑記■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 師走ですね。
 街なかを歩いているとせわしないです。これってジングルベルのせいもある
んでしょうけど。なにかうきうきします。
 忘年会で飲みすぎて体調を崩さないようにしてくださいね。
……………………………………………………………………………………………
  ☆ミ         ★☆彡     ☆ミ       
            ☆ミ                           ☆ミ
    SAO  ヾ(^^ )
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00年12月16日                      〈毎週水・土曜日発行〉
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              ☆小説の作り方!53号★彡 
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*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:**:*:*:
 まるですでに小説が書かれているような感じだった。それは宙に浮いていて、
電子のネットワーク上にあるようでした。小説が朗読されている声が聞こえた
のです。もしも椅子に座って書きさえすれば書けそうな感じでした。
                          A・S・パイアット
        【小説家・ライターになれる人、なれない人(同文書院)から】
 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:**:*:*:

  こんにちは。
  ここ、福島は火曜日は雪が降りました。今日は暖かかったのですが、まだ林
の陰の道路には雪が残っています。

     ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
              ■スランプと推敲■
     ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

                スランプ!          
               ------------
 スランプに陥ることは必ずあります。対処法を作っておかなければなりませ
んね。
  なぜ、小説が書けないというスランプに陥るのか。

1)日々の生活が忙しいために、小説のことを考える余裕がなくなる。
2)構想、プロットができていない。それで書けない。
3)他に小説をを書くよりも楽しいことができた。興味が移った。
4)今までの自分にあきたらず、新しいことに挑戦しようとするが方法がわか
   らない。

  原因はいろいろあります。でも、書けないのは辛いものです。
  そんなときは、18号で書いたようなリラックス法を試してみましょう。
  基本的に、人生、行き詰まったときの対処法と同じなんです。気分転換しま
しょう。

  新しい問題意識が生まれているときには、今までのことに否定的になり、外
から見ると無気力で怠けているように見えることがあるんです。
     
    ┌─────────┐
    │で、スランプ脱出法│
    └─────────┘

1) いろんな方法で気分転換をする。
     散歩。瞑想。睡眠。映画を観る。旅行する、など。少し日常から離れて
    みる。心の余裕を取り戻すことが大事ですね。人間、いろんな関係に縛
    られているから少しそこから離れて自分を眺めてみると、いいんじゃな
    いでしょうか。
       
2) いちばんいいのは、人の話を聞く、ということです。これ、(1)と逆
   さまのようだけど、意外と効果があるんですね。
     いちど、自分を無にしてみる、ということかもしれない。
     すべてを受け入れてはじめの頃に戻る……そうすれば好奇心が湧き上が
   ってきます。

3) 読書──です。
     それもただ読むだけじゃなく、好きな作家の文章を書き写す。できれば
   手で。その呼吸、リズム、感覚を体感するんです。
     忘れていたものに気づくことがあります。もともと、自分はそうなりた
   かったのじゃないかな。もちろん、小説を書くことだけが人生じゃない
   けれど……
     それによって、自分ならこう書きたいって気持ちになる──




              推敲――圧縮と省略
             -----------------------
┌─────────────────────────────────┐
│文章作法上の圧縮と省略が自在にできるようになったら、力量はよほど上│
│がっているといってよい。圧縮は、文章の冗長部分を圧縮して、不要部分│
│を押し出して、つまり贅肉を除去する作業だが、かなりむつかしい。  │
│表現の曖昧な部分、平坦に書かれている部分、実感の稀薄な部分、類型的│
│な字句の使用されている部分、対象が的確に把握されていない部分――を│
│除去する目的が「圧縮」ということである。いったん手を入れたものを、│
│時間を置いてもう一度検討することがだいじである。          │
└─────────────────────────────────┘


┌─────────────────────────────────┐
│省略――は、圧縮と同じようだが「短篇小説入門」の項で触れたように、│
│重複している部分、削っても文脈の傷まない部分等を刈り取るこむことで│
│ある。文章は一応短いほうがよい、という考え方に立脚して行う。圧縮と│
│省略は、双方、有無通じ合う、修正能力上の問題であることを承知してい│
│てほしい。                            │
│文章上の余分を削ってすっきりさせることを「刈り込む」という。これは│
│編集者が新人作家の作品を批評する時によく使う言葉である。また「ふっ│
│切れていない」というのは、お玉杓子の尻つぼがまだついている、という│
│未熟さを指摘する言葉である。                    │
└─────────────────────────────────┘

               「小説の書き方」 伊藤桂一(講談社)より

   この上の言葉で、すべて言い表されています。

┌─────────────────────────────┐
│読んでみて、ひっかかるところが無くなるまで何度も書き直そう│
└─────────────────────────────┘

