
厳選40 ドラマ編
ハ長調のポートレート
○ほのぼのとした小説である。一人の赤ん坊と
そのまわりの人々が繰り広げるちょっとした出来事を
描写した、ただそれだけなのだが、著者の優しい
まなざしを感じられる作品である。
告別
○短編集であるが、その内「長距離電話」と
「自習時間」をお薦めしたい。
○両者とも、ファンタジー的な要素があるが、
それによって、現実に生きる人たちに影響を与えている
という点で内容的には共通している。
とぢらも、味わい深い作品である。
敢えて私がつまらぬことを書くより、
読んでいただくのが適当である。
輪舞
○六章つづりの短編集。
それぞれの章にそれぞれの味があり、
決して派手な事件が起こるわけではないが、
内容的にもいい作品である。
午前0時の忘れもの
○ファンタジー小説の傑作である。
バスの事故に巻き込まれて死んだはずの人たちが
帰ってくる。そんな、現実離れしたところから物語は
始まる。
○敢えて著者は表面的には何も書いていないのであるが、
「生きる」ことをテーマとしており、ファンタジーながら
意義深い内容となっている。
○「厳選40 ドラマ編」の中では、一番の傑作である。
その他のお勧め作品
赤ずきんちゃんの回り道
○家族をテーマとした推理小説である。
推理小説としての展開のうまさに、登場人物の
個性がよく描かれている。
不思議な名画座
○たった一人の為に懐かしい映画が上映される
不思議な名画座。ここを訪れた人々の人間模様を
描いた短編集。お薦めは「天使の詩がきこえる」である。
映画的な展開に加えて、結末は、いいようのない
見事さである。
回想電車
○短編集。その中の「回想電車」をお薦めしたい。
なんとも言えない、味わい深い作品である。
平成12年9月12日更新