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もしも…障害をもってしまったら…

 

障害にも先天性・後天性なもの、また、その種類も目・耳の障害であったり、病気や事故で手足を失ったケースなどいろいろです。

障害をもって生まれた子犬などは、大抵が処分されてしまう運命でしょうし、日本の場合はまずそうした子犬や子猫をわざわざ引き取って育てたりすることは少ないと思います。

しかし、長い間生活を共にした自分の愛犬が突然事故で歩けなくなったりしたらどうでしょう?もちろんどんな飼い主も自分のペットにはいつまでも健康でいて欲しいと願っているはずですが、これから先絶対にそうした不幸な目に会わずに済むという保証はどこにもありません。そんな時、あなたならどうしますか?普通の飼い主なら、大切な家族の一員を簡単に見捨ててしまうことはなくても、健全でいた時よりももっと特別のケアが必要になるわけですから負担が増えることは容易に想像がつきます。

障害を持つペットの世話がいかに大変なものなのかは、実際に経験した人でなければわからないでしょうが、安楽死という手段を選ぶことは、ペットのためというよりも飼い主がその世話を放棄するためのうまい口実に過ぎないのではないかとふと思ったりもします。障害をもつペットを飼っている人達のホームページを読んでみると、障害があるからといってそのペットが必ずしも不幸であるとは限らないようです。ただ、そうしたペットの世話についての情報が少ないためにそれぞれの飼い主さんが相談もできずに悩んでいるケースが多いということもわかりました。

始めから、障害のある犬だということを知った上でそうした特別なケアを必要とする犬達を引き取って育てている人もいますが、今までずっと健康だったのにある時突然失明してしまったとか、事故で手足を失ったという場合のほうが一般的ではないかと思います。まさかそんなことになるとは予想もしていないことですから、ペットだけでなく飼い主の側もショックを受けてどうしてよいのか戸惑ってしまうのも当然のことなのではないでしょうか。

私の場合は愛犬が健康にいてくれるおかげで今のところは平和な毎日を送っています。こんな経験もない私がいろいろ偉そうなことをいう立場でないことは十分に承知しているつもりですが、もしもペットが突然の事故や病気が元で障害をもってしまいそのことで悩んでいる方達の少しでもお役に立つことができたら大変うれしく思います。

 

パート1 視覚障害〜Dogs with Blindness

たとえ不幸にも失明したとしても、それでおしまいというわけではありません。人間にも言えることですが、視覚を失っても他の能力(嗅覚や聴覚)が失われた能力を補うためにそれまでよりも発達するらしいので、慣れてしまえばかなり普通の生活が送れるようになるそうです。犬の場合、嗅覚や聴覚能力はもともと人間よりもはるかに優れていますから、同じ障害を持った人と比べると生活の変化に順応するのも早いのではないかと思います。

視覚障害は聴覚障害ほど犬種別による傾向はあまりないようで、小型犬から大型犬とほぼどんな犬種にもみられるようです。人間と同様に糖尿病がもとで失明してしまったりする事例もありますから、必ずしも目の病気だけが原因ではないようです。また、手術や薬によって病状の進行を遅らせることも場合によっては可能ですし、定期的な健康診断を行って少しでも早く異常を発見できるように努力することは有効な予防策だと思います。

失明するほどの深刻な目の病気にはどんなものがあるのか少し調べてみました。

あるホームページ(リンクのコーナー参照)で紹介されていた視覚障害犬の犬種:

チワワ、シベリアンハスキー、ゴールデンリトリバー、シルキーテリア、ロットワイラー、コッカースパニエル、バセットハウンド、ビーグル、ダックスフンド、チャウチャウ、トイプードル、コッカプー、ラサアプソ、ミニチュアプードルその他雑種各種。

視覚障害の主な原因

SARD(Sudden Acquired Retinal degeneration)

非遺伝性、治療法なし。

進行性網膜萎縮症
PRA(Progressive Retinal Atrophy)

遺伝性(コリー、プードル、アイリッシュセッター、コッカースパニエル、ラブラドルレトリバー、マラミュートに多いらしい。)

治療法なし。

角結膜炎
Dry Eye(Keratoconjunctivitis Sicca)