   ■第1稿ができたら、必ず、紙にプリントアウトして推敲作業する■

  なぜ、プリントアウトしなければならないかというのは、全体が見渡せるか
らです。それで初めて一個の作品として対象化して見ることができるからです。
 会話と描写のバランス、表現のリズムと呼吸、書き足りないところが容易に
わかるからなんです。
  それに「書き込み」ができる。これが重要なことなんです。
  文章の修正はワープロを使えば簡単ですが、ワープロの欠点はいつも完成稿
として表示されることです。これが間違いのもと。必ず、プリントアウトして
ください。
   

1) 誤字・脱字の確認

2) ストーリーの流れにおいて矛盾は生じていないか?
    プロットはこれで言い尽くされているか?

3) 表現──
    同じ言い方を続けてはいないか、重複していないか。
    もっと工夫できないか。


   これが、チェックのポイントです。
   でも、いちばん大事なことがあります。

┌────────────────┐
│他人に読んでもらって感想を聞こう│ということです。
└────────────────┘
 自分の文章の善し悪しは他人でしかわかりません。自分ではいいと思う表現
も独りよがりのことがあります。
 できるだけ多くの人に読んでもらってください。


 ■多数の人から同じようなことを指摘されたら、そこが間違っているのです。




  ■褒めてもらうより、辛辣な批評のほうが、自分のためです。
  --------------------------------------------------------
  ナルシズムは捨てましょう。
  納得がいかないという反発を感じることがあるかもしれませんが、自分のす
べてを否定されたような気になるのはやめましょう。
  プライドやナルシズムは文章を書く者にとっていちばんの害です。

「おもしろい」って言ってもらえたら、最高です。
 でも、「ここがおもしろくないよ」って言ってもらえるほど、ありがたいも
  のはないんです。それで自分の気がつかなかったことに気づくことができる
んですから。


■推敲する段階では、まだ第1稿目なんです。
  まだまだ、2稿目、3稿目、4稿目と続くはずです。
 おもしろくない部分は全面的に書き改めましょう。

  よく指摘されること──はこれらです。

1)設定上の疑問

2)読んでいて冗長な部分

3)説明不足の部分

 これらはぼくらが文章を読んでいて、まず、気になるところです。
  でも、自分で書いていると、気づかないことが多いんです。

---------------------------------------------------------------------

  推敲すること、批評を受けることについてはいろんな意見があるとおもいま
す。こういう推敲の仕方、こう批評を受ければいいという……

  でもね、推敲は自分のもの、批評は他人のものです。作品は自分の子供のよ
うに可愛い。この子を育てようじゃないですか。
  ゆっくり、落ち着いて、他人の意見も聞いて、ねばり強くやりましょう。

---------------------------------------------------------------------
┌──────────────┐
│再び、点検のチェックリストを│
└──────────────┘
    『構成について』
---------------------------------------------------------------------
シチュエーションがわかりやすいか。状況や対立関係などわかりやすいか。

謎とサスペンスが早い段階ででているか。

心理描写、風景描写、行動描写、説明、要約の配分は適当か?

プロットにおいて、葛藤や不安が深まっていったか。読者にとって意味があ  
ったか。

冗漫ではないか。読者は、退屈ではないだろうか。リズム、テンポよく展開さ
れているか。

削ってもいいような必要でない部分はないか。

読者に先を読ませるような魅力的なものになっているか。

クライマックスは、よかったか。盛り上がったか?

ストーリーに十分な面白味があり、直線的ではなく、二つ以上の事件や出来事
が絡み合っていたか。 
---------------------------------------------------------------------


    『登場人物について』
---------------------------------------------------------------------
登場人物たちは、葛藤を持ち、対立したグループに分けられるか。

それぞれの人物はプロットにおいて、その役割を果たしているか。

脇役はちゃんと役目を果たしているか。

それぞれの人物のキャラクターは際だっているか。

主人公は人間味があり、読者の共感を得ることができる人物か。

それぞれの人物は、読者にとって興味深いキャラクターか。

人物のリアリティはあるか。

単純なキャラクターを作ってないか。重層的な性格に設定されているか。

プロットにおいて、主人公は成長したか。

ユーモアとウエットがあるか。
---------------------------------------------------------------------


    『テーマについて』
---------------------------------------------------------------------
葛藤のキーワードは。一言でいえるか。

タイトルはテーマに対してあっているか。

葛藤の発展過程が、読者にとって明確か。

テーマは読者を引きつけるものか。

新しい価値観を提起したか。常識的ではないか。冒険をしているか。

読者に、深いテーマを感じさせることができるか。

エピソードは、プロットをつくるのに役に立っているか?

