水難救護法

韓国Web六法の目次に戻る

全文改正94.12.22法律第4793号

一部改正95.7.18法律第4950号(災難管理法)

一部改正96.8.8法律第5153号(政府組織法)

第1章 総則

第2章 水難対備計画

第3章 水難救護活動

第4章 救難通信

第5章 救護業務

第6章 漂流物及び沈没品の処理

第7章 罰則

附則

第1章 総則

 

第1条(目的)この法律は、遭難した人と船舶等の捜索・救助及び保護に必要な事項を規定し、海上における捜索及び救助に関する国際協約の内容を受容することにより遭難事故から人命及び財産の保全に寄与することを目的とする。

 

第2条(定義)この法律で使用する用語の定義は、次の通りである。

 1."水難救護"とは、海上又は河川(湖沼を含む。以下同じである。)で遭難した人・船舶及び航空機等の捜索と救助及び救助された人・船舶及び物の保護・管理及び事後処理に関する業務をいう。

 2."遭難事故"とは、海上又は河川で船舶及び航空機等の沈没・座礁・転覆・衝突・火災・機関故障・墜落等により人の生命・身体及び船舶・航空機等の安全が危険に処した状態をいう。

 3."救助隊"とは、捜索及び救助活動を迅速に遂行することができるように訓練された人員で編成され、適切な装備を保有した単位組織をいう。

 4."水難救護協力機関"とは、水難救護のために協力することができる国家機関・地方自治団体その他公共団体をいう。

 5."漂流物"とは、占有を離脱して海上又は河川に浮いており、又は流されつつある物をいう。

 6."沈没品"とは、占有を離脱して海洋又は河川に沈んだ物をいう。

 

第3条(他の法律等との関係)海上又は河川で発生したすべての遭難事故に対しては、他の法律又は条約に別に定めた場合を除いては、この法律が定めるところによる。

 

第2章 水難対備計画

 

第4条(施策の講究)国家及び地方自治団体は、自然的・人為的原因で発生する水難から人の生命と身体及び財産を保護し、効率的な水難救護のために必要な施策を講じなければならない。

 

第5条(水難対備計画)@政府は、毎年水難対備計画を樹立・施行しなければならない。

A第1項の水難対備計画は、民防衛基本法による民防衛計画に含めて樹立・施行する。

 

第3章 水難救護活動

 

第6条(水難救護業務の管轄)@海上における水難救護は、その海域を管轄する海洋警察署長が行い、河川における水難救護は、その地域を管轄する消防署長が行う。<改正95・7・18>

A市長・郡守及び区庁長(以下"市長・郡守"という。)は、海洋警察署長及び消防署長の水難救護活動に協力しなければならず、救助された人の保護と収得した物の保管・返還・公売及び救護費用の算定・支給・徴収その他事後処理に関する一切の事務を担当する。<改正95・7・18>

 

第7条(水難救護のための応急措置)@海洋警察署長及び消防署長は、水難救護の為にやむを得ないと認められるときは、必要な範囲内において人を水難救護業務に従事させ、又は船舶、自動車、他の人の土地・建物又はその他物等を一時使用することができる。ただし、老弱者、精神薄弱者、その他身体障害者等大統領令で定める人に対しては、除外する。<改正95・7・18>

A第1項の規定により水難救護業務への従事命令を受けた者は、海洋警察署長及び消防署長の指揮を受けて水難救護業務に従事しなければならない。<改正95・7・18>

 

第8条(中央救助調整本部等の設置)@海上における水難救護業務の効率的な遂行及び水難救護活動の国際的な協力のために海洋警察庁に中央救助調整本部(以下"中央救助本部"という。)を置く。

A海洋警察署に救助調整本部(以下"救助本部"という。)又は救助支部を置く。

B中央救助本部と救助本部及び救助支部の設置・運営等に関して必要な事項は、大統領令で定める。

 

第9条(救助隊の運営)@救助本部及び救助支部の長は、水難救護業務を效率的に遂行するために救助隊を運営しなければならない。

A消防署長は、河川における水難救護のために救助隊を編成・運営することができる。<改正95・7・18>

B水難救護協力機関の長は、水難救護活動の支援のために必要であると認めるときは、救助隊を編成・運営することができる。

C第1項から第3項までにおける規定による救助隊は、水難救護に必要な人力と装備を備えなければならない。

D救助本部の長は、効率的な水難救護活動のために必要であると認められるときは、水難救護協力機関の長に救助隊の支援その他必要な協調を要請することができる。この場合、水難救護協力機関の長は、正当な事由がない限りこれに応じなければならない。

 

