傷だらけのこころ


性暴力のシンポジウムで「支援者」たちはあなたに呼びかける。

サバイバーよ、勇気を出せと。

「勇気を出してカムアウトして下さい。」 「勇気を出して裁判を起こしてください。」

しかし、私はあなたに言う。

サバイバーよ、勇気を出すな。

なぜなら、あなたは充分に勇気のある人だから。

これ以上の勇気を出す必要がどこにあるだろうか。

あなたは、とんでもない災難にあった。 とんでもない災難を生き残った。

あなたは、生きてこうしてここにいる。 これ以上の勇気があるだろうか。

サバイバーよ、勇気を出すな。

あなたが生きていることが、あなたの勇気の証なのだ。

あなたがいるということが、あなたの勇気の印なのだ。

あなたには、勇気がある。 あなたは、充分に勇気を持っている。

あなたは、勇気で溢れている。 あなたは、勇気でいっぱいだ。

あなたはひとりの人間が持ちえるかぎりの勇気を持っている。

誰がこれ以上の勇気をあなたに求めることができるだろうか。

だから、私はあなたに呼びかける。

サバイバーよ、勇気を出すな。

                              詩 : 高橋 りりす

                                
 『ほとりの泉』 SCSA会発行


♪瞳を閉じて/TAM Music Factory