北朝鮮離脱住民の保護及び定着支援に関する法律

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制定 97.1.13法律第5259号


第1条(目的)この法律は、軍事分界線以北地域(以下"北朝鮮"という。)から離脱し大韓民国の保護を受けようとする北朝鮮住民の政治・経済・社会・文化等すべての生活領域において迅速に適応・定着するのに必要な保護及び支援に関する事項を規定することを目的とする。

 

第2条(定義)この法律で使用する用語の定義は、次の通りである。

 1."北朝鮮離脱住民"とは、北朝鮮に住所・直系家族・配偶者・職場等を置いている者であって北朝鮮を離脱した後外国の国籍を取得しない者をいう。

 2."保護対象者"とは、この法律により保護及び支援を受ける北韓離脱住民をいう。

 3."定着支援施設"とは、保護対象者の保護及び定着支援のために第10条第1項の規定により設置・運営する施設をいう。

 4."保護金品"とは、この法律により保護対象者に支給し、又は貸与する金銭又は物品をいう。

 

第3条(適用範囲)この法律は、大韓民国の保護を受けようとする意思を表示した北朝鮮離脱住民に対して適用する。

 

第4条(基本原則)@大韓民国は、保護対象者に対して人道主義に立脚して特別な保護を行う。

A保護対象者は、大韓民国の自由民主的法秩序に適応して健康で文化的な生活を営むことができるように努力しなければならない。

 

第5条(保護基準等)@保護対象者に対する保護及び支援の基準は、年齢・世帯構成・学力・経歴・自活能力・健康状態及び財産等を考慮して合理的に定めなければならない。

Aこの法律による保護及び定着支援は、原則的に個人を単位で行い、必要であると認める場合には、世帯を単位で行うことができる。

B保護対象者に対する政着支援施設における保護期間は、1年とし、居住地における保護期間は、2年とする。ただし、特別な事由がある場合には、第6条の規定による北朝鮮離脱住民対策協議会の審議を経てその期間を短縮又は延長することができる。

 

第6条(北朝鮮離脱住民対策協議会)@北朝鮮離脱住民に関する政策を協議・調整し、保護対象者の保護及び政策支援に関する次の各号の事項を審議するために統一院に北朝鮮離脱住民対策協議会(以下"協議会"という。)を置く。

 1.第5条第3項但書の規定により保護及び定着支援期間の短縮又は延長に関する事項

 2.第8条第1項本文の規定による保護可否の決定に関する事項

 3.第27条第1項の規定による保護及び定着支援の中止又は終了に関する事項

 4.第32条第2項の規定による是正等の措置に関する事項

 5.その他保護対象者の保護及び定着支援に管轄して大統領令が定める事項

A協議会は、委員長1人を含む20人以内の委員で構成する。

B委員長は、統一院次官がなり、協議会の業務を統轄する。

C協議会の構成及び運営に管轄してその他必要な事項は、大統領令で定める。

 

第7条(保護申請等)@北朝鮮離脱住民であってこの法律による保護を受けようとする者は、在外公館その他行政機関の長(各級軍部隊の長を含む。以下"在外公館長等"という。)に保護を申請しなければならない。

A第1項の規定による保護申請を受けた在外公館長等は、遅滞なくその事実を所属中央行政機関の長を経て統一院長官及び国家安全企画部長に通報しなければならない。

B第2項の規定により通報を受けた国家安全企画部長は、臨時保護その他必要な措置を行った後遅滞なくその結果を統一院長官に通報しなければならない。

 

第8条(保護決定等)@統一院長官は、第7条第3項の規定による通報を受けたときは、協議会の審議を経て保護可否を決定する。ただし、国家安全保障に顕著な影響を及ぼすおそれがある者の場合には、国家安全企画部長がその保護可否を決定し、その結果を遅滞なく統一院長官及び保護申請者に通報又は通知しなければならない。

A第1項本文の規定により保護可否を決定した統一院長官は、その結果を遅滞なく関連中央行政機関の長を経て在外公館長等に通報しなければならず、通報を受けた在外公館長等は、これを保護申請者に直ちに通知しなければならない。

 

第9条(保護決定の基準)第8条第1項本文の規定により保護可否を決定する場合において次の各号の1に該当する者に対しては、保護対象者に決定しないことができる。

 1.航空機拉致・痲薬取引・テロ・集団殺害等国際刑事犯罪者

 2.殺人等重大な非政治的犯罪者

 3.偽装脱出嫌疑者

 4.滞留国で相当な期間の間生活根拠地を置いている者

 5.その他保護対象者で定めることが不適当であると大統領令が定める者

 

