衝撃の伐採現場 

写真1 かます谷を臨む尾根沿いの伐採現場
 かますの森は、ブナを中心にミズナラ、ダケカンバなどが急峻な斜面にも力強く根を張り山を守ってきた。林床の落ち葉の層を通り抜けると水は清められ、森全体が長良川の清流を生む緑の水瓶であった。
 開発側である高鷲村は、”伐採する森のほとんどは二次林で、価値はそれほど高くない”と説明しているが、この写真のようにかなり年を経た太いブナの木も無造作に切り倒されている。自然更新した二次林は、やがて原生林と同様の森に育っていく将来有望な若者達である。高鷲村は目先の利益にとらわれ、未来を担う若者達を育てていく気持ちを忘れてしまったのだろうか。

写真2 中村谷上流部のスキーコース建設現場
 谷沿いの森が広範囲に切られ、工事用の車両で踏み荒らされた開発現場では、土地の保水力が失われて既に表土の流出が始まっている。
 このように水の流れる場所をそのままスキーコースにすることは不可能で、通常のスキー場開発では、ヒューム管等をコースに埋め込んで水を集め、渓谷を暗渠に変えてしまう。高鷲村の5つのスキー場と2つのゴルフ場を始め、既に多くの開発地を抱えている長良川の他の源流部では、暗渠や3面張りの谷から水の源を発しているところが少なくない。
 高鷲村は、”かます地区の開発に際し、環境保全に最大限の努力をしていく”と明言しているが、この開発現場を見る限り、通常のスキー場開発と何ら変わりのない大規模な自然破壊そのものである。

写真3 長良川に続く谷に流れこむ大量の土砂
 この土砂は、放っておけば長良川を濁らせ、清流にしか生きられないたくさんの貴重な生き物たちを追いつめていくことは間違いない。さらには、土石流などの災害を招くことにもなりかねない。
 それを防ぐために幾つもの砂防ダムが造られることになるが、砂防ダムによってさらに水質は悪化し、魚達の行き来は大きく妨げられる。
 長い間平衡を保ってきた豊かな自然に一度手をかければ、二度と後戻りすることのできない悪循環にはまり込んでいくことは避けられない。

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