第10条(外国救助隊の領海進入許可等)@外国の救助隊が迅速な水難救護活動のために韓国と締結した条約により韓国の領海・領土又はその上空への進入許可を要請するときは、中央救助本部の長は、遅滞なくこれを許可及びその事実を関係機関に通報する。

A第1項の規定による進入要請及びその許可等に関して必要な事項は、大統領令で定める。

 

第11条(水難救護協力機関との協調)救助本部の長は、水難救護協力機関の長と協議して救助隊の合同訓練又は合同教育を実施し、又は救助隊に関する情報交換及び相互連絡体制を構築することができる。

 

第12条(遭難事実の申告等)@海上又は河川で遭難事故が発生したときは、次の各号の1に該当する者は、直ちに近くの救助本部の長又は海洋警察署長・消防署長又は海洋水産官署の長に遭難事実を申告しなければならない。<改正95・7・18、96・8・8>

 1.遭難した船舶又は航空機の船長・機長又は所有者

 2.海上又は河川で遭難事実を発見した者

 3.遭難した船舶又は航空機から遭難信号や遭難通信を受信した者

A船舶の所在が不明で、通信が杜絶して失踪の危険があると認められる場合には、その船舶の所有者・運航者又は管理者は、遅滞なくその事実を救助本部の長又は海洋警察署長・消防署長又は海洋水産官署の長に申告しなければならない。<改正95・7・18、96・8・8>

B第1項及び第2項の規定により遭難事実の申告を受け、又は認知した海洋警察署長・消防署長又は海洋水産官署の長は、その事実を遅滞なく遭難地域を管轄する救助本部の長又は消防署長に通報しなければならない。<改正95・7・18、96・8・8>

 

第13条(救助本部の措置)@第12条の規定により遭難事実を通報を受け、又は認知した救助本部の長又は消防署長は、救助隊及び遭難現場の附近にある船舶に救助を指示又は要請し、又はその他水難救護に必要な措置を行わなければならない。<改正95・7・18>

A第1項の規定により救助の指示又は要請を受けた救助隊の長は、救助状況を随時救助本部に報告又は通報しなければならない。

B救助本部の長は、水難救護のために必要であると認めるときは、曳引船等必要な装備を保有した者に遭難船舶等を曳航させ、又はその他必要な措置をさせることができる。

 

第14条(航行船舶の救助支援)@遭難現場の附近を航行する船舶が遭難船舶又は救助本部から救助要請を受けたときは、可能なかぎり遭難した人を迅速に救助することができるように最大限支援を提供しなければならない。

A救助本部から救助要請を受けた船舶が救助に着手することができない場合には、遅滞なくその理由を救助本部の長に通報しなければならない。

 

第15条(救助活動の終了又は中止)救助本部の長は、救助活動を完了し、又はこれ以上救助活動を続ける必要がないと認められる場合には、救助活動を終了又は中止してその事実を中央救助本部の長に報告しなければならない。

 

第16条(遭難経緯書)@遭難船舶の船長又は所有者・運航者又は管理者(以下"船長等"という。)は、救助された後7日以内に遭難経緯書を作成して遭難地域を管轄する海洋警察署長又は消防署長に提出しなければならない。<改正95・7・18>

A海洋警察署長又は消防署長は、遭難経緯書に記載された事項を確認するために必要なときは、遭難船舶の船長等に関係書類の提出を命じ、又は船員・旅客その他船内にあった人を出席させて質問することができる。<改正95・7・18>

 

第4章 救難通信

 

第17条(遭難通信の受信)@救助本部の長は、遭難通信を受信することができる通信施設を備えて遭難事実を迅速に知ることができるように常に遭難通信を聴取しなければならない。

A第1項の規定による遭難通信を聴取する通信網・周波数等遭難通信の聴取に必要な事項は、大統領令で定める。

 

第18条(船位通報)@船長は、船舶が港口又は浦口から出航し、又は海洋警察庁長が指定・告示する船位通報海域に進入したときは、救助本部の長に船舶の位置を通報しなければならない。

A第1項の規定により位置を通報しなければならない船舶の範囲その他船位通報制度の施行に関する事項は、海洋水産部令で定める。<改正96・8・8>

 

第19条(通信設備等の利用)@救助本部の長は、水難救護活動のために必要な場合には、電気通信事業法第55条の規定により電気通信設備の利用を要請し、又は放送法第2条第3号の規定による放送局に対して必要な情報の迅速な放送を要請することができる。

A第1項の規定により要請を受けた機関の長は、これに応じなければならない。

 

第5章 救護業務

 