人物の行動は、プロットをつくるのに役に立っているか?

事件に矛盾はないか。必然性があるか。

テーマに共感性とオリジナリティがあり、読者を引き込むだけの魅力があるか。
---------------------------------------------------------------------


    『描写について』
---------------------------------------------------------------------
人物描写は鮮やかにできているか。

心理描写は心の襞をちゃんと表わせたか。

風景描写は際だっているか。

顔の表情が際だっているか。

細部が描かれてるか。背景は書きこまれているか。

臨場感があるか。

天候、匂い、時間、気分が描写されているか。

人物が生き生きとした会話か。作者の都合で会話させていないか。
---------------------------------------------------------------------


    『視点について』
---------------------------------------------------------------------
視点はちゃんと保たれているか。

その事件を語ることは、読者に楽しみをもたらしたか。
---------------------------------------------------------------------


    『文体、表現について』
---------------------------------------------------------------------
文体は読者に受け入れられているか。

ひとりよがりの表現ではないか。

読者が理解できない表現をしてないか。

文章は読みやすいか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ここまでにします。
 というのは、今、ノートパソコンを使っているのだけど、エディタの設定が
悪くて文章中に改行が挟まれてしまう。何度、設定し直してもだめなんです。
それでとても文章が書けない状態です。
 これで、コピーしてお送りしますが変になっていたら、ごめんなさい。

 次回は、「小説作法基本編」の最終号です。新人賞を目指すことについて書
きたいとおもいます。
 では、また。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        ■編集雑記■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 もう2週間でお正月ですね。
 楽しく過ごしてください。
 ぼくも、そのあいだに今年の総仕上げ、小説を書きます。(^.^)
…………………………………………………………………………………………
      ☆ミ         ★☆彡     ☆ミ       
                ☆ミ                           ☆ミ
        SAO  ヾ(^^ )
       今年のテーマは「いつも上機嫌で元気にやろう!」
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 00年12月20日                      〈毎週水・土曜日発行〉
─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
          ☆小説の作り方!54号★彡 
─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:**:*:*:
 私は本当に、自分のできる最大限のことをやっただろうか? まだだ。だか
ら私はいまだにハングリー精神が旺盛なんだろう。
                  スティーブン・スピルバーグ
      「小説家・ライターになれる人、なれない人」(同文書院)から
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:**:*:*:

 こんにちは。
 基本編の最終号です。もう、クリスマスもお正月も近い。
 仙台からお送りしますね。(仙台は大都会なんだなあという印象ですね)

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
       ■誰でも(努力すれば)小説家になれるだろう■      
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 作品を書き上げることができたら、どうされますか?
 そのままじゃ、もったいない、です。
 新人賞に応募されるといいとおもうんです。

 世の中にはさまざまな文学賞があります。

1)どの賞に応募するのか、を考え──
2)その賞の過去の受賞作を読み、傾向を見極め、対策を練る。

 そういう文芸誌の編集者は常に新しい才能を見いだそうとしています。
 新人賞に応募することは、ひとりでありながら、たくさんの仲間たちと共に
同じ道を行くことに同意することです。
 新人賞を受賞するということはすごいことなんです。
「作家として、やってもいいよ」という評価を他人から得ることなんですから。

 プロとアマチュアの違いというのは、志の違いというのでしょうか、他者の
目に自分がどう映っているのかを自覚しているかいないか、だとおもうんです。
 ぼくは素直に、プロになるってすごいことだとおもいます。
 多くの読者の目に耐えられるだけの作品を作り出せるという能力。


「小説家」 高橋克彦(講談社文庫)を紹介したいとおもいます。

 そのなかで「乱歩賞受賞へ『傾向と対策』を立てる」という章があるのです
が、過去の受賞作や落ちた作品の選考評を丹念に読んでいるんですね。
 やはり受賞した作品には選ばれるだけの魅力があります。
 その『傾向と対策』を知っておくこと。

   ■いちばん重要なのは自分の熟知している世界を書くことです■
と書かれてあります。

 ほんとうにこの本には、小説家になるための心構えというのでしょうか──
ヒントがつまっています。

 ぼくは「選ぶ、選ばれる」というのは、生意気なようですが、二次的な結果
だとおもうんです。いちばん基本にあるのは他者の批評に耐えられるだけの作
品を書くということですね。
 ひとりよがりに陥らず──
 評価を得られないことに消耗せず──
 自分の信ずる世界を描くことで、どこかで他者と出会うということ。


