逸失利益・慰謝料・労災

平成9.1.28 最高裁第3小法廷判決 平五(オ)2132号
「在留資格がなく就労していたパキスタン人の労災事故による逸失利益算定につき、3年間は日本国内で得ていた収入と同額 (月額17万円)、その後67歳までは母国で得ていた収入(月額3万円)を基礎に算定した事例」
「不法残留外国人の労災事故による逸失利益の算定にあたり我が国における就労可能期間を、事故の約五箇月後まで勤めた会社 を退社した日の翌日から、3年間を超えて認めなかった原審の認定判断が不合理ではないとされた事例」
「損害賠償額を過少に算定した違法があるとしてされた上告の上告理由書提出期間経過後にこれを過大に算定した違法があるとして された附帯上告の適否」

<判例時報1598号p78>

 

平成8.1.29 仙台高裁秋田支部判決 平五(ネ)124号
「中国人女性から日本人男性に対する離婚慰謝料の請求について、中国に帰国後の所得水準を重要な要素として慰謝料を減額すれば 一般的に日本人である妻と離婚した者の支払う慰謝料の額と対比し、夫に不当に得をさせる結果を生じ公平性を欠くといて、100万円 の支払いが命じられた事例」

<判例時報1556号p81>

 

平成7.1.19 東京高裁判決 平五(ネ)3801号
「日本の大学院に留学するために来日し交通事故で死亡した韓国人男性の逸失利益の算定の基礎として韓国の賃金センサスによるのが 相当であるとした事例」

<判例タイムズ886号p244>

 

平成6.3.22 大阪地裁判決 平四(ワ)11039号
「被害車(軽四輪貨物自動車)が時速80キロメートルで片側二車線の国道25号線左車線上を東方に向かって進行中、ガードレールに 左前部を衝突させ、そのはずみで道路上左側地点で運転席を下にして横転したところ、後追いしていた加害車(普通貨物自動車)が 制限速度を20キロメートル超えた速度で追突をさけようとして左側車線に変更の直後、被害車と衝突した事故について、加害車運転者 に民法709条の過失を認め、加害車保有者につき自動車賠償保障法3条但書に基づく免責の主張を認めなかった事例」
「韓国より観光目的で来日し短期滞在中の建物作業員(男、35歳)の死亡による逸失利益として67歳までの32年間、韓国における 全産業平均賃金を基礎として生活費30パーセントを控除後新ホフマン係数により算定した事例」
「韓国より観光目的で来日し短期滞在中の建物作業員(男、35歳)の死亡による慰謝料として1000万円を認めた事例」
「外国人の葬儀費用として50万円を認めた事例」

<交通事故民事裁判例集27巻2号p402>

 

平成5.12.14 秋田地裁大曲支部判決 平四(タ)5号
「中国人女性から日本人男性に対して請求した離婚慰謝料について、同女が離婚当時中国で生活していたことを考慮して算定された 事例」

<判例時報1532号p116>

 

平成5.11.25 東京地裁判決 平二(ワ)1809号

「研修目的とだまして来日させたスリランカ女性を強制的に日本人男性と結婚させ、さらに同人に偽造の離婚届を 交付した国際結婚斡旋業者に慰謝料1200万円の支払いを命じた事例」

<判例時報1480号p136>

 

平成5.9.10 東京地裁判決 平二(ワ)14786号
「幹線道路上の信号機による交通整理の行われている交差点直近を信号表示に従わずに横断中、自動車と衝突して死亡した歩行者に 60パーセントの過失相殺を認めた事例」
「大学院留学目的で来日中に事故により死亡した大韓民国の男性(36歳)の逸失利益につき、日本の賃金センサスを基礎とする請求を 認めず大韓民国労働部発行の職種別賃金実態調査報告書による平均賃金を基礎にして算定した事例」
「大学院留学目的で来日中の大韓民国の男性(36歳)の死亡による慰謝料として1500万円を認めた事例」

            <交通事故民事裁判例集26巻5号p1176>

平成5.8.31 東京地裁判決 平二(ワ)4522号
「プレス機操作中に受傷し左手首を切断したガーナ人女性(短期滞在資格で来日)の逸失利益につき、症状固定時から3年間は日本 での実収入を基礎に、その後67才まではガーナの同業種の平均賃金を基礎として算定した事例」
「慰謝料を500万円とした事例」

<判例時報1479号p146>

 

平成5.8.31 東京高裁判決 平四(ネ)3723号
「短期在留資格で来日し、在留期間経過後製本作業に従事して事故に遭ったパキスタン人の後遺症による逸失利益を3年間は日本国内 における収入を、その後は本国における収入を前提に計算した事例」

                  <判例タイムズ844号p208>

 

平成5.7.28 神戸地裁判決 平二(ワ)1331号
「被害者(男・37歳・韓国出身の牧師)の休業損害につき、宗教活動によって得られる収入も職業活動によって得られる収入として 確定金額の認められる限り収入と解するのが相当であるとした事例」
「韓国出身の牧師(男、症状固定時39歳)の後遺障害(右側頭葉の低吸収値域障害等 - 障害等級6級該当)による逸失利益について 28年間にわたり、67パーセントの労働能力喪失を認めた事例」
「交通整理の行われている見通しのよい交差点での直進の被害者搭乗の原付自転車と被害者を追い抜こうといした加害車(普通乗用 自動車)との接触事故につき、後方の安全確認を怠った被害者に30パーセントの過失相殺を認めた事例」

<交通事故民事裁判例集26巻4号p943>

 