第20条(救助された人・船舶・物の引継ぎ)@海洋警察署長又は消防署長は、救助された人や死亡者に対しては、その身元が確認され、保護者又は遺族がある場合には、保護者又は遺族に引き継がなければならず、救助された船舶又は物に対しては、所有者が確認された場合には、所有者に引き継ぐことができる。<改正95・7・18>

A海洋警察署長又は消防署長は、救助された人や死亡者の身元が確認されず、又は引き継がれる保護者又は遺族がない場合及び救助された船舶又は物の所有者が確認されない場合には、救助された人と死亡者及び救助された船舶・物を市長・郡守に引き継ぐ。<改正95・7・18>

 

第21条(救助された人の保護等)第20条第2項の規定により救助された人等の引継ぎを受けた市長・郡守は、救助された人に迅速に宿所・給食・衣類の提供及び治療等必要な保護措置を行わなければならず、死亡者に対しては、霊安室に安置する等適切な措置を行わなければならない。

 

第22条(引継ぎされた物の処理)@第20条第2項の規定により救助された船舶又は物を引き継がれた市長・郡守は、これを安全に保管しなければならない。

A物の所有者や船長等が市長・郡守が相当であると認める担保を提供して当該物の引渡を請求するときは、第1項の規定にかかわらずその所有者や船長等にこれを引き渡すことができる。

B第1項の場合、引き継がれた物が次の各号の1に該当して保管が不適当であると認められる場合には、大統領令が定めるところによりこれを公売してその代金を保管することができる。

 1.滅失・損傷又は腐敗のおそれがあり、又は価格が顕著に減少するおそれがあるもの

 2.爆発物・可燃性の物、保健上有害な物その他保管上危険が発生するおそれがあるもの

 3.保管費用がその物の価格に比べて顕著に高価なもの

C市長・郡守が第3項の規定により公売をしようとする場合には、物の所有者又は船長等に市長・郡守が定める期間内に担保を提供して物を引き受けさせることができ、担保を提供せず、又は物の引渡を請求しないときは、公売するという趣旨をあらかじめ告知しなければならない。

 

第23条(救助された人の救護費用)@救助された人の保護その他救護に必要とする費用は、救助された人の負担とする。

A救助された人は、第1項の費用を市長・郡守が指定する期限内に納付しなければならない。

B救助された人が第1項の費用を納付することができないときは、国庫の負担とする。

C第1項及び第2項の規定は、死亡者に対してこれを準用する。この場合、"救助された人"は、"遺族"と読み替えるものとする。

 

第24条(救護費用の支給)@第7条第1項の規定による命令により救護に従事した者は、市長・郡守から救護費用を支給されることができる。ただし、各号の1に該当する者の場合には、この限りでない。

 1.救助された船舶の船長等及び船員

 2.故意又は過失により遭難を引き起こした者

 3.遭難した物を持っていった者

A第1項の"救護費用"とは、次の各号の1に該当する費用をいう。

 1.遭難した船舶等の人命救助に従事した者の労務に対する報酬その他救助費用

 2.第7条第1項の規定による船舶・自動車・土地・建物その他物の使用に対する損失補償費用

 3.救助された物の運搬・保管又は公売に必要とした費用

B第13条第3項の規定による遭難船舶の曳船に必要とした費用は、遭難船舶の船長等がこれを負担しなければならない。

 

第25条(救護費用の金額と納付告知)@救護費用の金額は、大統領令が定めるところにより市長・郡守が海洋警察署長又は消防署長と協議して定める。<改正95・7・18>

A市長・郡守は、救護費用の金額を遭難船舶の船長等に告知し、期間を定めてこれを納付させなければならない。

B船長又は船舶所有者が市長・郡守が定めた期間内に救護費用を納付しないときは、市長・郡守は、大統領令が定めるところによりその者が保管する物を公売してその代金で救護費用に充当し、残余金額がある場合には、船長等にこれを還付する。

 

第26条(救護費用の支給申請)第24条第1項の規定により救護費用の支給を受けようとする者は、市長・郡守が定める期限内に遭難地域を管轄する海洋警察署長又は消防署長を経て市長・郡守にこれを請求しなければならない。<改正95・7・18>

 

第27条(利害関係人の書類閲覧)救助された船舶の船長等及びその他利害関係人は、救護費用に関して市長・郡守が作成した書類を閲覧することができる。

 

第6章 漂流物及び沈没品の処理

 

第28条(漂流物と沈没品の収得・引渡)漂流物又は沈没品(以下"漂流物等"という。)を収得した者(以下"収得者"という。)は、遅滞なくこれを市長・郡守に引き渡さなければならない。ただし、その漂流物等の所有者が明らかでその漂流物等この法律により所有又は所持が禁止された物でない場合には、収得した日から7日以内に直接その所有者に引渡することができる。

