
何か新しいことをしてみたくなり、スピーカーを作る事にしました。どのようなスピーカーにするか・・・・それを考えるのがまず楽しみです。WEBで”自作スピーカー”を検索すると、マニアの方々は、バックローデッド・ホーンとか、共鳴管方式といった、
凝った造りのスピーカーを作るケースが多いようです。でも、僕はBOXからの制作は初めてですし、大きなスピーカーを置くスペースもありません。そもそも、既に30cm級スピーカーを2組持っていて、特に追加する必要はないのです。 強いて言えば、パソコン用に使っている、外寸17*22*28.5cmの超小型スピーカーの音質がイマイチ、いやイマ二なので、これに代わるものということになりますか。 最近のスピーカーは超小型が主流です。小さくすると、低音が出なくなります。メーカーはそれを無理矢理、いや、あらゆるテクニックを駆使して、 「25cm級の重低音」とか「小さなサイズから想像もできない重低音」という謳い文句で売っています。または別にサブ・ウーファーという、超低域専門のスピーカーを組み合わせて売っています。 「それなら、25cmのスピーカを作ってみよう」と思いました。それも、出来るだけ安く。 |
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大須の第一アメ横へ行き、2階奥のパーツ屋さんを覗いたところ、25cmのウーファー(低音用スピーカー)を2本4800円で売っていました。・・・・安い!! 「よし、これで25cm2ウエイのスピーカーを作ろう」と思いました。予算は左右ペアーで2万円! その場では買わず、まずアウトラインを考えました。25cmなら、うまくすれば高音用と2ウエイにすることができます。 ただし、「中抜け」といって、中音域が寂しくなる場合がありますから、Fレンジ(周波数特性など)をシビアに見なければなりません。 エンクロージャー(箱)の大きさは、 Bachagi.hさんの「密閉/バスレフ型エンクロージャー設計プログラム」で計算したら、バスレフ型で35〜40リットルくらいで済みそうです。 これなら、比較的小型に出来そうです。 さて、再度パーツ屋さんへ行ったのですが、2ウエイ用の適当なトゥイーター(高音用スピーカー)が見つからなくて、結局コーン型3ウエイにすることにしました。 (実は全部フルレンジだったりして・・・) |
| 区分 | 口径 | インピーダンス | 価格(2本) | 備考 |
| 低域用 (山水) | 25cm | 4Ω | 4,800円 | 台湾製 | |
| 中域用 (ヤマハ) | 12cm | 4Ω | 1,200円 | タイ製 | |
| 高域用 (無印) | 6.5cm | 4Ω | 800円 | 日本製 |
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全部で6,800円で済みました。これなら予算内に収まりそうです。(その期待は外れることになります。) 各ユニットには説明書などは添付されていません。スペックはインピーダンスと許容入力くらいしか分からず、肝心の周波数特性やf0、Q0、M0などは不明です。 これらはメーカーの処分品、つまり製品のパーツとして生産されたものが製造中止などの理由で、部品として出回っているものでしょう。 スコーカー(中域用)はフルレンジ・ユニット、つまり1本で低音から高音までカバーするものです。フランジの形状から、車載用と思います。マグネットの外径は7cm、厚みは1cmです。 トゥイーターは全く同じ形状をしたものがTOSHIBAブランドで並んでいましたが、値段が倍ほども違うので、躊躇無くこれを選びました。マグネットの外径は6cm、厚みが8mmあり、結構強力そうです。 |
![]() 買ってきた各ユニットの寸法を測り、花子(図形ソフト)で図面を作っていきます。 トゥイーターには取付用のフランジはなく、工夫して取り付けなければなりません。また、スコーカーのフランジも4mmほど前面より奥まっているので、これも何か勘考しなければなりません。 寸法図はバッフル面の穴の大きさや、取付用の板を考えるのにとても役立ちました。 ![]() 少しでも安くするためと、ねじれや反りのないことを考えて、15mm厚のMDFという、ボール紙をプレスして圧縮したような素材を使うことにしました。 この板取で外形寸法は幅33*奥行30*高さ52cmになり、内容量は40リットル弱になります。・・・・オーディオに詳しい人は「幅・奥行比が整数倍じゃないか!」って、思うことでしょう。 内寸が30*27*49になります。でも、後面を少し下げるなどすればこの問題は解決します。(完成した段階で内寸奥行は27.2cmになりました。) DIYショップで15mm厚のMDFが約3000円、バッフル用の7.5mm厚のMDFと切断賃をあわせて4500円ほどになりました。他にペンキ、刷毛、丸切りカッター等々で2000円ほどの出費になりました。
