「中外日報」から (抜粋)

2004.7.6
カトリック高松司教区長辞任の深堀前司教  熊本の教会へ
4日のお別れミサでの挨拶
「福岡教区の手取教会(熊本市)で宣教・司牧のお手伝いをすることになった」
6月中旬の定例司教協議会での司教団多数の忠告 「小豆島はまずいのではないか」
高松教区の紛争の原点ともいうべき小豆島教会に深堀前司教が居座ることになれば、後任教区長が着任しても微妙な空気を残す、との批判が司教団に高まったもようである。
教区残留せず
修道会出身でない司教が引退した場合、教区を離れるのは極めて異例
いったん教区内にとどまると発表しながら、撤回したという例は日本では初めて


2004.6.17
小豆島教会に永住か 引退した深堀前司教(カトリック高松教区) 「聖体授与停止」のお膝元
5月14日付でカトリック高松教区司教を退任した深堀敏氏は、引退後の永住の地として、小豆島・土庄教会の司祭館を選んだもようである。
<名誉毀損訴訟>
宗教法人法の規定に反する手続きにより教区立の神学院を設立したということで提訴される。
2003年6月、敗訴判決。この訴訟をめぐり、信徒が対立する動きが強まった。
<高松教区事務所司祭の説明>
「小豆島教会は、前司教の新しい居住地候補地の一つであることは事実だが、最終決定はしていない」
「聖体授与を停止の事実は、事務局では分からない。小豆島教会の司祭の判断ではないか」
<小豆島教会でおこったこと>
神学院を卒業した新求道共同体所属の司祭派遣に反対して全信徒25人が署名した申入書を提出。
申入書を撤回しない信徒に対して、司祭がミサでの聖体授与を停止。
聖体を受けられないのは、信徒として精神的に大きな苦痛。
<小豆島教会司祭の話>
「すべてプライバシーに関すること。答える必要はない」
問題は「プライバシー」の段階を超えたとの見方もある。
<深堀前司教の挨拶状>
教区内の一部の信徒に、「土庄教会の留守番になります」との挨拶状を送ったもよう。
<高松教区問題を調査した、教皇庁巡察使の金枢機卿>
小豆島教会の聖体停止問題を憂慮し、早期解決を強く希望したという。

<溝渕新司教>
7月10日ごろ高松入り、19日に着座(就任)式が行われる。


2003.9.23
巡察使はキム・スファン枢機卿  ”緊急事態”視するバチカン  400年ぶり巡察使派遣
日本の教勢沈滞にメス 「高松の裁判」超える視点で  
<派遣巡察使> 
韓国のキム・スファン枢機卿(81才)
<派遣の目的> 
「日本の教会の病根を明らかにするため」とみられる 
<緊急事態視するわけ> 
一部の外国人司祭を忌避する信徒の存在、日本の国情を無視して外国式の典礼を押しつけようとする宣教団体の存在が、教勢の発展を阻害しているとの見方がある。
<枢機卿の調査> 
9月上旬から中旬にかけて、多数の関係者と面談し、意見を聴取
<派遣歴> 
16世紀後半にヴァリヤーノ宣教師が来日して以来400年ぶり