コッカースパニエル、シュナウザー、ヨークシャーテリアに多い。甲状腺不全症や糖尿病によって起こる場合もある。

トラウマ
Trauma
網膜剥離
Retinal Detachment
白内障
Cataracts
グルコーマ
Glucoma
遺伝によるもの 生まれつきの奇形によるもの

 

視覚障害のある犬達のために飼い主ができること

1. 室内犬の場合、家具の配置をできるだけ変えないようにする。室外犬の場合も同様に庭のつくりを大きく変えない。
2. 池やプールなどがある時はカバーをするか、囲いを設けて犬が誤って落ちておぼれない様に注意する。
3. いつも同じ場所に飲み水・食事の容器を置くようにする。犬はこの場所を基準として、物の配置関係をつかむことができる。
4. ダイニングテーブルのイスなど使用していない時は元に戻して犬の歩行の邪魔にならないようにする。
5. もし、ペットが自分の位置がわからなくなったと思える場合は、飲み水のある場所かいつも寝る場所へ連れて行く。この場所がペットにとって基準点となるように教える。
6. 階段の場所をよく覚えるまで、ペット用ゲートを使うなどして落ちないように注意する。
7. 失った視覚を補うために、聴覚、嗅覚などを出来るだけ使うようにさせる。
例)音が出たり、においのするおもちゃで遊ばせる。家具の一部に匂いをつける。
8. 視力を失うことにより、運動量が減ることが予想されるので、ハーネスやリードをつけて歩くことに早く慣れさせ、毎日規則的な運動を行い肥満にならないようにする。
9. ペットも人間と同じで、いきなり視覚を失った場合、そのショックからうつ病やイライラするなど生活の変化に慣れるまである程度の調整期間が必要。そのため、特に小さな子供のいる家庭では、子供にもペットの変化について説明し、ペットが一時的な精神不安定によって間違って噛んだりするような事故がないように気をつける。むやみやたらに、驚かせたりするのはストレスにつながるので避ける。
10. もう一匹別のペットを飼う。その音や匂いによって後をついて回ることができる。(犬のための盲導犬的な役割)

 

 

パート2 聴覚障害〜Dogs with Deafness

いくつかの研究結果から、犬の聴覚障害は白い色の犬に多く起きることがよく知られています。(猫の場合も同じ)犬種の中では特にダルメシアンに聴覚障害が多く発生しています。犬の被毛の模様を決定するある特定の遺伝子に深い関わりがあるので、聴覚障害を持つ犬を交配させたると、聴覚障害を持つ子犬が生まれる確率はかなり高くなります。そのため、聴覚障害が片方の耳だけに見られる場合でも、そのような個体は交配させるべきではないといわれています。ダルメシアンなどでみられる遺伝性の聴覚障害は、すでに子犬の時点でテストすればわかるそうです。ただ、片一方だけが聞こえない場合は障害があるかどうかを調べるのは完全に聞こえないものに比べるとその診断が少し難しいらしいのですが、電極を皮膚の下にさして行うBAERと呼ばれるテストで区別できるということです。(麻酔はかけなくてもできる)

後天的なものでは、耳の炎症や抗生物質の副作用により障害が起こることが多いようです。高齢になるにつれて徐々に聴力が低下することはよくありますが、このように変化がゆっくりなものより、短期間に聴力を失った時のほうがペットにとってショックが大きいのは人間のときと同じです。

 

聴力障害の主な原因

先天的なもの
マール遺伝子:コリー、シェトランドシープドッグ、アメリカンフォックスハウンドなどの犬種にみられる青灰色の被毛に関係のある遺伝子と聴覚障害に関わり合いがあるといわれている。
パイボールド遺伝子:ダルメシアン、ブルテリア、ブルドック、イングリッシュセッターなどの白黒斑状の模様に関係のある遺伝子と聴覚障害に関わり合いがあるといわれている。
後天的なもの
内耳炎
Otitis Internal
中耳炎
Otitis Media
外耳炎
Otitis External
髄膜炎
Meningitis
内耳神経毒
(薬物、化学物質)
Ototoxicity(Drug,Chemical)