第10条(定着支援施設の設置)@統一院長官は、保護対象者に対する保護及び定着支援のために定着支援施設を設置・運営する。ただし、第8条第1項但書の規定により国家安全企画部長が保護することと決定した者のためには、国家安全企画部長が別途の定着支援施設を設置・運営することができる。

A定着支援施設の種類及び管理・運営等に管轄して必要な事項は、大統領令で定める。

 

第11条(定着支援施設への保護等)@第10条第1項の規定により定着支援施設を設置・運営する機関の長は、保護対象者が第22条第1項の規定による居住地に転出する時まで定着支援施設で保護をしなければならない。

A第1項の規定による機関の長は、定着支援施設で保護を受ける保護対象者に対しては、大統領令が定めるところにより保護金品を支給する術ことができる。

B第1項の規定による機関の長は、保護対象者が定着支援施設で保護を受けている間身元及び北朝鮮離脱動機の確認、健康診断その他定着支援に必要な措置を採ることができる。

 

第12条(登録台帳)@第10条第1項の規定により定着支援施設を設置・運営する機関の長は、第8条第1項の規定により保護決定をしたときは、大統領令が定めるところにより保護対象者の本籍・家族関係・経歴等必要な事項を記載した登録台帳を管理・保存しなければならない。

A統一院長官は、すべての登録台帳を統合して管理・保存しなければならない。これのために国家安全企画部長は、第1項の規定により管理・保存している登録台帳の記載事項を統一院長官に通報しなければならない。

 

第13条(学力認定)保護対象者は、大統領令が定めるところにより北朝鮮又は外国で履修した学校教育の課程に相応する学力を認められることができる。

 

第14条(資格認定)保護対象者は、関係法令が定めるところにより北朝鮮又は外国で取得した資格に相応する資格又はその資格の一部を認められることができる。

 

第15条(社会適応教育)統一院長官は、保護対象者に対して大統領令が定めるところにより大韓民国に定着するのに必要な教育を実施することができる。

 

第16条(職業訓練)統一院長官は、職業訓練を希望する保護対象者に対して大統領令が定めるところにより職業訓練を実施することができる。

 

第17条(就業斡旋)統一院長官は、保護対象者に対して大統領令が定めるところにより就業を斡旋することができる。

 

第18条(特別任用)@北朝鮮の公務員であった者であって大韓民国の公務員に任用されることを希望する保護対象者に対しては、北朝鮮を離脱する前の職位・担当職務及び経歴等を考慮して国家公務員又は地方公務員として特別任用することができる。

A北朝鮮の軍人であった者であって国軍に編入されることを希望する保護対象者に対しては、北朝鮮を離脱する前の階級・職責及び経歴等を考慮して国軍に特別任用することができる。

B第1項又は第2項規定による特別任用に管轄して必要な事項は、大統領令で定める。

 

第19条(就籍の特例)@統一院長官は、保護対象者であって軍事分界線以南地域に本籍を有しない者に対しては、本人の意思により本籍を定めてソウル家庭法院に就籍許可申請書を提出する。

A第1項の就籍許可申請書には、第12条第1項の規定により作成された保護対象者の登録台帳謄本及び戸籍の記載方法に準じて作成した身分表を付さなければならない。

Bソウル家庭法院は、第1項の規定により就籍許可申請書を受けたときは、遅滞なく許可旅券否を決定と、就籍許可をしたときは、当該就籍地の市(区を置かない市をいう。以下この条において同じである。)・区・邑・面の長に就籍許可書謄本を送付しなければならない。

C市・区・邑・面の長は、第3項の規定による就籍許可書騰本を受けたときは、遅滞なく戸籍を編製しなければならず、住所地の市長・郡守又は区庁長に就籍された戸籍謄本を貼付して戸籍申告事項を通報しなければならない。

 

第20条(住居支援等)@統一院長官は、保護対象者に大統領令が定めるところにより住居支援をすることができる。

A第1項の規定により住居支援を受ける保護対象者は、その住民登録転入申告日から2年間統一院長官の許可を受けずには、その住居支援により取得することとなった所有権・伝貰権又は賃借権(以下"所有権等"という。)を譲渡し、又は抵当権を設定することができない。