常識的に言えば絵の左が正解になります。でも、敢えて中のようにしました。これは右のように、いつか木製のセクトラル・ホーンをスコーカーに取り付けて、ホーン・スピーカーチックな雰囲気を楽しみたいと思ったからです。
その場合、位置が上の方が美しい?と思ったからです。なお、グリルはMDF板で作り、前面バッフルに密着させます。バスレフのダクトがウーファーに寄りすぎになってしまいますが、その対策は後述します。
それぞれのユニットの受け持ち範囲を決めなければなりません。何Hzで交差させるかが問題です。
何の根拠もなく、1200Hzと5000Hzに決めました。
これは25cm3ウエイでは常識的な値でしょう。ウーファーのコーンには10本の溝があり比較的高域まで使えそうです。また、6dB/Octか12dB/Octのどちらかでネットワークを作るか決めなければいけませんが、 将来転用することを考えて12dB/Octにすることにしました。使用するコイルとコンデンサーの値はBachagi.hさんの 「ネットワーク設計プログラム」で計算しました。 またまたアメ横へ行き、コイルとコンデンサー、アッテネーターとつまみを探して買いました。 アッテネーターはNOBLE ACRW06 (4つで2000円)、つまみが4個で400円。コイルは8つで2600円、コンデンサーはNICHICONのVRシリーズ。8つで1200円でした。 端子板とスピーカー接続端子を足すと7280円!。スピーカー・ユニットが6800円だったことを思うと、ネットワークはとても高くつきました。 もちろん、ちゃんとしたメーカー品よりはずっと安いのですが。・・・・ これまでの合計で20,850円。でも、これだけでは済みませんでした。(表示金額は税別ですから、実際には5%増しになります) 補強材の18mm角1.8m長のラワン材が5本で2000円、切り売りしてもらえなかったグラス・ウールが1畳分1500円。100円ショップで買った雑品が2000円ほど。それに大量に使ったネジ類、工具。 あれやこれやペアで3万円近い出費になってしまいました。予算を大幅オーバー(苦笑;)。それでも市販のメーカー品より安い(笑;)・・・・・いや、そもそもこのクラスのスピーカーを売っていない(爆;)
エンクロージャー(箱)の制作です。設計図をもとに、板に烏口で線を引きました。インクの代わりに茶色のポスターカラーを薄めて使いました。
バッフル(スピーカー取付面)に丸い穴を開けます。オルファの円切りカッターで表裏から切りましたが、15mm厚のMDFを切り抜くことはできません。
切った溝に沿って彫刻刀で拡げておき、ドリルで穴を開け、回し切り(鋸)で切りました。これは結構難儀な作業でした。同様に後面のバッフルにもアッテネーター用と端子用の穴を開けます。これは図面無しで直接板に描きました。 横面と上下面に補強材をネジとボンドで付けていきます。あとあとの作業に響きますから、寸法合わせは慎重に、実際の部材を組合せながら作ります。 一旦、ボンドの乾燥のために積み上げ、均一に重量がかかるように重し(重い「聖書大辞典」と「聖書語句大辞典」が役立った!?)を載っけて、24時間プレスします。
乾燥したら両横と上下の板を組み、ボンドとネジで固定します。今度は上下に積み上げ、上に重しをかけて、更に24時間乾燥させます。できた隙間は充填材(パテ)で埋めます。前後のバッフルを嵌めてみて、きちんと入るか確認します。キチキチでした。100番/180番/240番と、粗いものから細かいものまで順番に3段階にサンドペーパーをかけ、砥の粉を塗って乾かします。乾いたら、綿布で砥の粉を落としながら再度磨きます。 100円ショップで買ったペーパーかけ器が役立ちました。 それが終わったら、ハタキや掃除機で細かい粉を掃除します。結構すごい埃で、服にも微粒子がびっしり付いていました。終わってから着替えました。(笑;)
