科学的とは 

一応理科系のMと文科系のKさんとの話から:TVタックルでやっていたUFOを信じる人と信じない人の対決のようなことが時々私の生活の中でも起こります.UFOが話題ではなく,超能力,気功,Oリング,ホメオパシーなど健康指向の話題が出てきます.私はこれらのことに興味はあるのですが,多くの場合これらのことを批判する立場に立って話をすることになってしまいます.Kさんは超能力などについて良く勉強されているらしく,いろいろなエピソードを話してくれます.そんなとき,つい口を突いて出てくるのは「どうやって科学的に証明するの?」とか「科学的に確認するには・・・.」といった言葉です.お決まりのパターンで「科学には限界がある」,「科学は万能ではない」,「科学で解明できない未知の現象がある」と返ってきます.Kさんの科学に対する印象は「融通の効かないこと」,「自由度の低い考え方」の様に思えます.こんなことで,科学的とはなにかということになります.

辞書では:「【科学】一定領域の対象を客観的な方法で系統的に研究する活動。また、その成果の内容。特に自然科学をさすことが多い。【科学的】科学の方法に合致して合理的・客観的であること。」となっております.

これを図に描くと左のようになります.まず,自然現象(自然の法則)が存在します.人類がこれを理解していようが,していなかろうがお構いなしに存在します.人類はこれを理解しようと研究を続けてきました.研究成果によって,自然現象が浮き彫りにされている領域が,既知の領域となります.赤いパックマンの様なものが研究する人たちで,未知の領域を齧り取り,自然現象を浮き彫りにしようとしています.まだ明かとなっていない,未知の領域の自然現象は混沌としてはっきりしていません.研究者達は既知領域の成果の上に,成果と関連づけて,新しい成果を加え既知の領域を拡げようと努力するわけです.時として,天才科学者が図の「然」の頭あたりから齧り始めることもあるでしょう,そして,今までの研究成果との関連づけの道筋を引くことができた場合は大発見ということになるわけです.科学的とはこのようなことをいうのではないでしょうか?「合理的・客観的」とは多くの人が認めている成果とうまく関連づけることを指しているのではないでしょうか.その方法として,統計とか推計とかの手法がとられることがあります.偶然に起こったことと,なにか意味があって起こったことを区別する方法です.こんなことをお話してKさんに納得していただいたことがありました.

ですから,超能力のお話をするとき突然,「「然」の頭あたりから齧った話」を,今までの成果を無視して話すと,「科学的でない」ということになるわけです.超能力,気功,Oリング,ホメオパシーを科学的に説明していただけるとおもしろいと思います.すでに,ホメオパシーは既知の成果と矛盾なく関連づけられているというお話を聞いたことがありますが,確認はしておりません.ホメオパシーに限らず,超自然現象を科学的に説明できる方がいらしたらunkyo@and.or.jpまで.

ページ紹介・「科学ですでに明らかにされていることを否定したり、科学的な根拠が明確でないのに科学的な装いで喧伝されたりしているものについて、それらへの科学的反証や回答を行うサイトです。」掲示板,メールマガジンも発行されているそうです.

「超自然現象」や疑似科学を調べる

98.7.13話は変わりますが,「漢方」って,今未知の領域に浮かぶ大きな青い島のような気がします.経験をもとにした学問の領域で,多くの人々によって支持されています.しかしながら,その効能や適応症についての説明の大部分はここで言う科学的なものではありません.少しずつ,既知の領域と漢方の青い島との間に,成果の筋道が漢方製剤の薬理試験や漢方処方の臨床試験等によって結ばれようとしています.

なお,本ページの「輪廻転生」に関する駄文は科学的な話ではありません.

98.12.9 あなたはデジタル人間それともアナログ人間?

簡単な,確認方法を見つけました.掛け算で暗算するときを思い出してください.例えばドルから円に換算するとき,頭の中で数値が出てきますか?数値が出てきたり,ソロバンの玉のようなものが出てくる方はデジタル人間です.頭の中で,定規のようなものが伸び縮みして換算している人はアナログ人間です.あなたはどちらですか?それとも別な計算の仕方をしていますか?ちなみに私はアナログ人間のようです.時計もアナログでないと実感が湧きません.

98.12.10脳内革命の批判本「脳内革命の大ウソ」北貞夫著,日新報道を読みました.

確かに,脳内革命の間違っているところを指摘しており,安心させられるものでした.しかし,この作者も,脳内革命の作者同様,別の人の解説書(「脳内麻薬と頭の健康」大木幸介著,講談社など)の引用が大部分で,原報は読んでいないようで,客観性に乏しいように思えました.生理学や薬理学で中枢をかじった人であれば,どちらが正しいか判ると思いますが,一般の人には区別がつかないのではないかと,ちょっと心配になりました.この作者はいい人だ,医者だ,東大卒だ,ぺてん師だ,といったことが判断の材料になってしまいそうな気がします.先にも述べましたように,自然現象は科学のレベルが何処にあろうと,既にそこにあるものです.解明した人が誰であろうと変化しないはずです.脳内革命の内容はまだ証明されていないことを先走って書いてしまったことと理解されている方もいらっしゃるようですが,永遠に真実にはなりえない内容が沢山含まれております.エンドルフィンはいつまで経っても,A10神経から主に分泌されることはないでしょう.解説書にある話題の単語「エンドルフィン」,「快感神経」,「右脳」,「活性酸素」などを使い,自然現象と関係のないお話を作りあげてしまったのです.単語が真実に近いため,中枢をあまりやったことのない,同僚の薬理屋さんまでも,脳内革命の内容を真実と勘違いしていたようです.脳内革命は真実に近い材料を使った,疑似科学の書と言えるのではないでしょうか.真実から逸脱していることが判っていることを,人に伝えることがいかに難しいか,考えさせられる批判本でした.