B第2項の規定による所有権等の登記申請は、保護対象者を代理して統一院長官がこれを行う。この場合所有権等を譲渡又は抵当権の設定が禁止されるという趣旨をその登記申請書に記載しなければならない。

 

第21条(定着金等の支給)@統一院長官は、保護対象者の定着条件及び生計維持能力等を考慮して定着金を支給することができる。

A統一院長官は、保護対象者が提供した情報又は持ってきた装備(財貨を含む。)の活用価値により等級を定めて報労金を支給することができる。

B第1項及び第2項の規定による定着金及び報労金の支給基準及び手続等に管轄して必要な事項は、大統領令で定める。

 

第22条(居住地保護)@統一院長官は、保護対象者が定着支援施設からその者の居住地に転入した後定着して自ら生活するのに伴う隘路事項の解消その他自立・定着に必要な保護を実施することができる。

A統一院長官は、第1項の規定による保護業務を内務部長官と協議して保護対象者の居住地を管轄する地方自治団体の長(以下"地方自治団体長"という。)に委任することができる。

 

第23条(報告業務)地方自治団体長は、大統領令が定めるところにより半期ごとに保護対象者の定着実態等を把握して内務部長官を経て統一院長官に報告しなければならない。

 

第24条(教育支援)統一院長官は、保護対象者に対して大統領令が定めるところによりその者の年齢・修学能力その他教育条件等を考慮して教育を受けることができるように必要な支援をすることができる。

 

第25条(医療保護)保護対象者とその家族に対しては、医療保護法が定めるところにより医療保護を行うことができる。

 

第26条(生活保護)第11条の規定による保護が終了した者であって生活が困難な者に対しては、本人の申請により生活保護法第3条の規定にかかわらず5年の範囲内において同法第7条から第14条までの規定による保護を行うことができる。

 

第27条(保護の変更)@統一院長官は、保護対象者が次の各号の1に該当する場合には、協議会の審議を経て保護及び定着支援を中止又は終了させることができる。

 1.1年以上の懲役又は禁錮の刑の宣告を受けてその刑が確定した場合

 2.故意で国家利益に反する虚偽の情報を提供した場合

 3.死亡又は失踪宣告を受けた場合

 4.北朝鮮に戻ろうと企図した場合

 5.この法律又はこの法律による命令に違反した場合

 6.その他大統領令が定める事由に該当した場合

A地方自治団体長は、第1項の規定による保護対象者の保護及び定着支援の中止・終了又は第5条第3項但書の規定によるその期間の短縮・延長を内務部長官を経て統一院長官に要請することができる。

B統一院長官は、第1項の規定により保護及び定着支援を中止・終了し、又は第5条第3項但書の規定によりその期間を短縮・延長した場合には、その理由を明示して当該保護対象者に通知しなければならず、内務部長官及び地方自治団体長にその事実を通報しなければならない。

 

第28条(申告義務等)保護対象者は、最初の居住地転入日から5年間住所・職業又は勤務地が変動した場合には、その理由が発生した日から14日以内に管轄地方自治団体長に書面で申告しなければならず、申告を受けた地方自治団体長は、その申告書の写本を内務部長官を経て統一院長官に提出しなければならない。

 

第29条(費用の負担)@この法律により行う保護及び定着支援の費用は、国家がこれを負担する。

A国家は、第22条第2項の規定による保護業務の費用を毎年該当地方自治団体に交付し、その過不足額は、追加で交付し、又は還収しなければならない。

 

第30条(北朝鮮離脱住民後援会)@保護対象者の生活安定及び自立・定着を支援するために北朝鮮離脱住民後援会(以下"後援会"という。)を設立する。

A統一院長官は、後援会の健全な運営のために必要な支援をすることができる。

B後援会は、法人とする。

C後援会に対しては、民法中財団法人に関する規定を準用する。

 

第31条(権限の委任・委託)@この法律による統一院長官の権限中一部を大統領令が定めるところによりその所属機関の長又は地方自治団体長に委任することができる。

Aこの法律による統一院長官の権限中一部を大統領令が定めるところにより旅券他の行政機関の長又は関連法人・団体に委託することができる。

 

第32条(異議申請)@この法律による保護及び支援に関する処分に対して異議がある保護対象者は、その処分の通知を受けた日から60日以内に統一院長官に書面で異議申請することができる。

A統一院長官は、第1項の規定による異議申請を受けたときは、遅滞なくこれを検討して処分が違法・不当であると認められる場合には、その是正その他必要な措置を採ることができる。この場合あらかじめ協議会の審議を経なければならない。