平成5.7.6 大阪地裁判決 平四(ワ)2857号
「外国人(入管法別表の3『短期滞在』の在留資格、韓国、日雇い労務・男・26歳)の死亡による逸失利益の算定例 -  事故当日から3年間については日本国内で得ていた収入月額を基礎とし、その後の67歳までの38年間は韓国における男子建設労働者の 月額平均賃金を基礎として算定した事例」
「右被害者につき死亡による慰謝料1200万円を認めた事例」

             <交通事故民事裁判例集26巻4号p882>

 

平成5.5.25 名古屋高裁判決 平四(ネ)882号
「会社員(女、症状固定時44歳)の後遺障害(左膝関節運動機能障害等 - 障害等級11級該当)による逸失利益につき、賃金 センサス同年齢女子労働者の平均賃金を基礎に、労働能力喪失20パーセントを認め、67歳に至るまでの23年間にわたり就労が可能 であるとし、新ホフマン法式により中間利息を控除して算定した事例」
「当初は夫の看病のため『親族訪問』の短期在留資格で中国から入国し、その後在留資格が『技師』に変更されたため就労を開始し、 在留期間の更新を続け、二人の子供を含む家族全員で生活し、帰国の意思を有しない被害者について、近い将来帰国することもあり 得るから日本における平均賃金を基礎とした長期にわたる将来の逸失利益を算定するのは相当ではないとの主張に対し、将来の逸失 利益算定に於ける蓋然性の認定は必ずしも他の可能性の存在を否定するものではなく、今後も在留期間も更新を継続して本邦内で 稼動する見通しが強いと認められるとして、これを排斥した事例」
「自賠責保険調査事務所の査定要綱及び実施要領に定められた査定基準は直接に法律上の根拠を有するものではなく、自動車損害 賠償保障法の明文で認められた被害者の保険者に対する直接請求権を法的に拘束するものではないとして査定基準を超える額の支払 義務を認めた事例」

             <交通事故民事裁判例集26巻3号p689>

 

平成5.4.16 大阪地裁判決 平三(ワ)10313
「日本での企業研修中に交通事故で死亡した被害者(インド国籍)の遺族から、既に支給された保険金では不足であるとして、 自賠責保険会社に対し自動車損害賠償保障法16条により差額の支払いを請求した事案につき、自賠責保険損害査定要綱は標準的事案 についての保険会社内部における損害額算定の目安であり、保険会社に対して事実上の拘束力を持つが、被害者・加害者間における 民事責任の範囲を決定する私法上の拘束力を持つものでないとして、査定要綱が自賠責保険契約の内容となっているとの原告の主張 を認めなかった事例」
「インド国籍で今後ともインド国内を就労、生活の本拠とする者(男、52歳)が日本国内で交通事故にあった場合の死亡による逸失 利益を算定例 - 査定要綱により逸失利益を算定するのは日本で現に就労し、あるいは就労可能な被害者を前提にしていること、 被害者についてはインドにおける現実収入あるいは平均賃金によって算定すべきことになるが、被害者の逸失利益が原告主張額となる ことについての証拠がないことから、18歳男子の平均賃金を基礎に生活費控除率を50パーセントとして算定したことは不合理ではない と認めた事例」

               <交通事故民事裁判例集26巻p495>

 

平成5.1.28 東京地裁判決 平元(ワ)10931号
「日本に研修滞在中交通事故に遭い死亡した獣医師資格を有する外国人について、死亡による逸失利益及び慰謝料が算定された事例」

                    <判例時報1457号p115>

 

平成4.12.16 名古屋地裁判決 平三(ワ)1012号
「『親族訪問』の短期滞在資格により来日して交通事故に遭い、のちに在留資格を『技師』に変更されたため就労を開始し、在留の 更新を続け、家族全員で日本で生活している中国人女性(症状固定時44才)について、休業損害を否定し、日本の女子平均賃金による 20年間の逸失利益を認容した事例」

            <交通事故民事裁判例集25巻6号p1446>

平成4.11.25 東京地裁八王子支部判決 平三(ワ)1283号
「短期在留資格で来日し、労災事故で受傷したイラン人男性の逸失利益を症状固定時から2年間は日本での実収入を、その後67才までは イランでの収入を基礎とするが、同国が障害者の就労が困難である事情を考慮し、その期間の障害による減収率を10パーセント高めて 認定した事例」
「労災による慰謝料を500万円とした事例」

                     <判例時報1479p146>

 

平成4.9.24 東京地裁判決 平二(ワ)7987号
「短期在留資格で来日し、在留期間経過後労災事故にあった外国人について休業損害、後遺障害による逸失利益及び慰謝料が算定され た事例」

                    <判例時報1439号p131>

 

平成3.6.25 高松高裁判決 平二(ネ)282号
「観光目的で来日し交通事故により死亡した中国人男性の逸失利益につき、憲法14条の法の下の平等の原則により日本人と同一の方式 で算定すべきであるとされた事例」

                    <判例時報1406号p28>

 

平成3.4.26 東京地裁判決 平二(ワ)10249号
「中国籍就学生の週20時間を超える就労につきこれによる休業損害を認め、慰謝料を算定した事例」

                    <判例時報1409号p84>

 

平成2.9.21 松山地裁今治支部判決
「交通事故で死亡した観光目的で来日中の中国人男性の逸失利益を中国で得ていた実収入を基礎に算定すべきであるとし、慰謝料に ついても中国での貨幣価値を基に500万円とした事例」

                    <判例時報1406号p31>