港町に吹く風−

レンガ色の屋根の波  
キラキラ眩しい粒子が 
降り注ぐ今も手のひらに
白い壁に 揺れ落ちる影 
吹き抜ける風は優しくて 
軽やかに そっと葉を揺らす 

さざめく白い泡沫(うたかた)は 
可憐なレース模様 描(えが)く      
跳ね踊る水しぶき達 ふわり飛んだ 

  
ふと 振り向けば はしゃぐ子供達 
石畳の上 馳(は)せ 行(ゆ)く風

たおやかに撫で過ぎる 甘きその残り香(が)に
身を委ね思い出す 懐かしき遠い日々

遙か彼方からの あなたの便りの様(よ)に 
どうか風よ伝えて 切なき思いを


いたずらな風 髪かき揚げ
潮の香(か)と共に 過ぎて行く
遠くに浮かぶ白き帆が
蒼の境目を教える

全てを包む 穏やかさ
何時(いつ)いつまでも 途切れぬよに
変わることなく 優しげに
港を駆けて