薬物リストはここをクリック。(外部リンク)

無酸素症
Anoxia
知覚麻痺
Anesthesia
騒音
Noise
器官の発育不全
Agenesis, Ossicle fusion
トラウマ
Trauma
老化による難聴
Presbycusis

 

犬種別にみた先天性聴覚障害の傾向

下の円グラフで”片耳のみ”は聴覚障害が片一方の耳だけに見られるもので、”両耳”というのは完全に耳が聞こえない個体を指します。
ブルテリア、イングリッシュコッカースパニエルについての毛色別の障害発生件数は下の表を参考にしてください。

円グラフ〜ダルメシアン

円グラフ〜イングリッシュセッター 円グラフ〜イングリッシュコッカースパニエル

データ(Deafness in Dogs and Cats より)

犬種 サンプル数 片方の耳のみ 両方の耳 障害を持った個体数(片耳+両耳)
ダルメシアン 5009 1100(22%) 399(8%) 1499(30%
ブルテリア 571 57(9.9%) 6(1%) 63(11%)
  (白) 299 51(17.1%) 6(2%) 57(19.1%
  (カラー) 272 6(2.2%) 0 6(2.2%)
イングリッシュセッター 530 64(12.1%) 12(2.3%) 76(14.3%
イングリッシュ
コッカースパニエル
828 51(6.2%) 9(1.1%) 60(7.2%)
  (ぶち) 794 50(6.3%) 9(1.1%) 59(7.4%)
  (単色) 34 1(2.9%) 0 1(2.9%)
オーストラリアキャトルドッグ 238 25(10.5%) 5(2.1%) 30(12.6%

参考までに日本での登録情報(1998年):

JKC(ジャパンケンネルクラブ)に登録されている犬種別リストをみると、上記の犬種について、数ではダルメシアンが圧倒的にトップで3612匹、続いてイングリッシュコッカースパニエル(784匹)、ブルテリア(358匹)、イングリッシュセッター(77匹)そしてオーストラリアンキャトルドッグ(52匹)の順になっています。

 

聴覚障害のある犬との接し方

聴覚障害のある犬は視覚障害を持つ犬よりも臆病になりやすいらしく、慣れないうちは驚いた拍子に間違って噛みつくなど神経質になることが多いみたいです。特に小さな子供のいる家庭では注意が必要です。それだけ、犬にとって聴力を失うというのは視力がなくなるよりもかなりのハンディなのかも。

1. 飼い主と犬とのアイコンタクトが大切。声が聞こえなくても、手話などを使ってコミュニケートすることは可能なので、まずは飼い主と目と目を合わせる訓練から行う。別に正式な手話でなくてもよいが、その場合コミュニケーションが図れるのはその特別なサインの意味を知っている特定の飼い主と犬の間だけという短所がある。
2. 言葉の代わりに、振動や光でコマンドを与えて、訓練することもできる。よくプレゼンテーションで使われる赤いレーザー光のポインターを使っている飼い主の話もある。(もちろん、レーザー光を犬の目に直接あてるような使い方はダメ)
3. 散歩するときは必ずリードをつける。耳が聞こえない犬は、他の犬からの警告のサインがわからないのであまりフレンドリーでない犬に遭遇した場合攻撃される恐れがある。また、後方から車が来ても気付かず、はねられたりするのを防止できる。(まず自分の車の前を歩いている犬が耳が不自由だと見ただけでわかる運転手はまずいない。)
4. 耳の不自由な犬にとって寝ているところを起こされるのは最も驚くことなので、始めはおやつ・食事の匂いやベッドを少し揺らして起こしてあげるなどの気遣いが大切。いきなり体を触ったりするとびっくりして悪気はなくても反射的に噛んでしまったりすることもあるので気をつける。過敏に反応しないように少しづつ慣らしていく訓練をしている飼い主さんもいる。特に小さい子供がいる家庭では、子供にも犬の障害について教育して理解させる。
5. 後方からいきなり近づいて触ったりするのは犬がおびえやすく、神経質になるので避ける。中には、わざと驚かせて、犬がその刺激を”恐怖感”と結びつける代わりに、おやつなどを与え、”犬にとってうれしいもの”であるというポジティブな条件付けを行って犬がおびえて噛んだりしないように訓練している人もいる。
6. 障害のある犬は慣れるまで人間と同じようにうつ病になったり、飼い主にかなり依存性が高くなることがよくある。出来るだけ犬が自信を持てるように努力して自立できるようにしてあげる。(以前テレビで、耳の不自由なダルメシアンを持った飼い主さんが庭にトンネルや障害物のコースを作り、犬に自信をつけさせる訓練をしていたのを見たことがある。その犬は訓練前は、飼い主が仕事で留守にしている時などひとりにされると分離不安などの問題がみられた。)
7. とにかく根気強く訓練することが要求される。(それでも、障害を持った人間より動物のほうがもっと早く順応するらしい。)イライラして体罰を加えたりするのは逆効果。