2003.7.1
前代未聞、司教の敗訴 松山地裁の名誉毀損訴訟 カトリックにも法律厳守の義務
松山地裁民事第一部判決 二信徒の主張がほぼ全面的に認められた
司教が控訴してもしなくてもカトリック教会のイメージダウン
裁判の発端
1 高松教区司教が司祭養成のため、高松国際宣教神学院を設立(平成2年)
2 二人の信徒が異議を唱えた
神学院開設が規模の小さな高松教区にとって負担になる
設立決定のために必要な責任役員会の議事録が偽造された
神学院関係の経理が不明瞭
信徒が別の目的で積み立てていた献金3千万円が消えてしまった
3 司教は二人を名指しして、教区内の平和を乱す扇動者であるとの司教書簡を公表
4 二信徒は民事訴訟を起こした(平成13年3月)
名誉を傷つけられ、家族ともども精神的な苦痛を味わった
慰謝料各3百万円、日刊紙への謝罪公告掲載
被告の主張
1 書類の偽造や経理の不備など、原告の指摘を認めた
2 宗教行為に関する問題は、カトリック内部の教会裁判所の判断にまつべきであり、世俗の裁判所には裁判権はない。
裁判長の判断 
1 内部規約の整備された宗教団体であっても日本国の法律にもとづく民事・刑事上の責任をもぬがれることはできない。
2 司教書簡は配慮にかける内容で、行き過ぎがあった。
3 慰謝料の金額は各40万円とし、謝罪広告の要求は却下。
被告の控訴について
判決が「完敗」だったことと、被告の高松教区司教退任が近いとみられることから、なお微妙な情勢
控訴しない場合
司教が信徒の人権を侵害したという判決が確定する。
控訴した場合
1 2審で再び書類の偽造等が慣例的に行われていた事実がむし返され、カトリック全体のイメージダウンを招きかねない。
2 世俗の裁判所の審理権を否定した自己主張に反することになる。
原告
勝訴したとはいえ、所属教会の役職辞任に追い込まれただけでなく、修道女を志した家族が修道会を退会しており、傷は深い。
判決の直後に原告が「ここからがスタートです」と語ったひとことが、事態の重さを物語っているとの見方が強い。

2003.4.17
「司教への判決」は6月25日  カトリック史上初めて  松山地裁、双方が最終弁論  被告の司教は門前払い求める 
原告側、資料あげ指摘  被告側の言い分は教会法にも反する  「上級審もある」と被告側
カトリック高松教区の「名誉毀損訴訟」は16日、松山地裁民事第一部(上原裕之裁判長)で原告、被告双方の最終弁論が行われ、裁判長は、「6月25日午後1時15分から判決を言い渡す」と述べて閉廷した。
最終弁論
被告司教側主張
1 司教は宗教上の行為として森岡源三らの2信徒に、司教の指導に従うよう警告
2 高松国際神学院設立の是非は、教会内部の問題
3 原告2信徒は意見があるなら教皇に訴えるべき
4 信徒が聖職者を開いて取り、世俗の裁判に訴えることはできない
5 本件は管轄外の案件なので、原告の訴えを却下すべき
原告側主張
1 被告が原告2人の名誉や信用を傷つけたのは、信仰や教義上の問題ではない
2 宗教者の行為が民事上の責任を問われることがあるのは、判例や学説からも明らか
3 カトリック教会法でも「人の名声を不当に傷つけ、また各人のプライバシーを侵害することは、なんびとにも許されない」と定めている
4 被告は両原告を非難する「司教書簡」をミサの際に読み上げ、掲示板に張り出すよう指示して、教会外の人の目にふれるような処置をしたことは、民法にも教会法にも反する行為である

2003.3.1
「司教に判決」が確定 言い渡しは初夏 松山地裁名誉毀損訴訟 和解の道消えて教会に困惑の色 ◇カトリック高松教区◇
カトリック高松教区の「名誉毀損訴訟」は2月26日、和解の見通しが絶望的となり、4月16日の最終口頭弁論を経て、初夏にも松山地裁で判決が言い渡されることが確定した。
ローマ教皇の代理者である司教が”世俗の裁判所”で判決を受けるのは日本で初めてで、教会は困惑している。
原告側の和解譲歩案
1 謝罪文の表現は抽象的な表現にとどめてもよい
2 日刊紙への謝罪広告掲載要求は取り下げ、「高松教区報」や教会掲示板など、教会内部での謝罪表明でよい
3 損害賠償金の要求を原告1人につき300万円から200万円に引き下げる
被告側
1 謝罪文の発表には触れなかった
2 損害賠償を支払う意思はない
裁判長
1 和解による解決は困難と判断
2 4月16日に双方の最終口頭弁論を行い、その上で判決を言い渡す