続いてペンキを塗ります。スプレー式は慣れていないのでタレやムラが出来るので、使いやすい水性塗料を刷毛で塗りました。薄目にして3回塗りました。塗り重ねるときは充分に乾燥してからにします。そうしないと却ってムラになってしまいます。 ボール紙のようなMDFが、まるで木のように見えるようになりました。ペンキのマジックですね。
「見たことの無いようなデバイディング・ネットワーク!」って、言われそうですね。
自分でもこんなのは初めてです。コンデンサーやコイルを宙ぶらりんにするのは気に入らないので、MDFの端切れを細工して基盤?!を作りました。コンデンサーは専用の穴に埋め込みました。 コイルは竹串を削ってコイルに差込んでいます。挿入するのがきついくらいに削り、接着剤は基盤と竹串を固定するのに使っただけです。なお高音用のコイルは穴に埋め込んでいます 作った後で、テスターで接続状況を確認しました。「トゥイーターに通電していない」と思ったら、配線を忘れていました。(爆;) 一通り終わったところで、コンデンサーの脚にペンキを塗って、接触してもショートしないようにしました。 そうそう、コンデンサーには極性がある(無いものもある)ので、注意が必要です。いずれにしても初心者は手出ししない方が無難です。 慣れた人のアドバイスを受けてください。 ネットワークの上にあるのはスピーカー・コードを受けるための端子と、それを取り付けたコースター(2個100円。100円ショップで買いました。)です。 コースターの上面は固いプリント板、中はMDF、裏はコルクなので、用途にぴったりでした。なお、ネットワークは裏面の補強板の上に付けてありますので、 2重の補強になります。(笑;)
アッテネーターと、スピーカーを接続する端子板です。アッテネーターは左がトゥイーター用、右がスコーカー用です。
背面と逆になるので注意が必要です。アッテネーターを固定しているのカラフルな板もコースターです。スピーカーの各ユニットからのケーブルは端にY字型ラグ(金具)をハンダ付けし、下の端子板にネジ止めします。 そのようにしたのは、後から各パーツを再利用、または変更できるようにするためです。
裏バッフルの表と裏です。補強板の他に断面が三角形の木片が斜めに取り付けてあるのは、ウーファーに近すぎるバスレフのダクトに、反射波が直接入らないようにしたものです。
どれだけ効果があるかは疑問ですが、おまじない程度の気休めにはなるでしょう。裏バッフルの表側の上はアッテネーター。左が中域用、右が高域用。下はスピーカー・コードの取付端子です。 両者がくっついていると操作しにくいので、このようなデザインにしたのです。 そのしわ寄せで裏の配線が複雑になっています。プロならこのようなことはしないでしょう。
トゥイーターは後面開放型なので、背面を覆った方がウーファーの影響を受けません。台所にあった菓子のポリ容器を被せることにしました。
もちろん、中には吸音材を入れます。前に書きましたが、このトゥイーターには取付金具が無いために、ポリ容器の固定と合わせてベニヤ板4層重ねの取付板を作りました。
同じようにスコーカーにもチャンバーを取り付けました。1個88円の園芸用ポリ鉢です。容量は約0.6リットル。底面に水抜き用の穴があいていましたが、塞がないで残しておきました。黄色のが吸音材のグラス・ウールです。一般的に、市販のスピーカーのスコーカーはバック・チャンバーの容量不足が指摘されています。ほとんどフレーム兼用のブリキで覆っているために、詰まったような音になっているのだそうです。 なお、スコーカーの固定用にはコルク板と、ベニヤ板3層重ねの取付板を作りました。
各ユニットを取り付けた状態の前面バッフルです。ほとんど余裕がないので、補強材は入れることができません。でも、中/高域用の取付板が補強板の役割を果たしています。バスレフ・パイプは取付金具なしです。バッフルの穴の寸法がキチキチなので、塩ビのパイプに60kg余の体重を載せてエイヤッと回しながらねじ込みました。ですから振動で外れるようなことはありません。 なお、左右側面には斜めに補強桟を貼り付けています。上面と底面は補強材なしです。ただし、ネジ止めの18mm角ラワン材でフレームを形成しているので、これが箱鳴りを抑えます。 この状態でいったんスピーカーコードを端子板に接続し、裏板をネジ止めしないで各ユニットが作動するかどうか確認しました。 アンプと接続し、その状態でも、思わぬ音の良さにびっくりしました。各ユニットに耳を近づけ、確かに鳴っているかどうか確認しました。