 

パート3 その他の障害

伝染病の後遺症は予防接種によって防止することはできるにしても、交通事故やガンなどは予測がつきにくいので、放し飼いをしないとか、ガンの早期発見につとめるぐらいしかこれといって効果的な予防手段がなさそうです。私の家の近所に若いころガンで右前足を切断したラブラドルリトリバーがいますが、多少歩くのが不自由な点を除いて他の犬と大して違いはありません。いつも元気に庭の中を走りまわっています。

犬猫用の歩行車も決して安いものではないけれど、実際に使用しているペットの写真などをみると歩行車なしでは寝たきりに近いペットもかなり自由に動き回れるようになるみたいです。でも、ここまで飼い主に愛情を注いでもらえるペット達はほんの少数であるのが現実かも知れませんね。

障害の種類

事故やガンなどにより手足を切断
神経や筋肉の病気による麻痺(遺伝的なもの)
椎間板の病気による麻痺
ジステンパーなど伝染病の後遺症による麻痺

 

 リンク 

 

補助具関係のサイト

 Living With Dogs  ”障害犬との暮し”のコーナーで視覚障害犬用の行動補助具の作り方を紹介されています。

 ヤマペット山田 歩行車、補助吊ベルト、保護ブーツ、失禁パンツ、聴信器等の紹介。

 Vibratel 〜 A Pager For Deaf Dogs 聴覚障害犬用の補助具。飼い主がリモートコントロールで信号を送ると、犬の首輪につけた受信器具が振動するしくみ。

 Canine Cart 犬用歩行車のレンタル、販売。

 Eddie's Wheel 犬猫用歩行車の販売。

 The dogMOBILE 犬用歩行車の販売。

 K9 Carts 犬用歩行車の販売。歩行車を利用している犬の写真も紹介している。

 

障害犬を持った飼い主さん達のサイト

 Tyler's Home Page 糖尿病が原因で視力を失ったミニチュアシュナイザーのタイラーのページ。糖尿病についての情報の他、障害犬を持つ飼い主さんのウェブリングのリストをみるとその数に驚きます。

 Cricket's Training Page 耳の不自由なダルメシアンのクリケットの訓練についてのページ。

 Sally's Page ジステンパーのため下半身が麻痺して歩けなくなってしまったダックスフンドのサリーのページ。

 Degenerative Myelopathy Page Degenerative Myelopathy(DM) であったジャーマンシェパードの思い出を中心としたDMについての情報サイト。

 Meet Our Blind Dogs 視覚障害の犬を持つ飼い主さんのメーリングリストの紹介。 障害を持った犬達が写真つきで紹介されています。

 Deaf Dogs Web Page 聴覚障害の犬のためのページ。メーリングリストの紹介や耳の不自由な犬の訓練などについての情報。

 DWD-Dogs with Disabilities 障害を持つ犬を持った飼い主さんをサポートするクラブのページ。

 

障害についての情報サイト

 Deafness in Dogs and Cats 米国ルイジアナ州立大学獣医学部で神経科学が専門としている教授のページ。

 

その他

 Doggles.com 犬用のサングラスなどを販売しているところ。おしゃれのためだけでなく、走行中の車の窓から顔をだしているワンちゃんの目に異物が入って目を傷つけないためにも最適。

 


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