 

第29条(引渡を受けた物の保管と公告)@市長・郡守は、第28条の規定により引渡を受けた漂流物等を保管しなければならない。この場合、保管が不適当なものの処理に関しては、第22条第3項及び第4項の規定を準用する。

A第1項の規定により漂流物等又はその公売代金を保管する市長・郡守は、大統領令が定めるところによりその事実を公告しなければならない。この場合、その所有者を知っている場合には、直接所有者に告知しなければならない。

 

第30条(費用の負担)@漂流物等の所有者は、第29条第2項の規定による公告日又は告知日から1年以内に次の各号の区分に伴う金額及び公告・保管又は評価に必要とした費用を市長・郡守に納付して漂流物等を引渡を受けることができる。

 1.木材の場合には、その価格の15分の1に相当する金額

 2.木材でない漂流物の場合には、その価格の10分の1に相当する金額

 3.沈没品の場合には、その価格の3分の1に相当する金額

A第1項の場合漂流物等の価格は、市長・郡守がこれを評価する。ただし、地価公示及び土地等の評価に関する法律による鑑定評価士をしてこれを評価させることができる。

 

第31条(所有者が引受を放棄した場合の処理)@第30条第1項の規定による期間内に所有者が漂流物等の引渡を請求しないとき又は漂流物等の引渡を請求しない意思を表示したときは、市長・郡守は、期間を定めて漂流物等を引渡を受けることを収得者に告知しなければならない。

A収得者は、第1項の規定による期間内に公告・保管又は評価に必要とした費用を市長・郡守に納付し、漂流物等の引渡を受けることによりその所有権を取得する。

B収得自家第1項の規定による期間内に漂流物等を引渡を受けないときは、市長・郡守は、これを公売してその代金から公告・保管・公売又は評価に必要とした費用及び第32条の規定により収得者に支給する補償金を控除しなければならず、残余金額があるときは、国庫に帰属し、不足分があるときは、国庫でこれを負担する。

 

第32条(補償金)市長・郡守は、第30条第1項の規定により所有者から納付を受けた金額中第30条第1項各号の区分に伴う金額を収得者(国家機関・地方自治団体又は公共団体を除外する。)に補償金として支給しなければならない。

 

第7章 罰則

 

第33条(罰則)水難救護を妨害した者は、1年以下の懲役又は300万ウォン以下の罰金に処する。

 

第34条(罰則)次の各号の1に該当する者は、200万ウォン以下の罰金に処する。<改正95・7・18>

 1.正当な理由なく第7条第1項の規定による海洋警察署長又は消防署長の水難救護業務への従事命令に拒絶し、又は船舶・自動車・土地・建物その他物件等の日時使用を拒否した者

 2.漂流物又は沈没品に表示されている記号を損傷し、又は消してなくした者又は新しい記号を表示した者

 

第35条(過怠料)@次の各号の1に該当する者は、100万ウォン以下の過怠料に処する。

 1.正当な理由なく第12条第1項第1号・第3号又は第12条第2項の規定による申告をしなかった者

 2.正当な理由なく第14条第2項の規定による通報をせず、第14条第1項の規定による支援を提供しない者

 3.第16条第1項の規定に違反して遭難経緯書を提出しない者

A第1項の規定による過怠料は、大統領令が定めるところにより海洋警察署長又は消防署長が賦課・徴収する。<改正95・7・18>

B第2項の規定による過怠料処分に不服がある者は、その処分の告知を受けた日から30日以内に海洋警察署長又は消防署長に異議を提起することができる。<改正95・7・18>

C第2項の規定により過怠料処分を受けた者が第3項の規定による異議を提起したときは、海洋警察署長又は消防署長は、遅滞なく管轄裁判所にその事実を通報しなければならず、その通報を受けた管轄裁判所は、非訟事件手続法による過怠料の裁判をする。<改正95・7・18>

D第3項の規定による期間内に異議を提起せず、過怠料を納付しないときは、国税滞納処分の例によりこれを徴収する。


附則

@(施行日)この法律は、公布後6月が経過した日から施行する。

A(罰則に対する経過措置)この法律施行前の行為に対する罰則の適用においては、従前の規定による。

 

附則<95・7・18>

@(施行日)この法律は、公布した日から施行する。

A省略

 

附則<96・8・8>

第1条(施行日)この法律は、公布後30日以内に第41条の改正規定による海洋水産部及び海洋警察庁の組織に関する大統領令の施行日から施行する。

[1996・8・8大統領令第15135号により公布した日から施行]

 

第2条から第4条まで 省略


この法律の最初に戻る