 

第33条(罰則)@詐偽その他不正な方法でこの法律による保護及び支援を受け、又は他の者をして保護及び支援を受けるようにした者は、5年以下の懲役又は1千万ウォンが下衣罰金に処する。

Aこの法律による業務と関連して知り得た情報又は資料を正当な事由なくこの法律による業務外の目的に利用した者は、1年以下の懲役又は200万ウォン以下の罰金に処する。

B第1項又は第2項の規定により得た財物又は財産上の利益は、これを没収する。没収することができないときは、その価額を追徴する。

C第1項の未遂犯は、処罰する。


附則

第1条(施行日)この法律は、公布後6月この経過した日から施行する。

 

第2条(廃止法律)帰順北朝鮮同胞保護法(以下"帰順保護法"という。)は、これを廃止する。

 

第3条(協議会の審議に関する経過措置)この法律施行当時帰順保護法第13条の規定により設置された帰順北朝鮮同胞保護委員会で審議中の案件に対しては、この法律第6条の規定による協議会でこれを審議する。

 

第4条(登録に関する経過措置)この法律施行当時帰順保護法により帰順北朝鮮同胞として登録された者は、この法律による保護対象者として登録されたものとみなす。

 

第5条(社会適応教育及び職業訓練に関する経過措置)この法律施行当時帰順保護法により帰順北朝鮮同胞として登録された者は、第15条及び第16条の規定による社会適応教育及び職業訓練を受けることができる。

 

第6条(定着金及び報労金に関する経過措置)この法律施行当時帰順保護法により支給することに決定された定着金及び報労金に対しては、統一院長官が従前の規定により支給する。

 

第7条(住居支援に関する経過措置)この法律施行当時帰順保護法により住居支援を受けることに決定された者に対しては、統一院長官が従前の規定により支援する。

 

第8条(教育保護に関する経過措置)この法律施行当時帰順保護法により教育保護を受けており、又は受けることに決定された者に対しては、統一院長官が従前の規定により教育保護を行う。

 

第9条(予算の移替)この法律施行当時帰順保護法による事業を実施する関係中央行政機関の長は、この法律施行日にその事業予算を統一院長官に移替する。

 

第10条(後援会の設立準備)@統一院長官は、この法律施行日から2月以内に帰順保護法により設立された帰順北朝鮮同胞後援会(以下"帰順北朝鮮同胞後援会"という。)の理事中から5人以下の設立委員(以下"設立委員"という。)を委嘱して後援会の設立に関する事務及び設立当時の理事及び監事の選任に関する事務を担当させる。

A設立委員は、定款を作成して統一院長官の認可を受けなければならない。

B設立当時の後援会の会長は、統一院長官が任命する。

C設立委員は、第2項の規定による認可を受けたときは、遅滞なく連名で後援会の設立登記をした後会長に事務を引継しなければならない。

D設立委員は、第4項の規定による事務引継が終わったときは、解嘱されたものとみなす。

E後援会が設立されるときまで後援会の設立のために支出する経費は、帰順北韓同胞後援会がこれを負担する。

 

第11条(帰順北朝鮮同胞後援会に関する経過措置)@帰順北朝鮮同胞後援会は、附則第2条の規定にかかわらずこの法律による後援会が設立されるときまで存続する。

Aこの法律施行当時帰順北朝鮮同胞後援会は、理事会の議決によりそのすべての権利及び義務をこの法律により設立される後援会が承継するよう統一院長官に申請することができる。

B帰順北朝鮮同胞後援会は、第2項の規定による承継申請に対して統一院長官の承認を得たときは、この法律による後援会の設立と同時に解散されたものとみなし、帰順北朝鮮同胞後援会に属するすべての権利及び義務は、後援会がこれを承継する。

C第3項の規定により後援会に承継される財産の価額は、後援会の設立登記日前日の台帳価額とする。

 

第12条(罰則に関する経過措置)この法律施行前の行為に対する罰則の適用においては、従前の規定による。

 

第13条(他の法律の改正)@医療保護法中次の通り改正する。

第4条第1項第6号中"帰順北朝鮮同胞保護法"を"北朝鮮離脱住民の保護及び定着支援に関する法律"とする。

A所得税法中次の通り改正する。

第12条第5号中"帰順北朝鮮同胞保護法"を"北朝鮮離脱住民の保護及び定着支援に関する法律"とする。


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