STAR SR-600

ローカル局の評判を聞いて、やっとの思いで見つけたのがこのSR-600です。

長野の実家に半分雨ざらし状態で15年ぐらいほっておかれたものを、20年ぶりにリストアしました。今回のリストアではクリスタルコンバーター、MTU、55KHz LCフィルターを外してクレンザーとスチールウールでシャーシ上の錆を落としましたが、錆がこびりついていてきれいに落ちませんでした。MTUの2回目の組み直しと、リストア前にダイオードを使っていた部分を6AL5に戻し、AGCもオリジナル回路に戻しました。(6AL5はバイアス電源の整流、AM検波、AGC、ANLに使われています。)

SSBの音が悪いのは前からですが、今使ってみるとチューニングがしにくいことが気になります。20年前は気になりませんでした。

「特徴」

●SR-600は、メインチューニング、BFO、ノッチフィルタがμ同調(プリセレクタだけはバリコンによる同調)

●オプションのクリスタルを追加すると、受信バンドを追加できる

●LCフィルターによる選択度の切り替え


周波数:3.5〜29.7MHz

電波形式:A1, A3j, A3

感度:0.5μV S/N 10db(CW)

   1μV S/N 10db(AM)

選択度:

0.5KHz(-6db), 4.0KHz(-60db)

1.2KHz(-6db), 5.0KHz(-60db)

2.5KHz(-6db), 7.0KHz(-60db)

4.0KHz(-6db), 9.0KHz(-60db)

※-60dbの帯域はマニュアルのグラフを参照

方式:第一IF 3.5〜4.1MHz、第二IF 455KHz、第三IF 55KHz

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右からアンテナコネクター、ネジ2つがアンテナ端子(アンテナコネクターと並列)、その横二つがスピーカー端子、Sメータの0セット、Sメータの感度調整、ミュート端子二つ、スペア端子二つです。

右の取っ手のついているものは100KHzのマーカ用クリスタルです。その上にHC6U用のソケットが6つ開いていますが、これがバンド拡張のクリスタルをいれる場所です。この箱の部分がクリスタルコンバータです。

右のクリスタルコンバーターユニット、真ん中のMTU、ブロックコンデンサの前の455KHz IF、3rdコンバーター、55KHz LCフィルター、55KHz IFと復調、ブロックコンデンサ右のAFへと信号が流れていきます。

裏側は以外とすっきりしています。メインダイヤル右側にTノッチ用のコイルが見えています。同じものがBFOの発振コイルとして使われています。一つ上の写真でSメータの右下にあるシールドケースの中に収められています。

クリスタルコンバータ部分の内部です。

14MHzと21MHzはRF増幅の調整がありません。局発は7MHz用が無調整、14MHz以上が3倍オーバトーンです。

LCフィルターの中身です。CWやSSBを聞くには十分な選択度です。

MTU(Main Tunning Unit)です。以前から周波数が飛ぶ現象があったので、局発のコンデンサを交換しました。

分解して気づいたのですが、画像を見た範囲で花澤さんのSR600とは中身が違います。また、マニュアルの回路図よりも実際の回路は簡略化されています。

花澤さんのSR600

私のSR600
チューニングシャフトがユニット前面で固定されています。 チューニングシャフトが後部まで貫通しています。
温度補償用のコンデンサがチューニングコイルの横に二つあります。 温度補償のコンデンサはスチコンが1個だけです。


【SRー600の改造】

(1)ミュートからの復帰を早くする

「AUXへ」をシャーシ後ろのAUX端子へつなぎます。

AUX端子をシャーシへ落とすと受信、離すとスタンバイになります。

(2)電源ON時、ミュート時のSメータの振り切れをなくす

点線のように、AGCのかかっている2ND IFとAGCのかかっていない3RD IFのプレート電圧の差でSメータを振らせることで電源ON時のSメータの振り切れを無くしました。また、(1)の改造後、3RD IFのグリッド抵抗のアース側をAUXへつないで、ミュート時のSメータの振り切れも無くしました。


【SRー600の改造】

(1)MTUの局発コイル交換

MTUの局発コイルのコアがフラフラすることによる不安定さを改善するため、局発のコイルを交換しました。
写真1の上と中が交換するために用意したもので、ファインアンテナにあるのを何年も前から目をつけていて、今年の夏に買ってきたものです。コアのネジをロックすることもできて、機械的に安定そうです。なお、写真1の下がオリジナルのコイルです。
オリジナルのコイルの巻き数をまねて、新しいコイルを巻き、ディップメーターで共振周波数が同じになることを確認してから、写真2の上のように取り付けました。
以前のままですとスイッチオンから10KHzくらい周波数が下がるので、10pFの温度補償コンデンサを追加しました。
写真2の下がSR600にMTUを戻した状態で、コイルのロックナットに違和感があります。

結果は、ずいぶん安定になり、成功です。
本当のコールドスタートではないのですが、1KHz以内くらいの変動に納まっているようですし、何より周波数がジャンプしないので、実用的になりました。

上2つ:ボビンをとった基板とコイル、下:オリジナル上:改造後のMTU内部、下:取り付け後

(2)AGC回路変更

オリジナルではAGC検出後、時定数を決めるコンデンサへ入る前に500kΩの抵抗があります。これを通してAGC電圧が充電されるためアタックが遅くなります。これを軽減するために、抵抗を50KΩとし、IFTの負荷を軽減するために2mhのチョークコイルを入れました。AGCの放電は上の 500KΩと6AL6と並列に入っている500kΩなので、ここを1MΩに変えました。オリジナルはミュートの改造で示している回路図です。

普通に聞いていると違いはわからなかったのですが、ローカルのJR1局が出てくると、以前はアタックで一瞬大きな音が出て歪んでいたものがほとんど気にならなくなりました。


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