側面と上下面、背面に吸音材を貼り付けます。貼り付けるのに100円ショップで買ったステープルを使いました。大型のホチキスのようなものです。
これは簡単な作業でした。結局吸音材のグラス・ウールは8割方残ってしまいました。・・・・また作るときに使う?・・・・いつになるやら。
裏面をネジ止めし、moominpapaのマークとロゴを書き込んで一応完成です。白く見えるナットはグリル固定用で、鬼目ナットが5個埋め込んであります。グリル板はベタ付けです。アンプに接続してCDを聞いてみました。聞き慣れたブラームスの第一シンフォニー。ワルター/コロムビア響。・・・仮に鳴らしたときに分かっていたのですが、とてもいい音です。 冒頭のティンパニーが余裕で朗々と響いてくれます。それもサブ・ウーファーのような”ボムボム”という歯切れの悪い低音ではなく、ダンピングの効いたナチュラルなもので、計画通り極低域まで音域が広がっているのが分かります! ストリングスや管楽器、木管楽器も実に生き生きとクリアーに鳴ってくれます。CDの情報量が急に増えたような気がしました。それと、能率がとてもいい。アンプのボリュームを相当絞らないと、音が出過ぎてしまいます。 アッテネーターの調整と吸音材を少し減らすことでチューニングしました。
Tone Generator; WaveGene Ver1.20 (c)efu Amprefire; SONY TA-3650 Microphone; SONY ECM-56P (1m to Speaker) UVmeter; (Tape Deck) TEAC C-3 マイクロフォンの特性は修正していません。20Hzで-8dB、50Hzで-2dB程度少な目に表わされていると見てください。補正後で20〜24kHz +3/-10dB!!。なおアンプのトーン・コントロールやラウドネスはOFFにしてあります。極めてアバウトに造った割には驚異的?! ・・・あと12kHz付近からスーパートゥイーターを付ければ完璧? ポピュラー系はどうかと思い、チック・コリアの「Sea Breez」などを聴いてみましたが、女性ボーカルもバッチリ、息づかいまでクリアに再現してみせます。嬉しくなってしまいました。 実のところ、音質はあまり期待していなかったのですが、ここまでプレゼンス良く鳴ってくれるとは思いもしませんでした。多分中域用にフルレンジ・ユニットを使い、たっぷりしたバック・チャンバーを付けたためだと思います。 心配していた箱鳴りもありません。 バツフル板が紺色なのはオール・コーンだから?(オヤジギャグ)ではなくて、予定していた塗料色(暗紫色)が無かったためです。なお、重量は1台6kgほどになりました。 ・・・・「コーンの色が違う!!」・・・・そう、ウーファーに合わせてアクリル系の塗料でコーンを白く塗ったのです。・・・・良い子は真似をしないように。(爆;)
中年オジサンの懐古的?スピーカー制作記です。昔の学生はビンボーでしたから、超高級品に憧れながら、国産品やワーフェデール、リチャード・アレンなど比較的廉価なフルレンジ・ユニットと箱を買ってきて、それで楽しんだものでした。 僕もそのころはPA-610やPAX-A20というスピーカーを使っていました。 今回は遊び半分、「楽しく」を主眼に置いて、チープで怪しげなユニットを使ったので、音には期待していませんでした。 予算をケチってオール・コーンで揃えたのが良かったのでしょう。結果として素直で音の繋がりの自然なスピーカーに仕上がりました。でも、完成してみなければ分かりません。運が良かったとしか言いようがありません。(笑;) 他に持っているスピーカーとの比較?・・・・もちろん、YAMAHA NS-1000M(30cm・3way)とDENON SC-R88Z(32cm・3way)の方が良い音で鳴ってます。 ただし、それぞれずっと上級のセパレート・アンプを使っていますし、とても重いので繋ぎ替えて同条件での比較はしてません。なお、現用システムについては「聖書研究ノート」で紹介しています。 周波数チェックをしてみて、20Hz-20kHzまで聴こえるのが分かりました。(さすがに24kHzは聞こえませんでした)。53才にしては上出来ですね。そのことの方が嬉しかったりして(笑;) |