 いえるのは──

1) 自分が好きな賞に応募すること。
   無理をせず、自分にあった賞を目指してください。

2) 選考委員になっている作家に読んでもらえるだけでも価値はあります。
   最終選考に残って選評をもらえるなら最高ではありませんか。

3) 新人賞というのは、賞取りレースという側面はあります。
   でもね、それによって鍛えられるとおもうんです。
   誰かがあなたの才能を見いだそうとしている──ですよね。(^.^)
   希望を持ち続ければ、夢は必ずかなうんですから……

----------------------------------------------------------------------

 応募の仕方について解説や注意点が書かれた本はたくさんあります。
 たぶん「新人賞の選び方」(?)というようなタイトルの本などは手にとら
れたことがあるとおもいます。

 以下のURLも参考になります。

作家でごはん!
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hfk/

文芸賞データ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hfk/gohan/prize/

下読みの鉄人
http://www.sky.sannet.ne.jp/shitayomi/

小説研究投稿HP 「アエーマ」
http://www.anzu.sakura.ne.jp/~hat/

正しい小説の書き方
http://mikilab.doshisha.ac.jp/~kusanagi/tadasiiS/index.html

----------------------------------------------------------------------
 これらのところで──また、ぼくがまだまだ知らないところで──さまざま
な意見が活発にたたかわされています。
 そういうものを読まれ、参加して、作家への道を歩んでいってください。
----------------------------------------------------------------------

 じつは、この号は、応募の作法や、心構えについて書こうとおもっていたの
ですが、じっさい応募の経験もないぼくが書くのは不遜な気がしてやめました。
 応募された経験のある方に、その体験談を聞くのがいちばん意味があるとお
もうのです。

 小説を書くことは楽しい作業です。
    ┌───────┐
    │がんばろうね!│
    └───────┘




----------------------------------------------------------------------

 これで「小説の作り方!(小説作法・基本編)」は終わりです。
 今まで購読していただいてありがとうございました。m(_ _)m

 言い足りなかったこと、こう書けばよかったのにという部分はメルマガのバ
ックナンバーに注釈という形で書き加えていこうと考えています。

 これまでたくさんの方から感想のメールをいただきました。お礼を申し上げ
ます。至らないところ、いろいろありましたね。

 でもね、まだ終わりじゃないんです。メルマガは発行していきます。
 少しお休みをいただいて、来年、1月下旬頃から(もう少し早くなるかもし
れませんが)、週刊で「小説の作り方!(応用編)」を発行していきます。
 できれば続いてご購読をお願いいたしますね。

 作家の文体や描写をサンプルに、どうすれば小説をうまく書けるのかを考え
ていきたいのです。
 もちろん、ぼくのような初心者がやることですから、専門的なことじゃなく、
素人のふと感じる疑問を──考えたいのです──うまく小説を書くためにはど
うすればいいのか……

 描写というのは個々それぞれ表現も違うので、この基礎編では具体的に取り
あげることができませんでした。
 応用編では、それぞれの作家の文章をサンプルして、もっとつっこんで描写
のことを考えてみたい。
 どうしてこういう表現になるんだろう? こういう発想はどこから出てくる
んだろう?というようなことを。
 作家によって違う描写の在り方を考えることができたらな、とおもっている
んです。

 ぼくのことなので、どこまでできるかな、という危惧はありますが……それ
にそんな「文体の考察」というほどのものじゃないんですね。(^_^;
 小説を読んで、気づいたこと、こうじゃないかな、とおもうことを書いてい
くだけなんです……

 のんびりと、自分の好きなように目標も定めず、やっていきたいとおもって
います。同じような仲間に向けて、という気持ちで作っていくつもりです。
 またいっしょに考えてくださればうれしいです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ■編集雑記■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 商店街ではクリスマスソングが流れています。師走ですね。
『聖し、この夜』を聴いていると少し厳粛な気分になりますね。何かに立ち戻
っていくような……

 このメルマガを発行していて、いちばん恩恵を受けたのはぼくなんです。
 これまで考えていたことをまとめることができて、小説を書く入り口に立っ
たような気がしています。購読していただいてありがとうございました。

 小説を書かれたら、メールをくださいね。謹んで読ませていただきますので。

 小説を書くことは楽しく、苦しいことです。でも、その魅力に囚われている
んですもん。お互いにがんばりましょうね。

 よいお年をお迎えください。。ヽ(^o^)ノ 心から……ありがとう!
 では、また、お会いしましょう。

……………………………………………………………………………………………
  ☆ミ         ★☆彡     ☆ミ       
            ☆ミ                           ☆ミ
    SAO  ヾ(^^ )
  今年のテーマは「いつも上機嫌で元気にやろう!」
  E-mail: YHY11050@nifty.ne.jp
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