長良川源流クラブ通信

第1号 '97.10.29発行
発刊にあたって  10月21日、かます谷のスキー場に関する公開質問状を高鷲村役場に提出した日は汗ばむほどの陽気でした。その午後訪れたかます谷の長良川源流の碑付近は、ミズナラの紅葉で周りの空気まで色づいているかのようでした。
 そして今日25日時雨模様の空の下、再び訪れると、ミズナラはかなり葉を落としており、傘をさし寒さに震えながら拾ったブナの落葉はこの前よりもずっと茶色味を帯びていました。その葉はどこか冷静でまた一方では滋味のある奥深さをたたえて・・・まるで私たちの営みを警告しつつ、同時に恵みを与えてくれるように思えてなりません。
 長良川源流クラブの設立の目的は、先ずかます谷の環境を守っていくこと、そして木や水を守ることが大切なんだと思う人々の気持ちを守り応援することであると私は考えています。
 そのための力を、かます谷をはじめとする長良川の自然がわたしたちに与えてくれているということをブナやカエデやミズナラのもみじ葉が教えてくれました。

10月25日 長良川源流クラブ
代表 松井陽介

経過報告 この通信を発刊するまでの経過を説明します。
7月下旬私(松井)が長良川源流であるかます谷の開発計画についてある程度詳しい情報をはじめて得る。
8月下旬かます谷について考える会の設立を検討しはじめる。
9月上旬長良川源流クラブ設立を決定。
9月中旬仲間数人とともにかます谷を見渡すことができる場所へ視察に行く。
9月30日長良川源流クラブ設立趣意書を作成。
10月上旬設立趣意書を発送。会員の募集開始。
10月15日高鷲村役場へスキー場計画についての質問に行く。この時の役場側の説明の中で、重機の導入や伐採開始などの工事の着工を10月末に行いたいとの予定を聞き、開発反対の立場としては早急な運動の展開が必要と判断した。
10月21日高鷲村村長宛に公開質問状を提出。直後に記者会見を行う。質問状提出の様子は夕方のNHKニュースで放映される。
10月22日
   23日
岐阜・読売・朝日・毎日・中日の各新聞にスキー場開発計画の概要と私たちの行動が掲載される。
10月25日長良川源流クラブ通信第1回編集会議。
大日岳の今  10月26日〜27日にかけての冷え込みは、大日岳を含む白山連峰を白く薄化粧させました。それは紅葉の季節の終わりをつげるものであったが、かます谷の広葉樹林帯伐採の開始を早める悪夢を告げるものとならないかという恐れと、伐採が来春に延びるのではないかという期待とを我々メンバーに抱かせました。しかしながら現時点では公開質問状を提出した事が、今月末の伐採開始を止めてくれると信じるのみです。
会員の皆さんへ  会の発足から1ヶ月足らずのうちに、地元のメンバーによって公開質問状の作成と提出を行い、さっそく会員となって下さった皆さんにも事後報告となりました。開発の着工直前という状況下で、問題点を少しでも多くの人に知ってもらうための方法として、ご理解をお願いします。
 こうした運動と同時に、私たちが森や水の大切さ・すばらしさについて学んでいくことも会の大事な目的です。皆さんの様々な意見や希望・アイデアをお寄せ下さい。
編集後記 さっそく会員になっていただいた皆さま、ありがとうございます。岐阜県外から多数の入会がありました。今後、長良川源流クラブの活動がますます盛んになっていくだろうと心強く思います。
 通信第1号がやっとできました。これにより、会員となった皆さまと活動を始めた中心メンバーとの連絡が密となったり、会員相互の意見交換ができたらいいと思います。従って、会員の皆さまからお便り・イラストを募集します。活動に対するご意見・辛口・甘口なご批判、また楽しいものをドシドシお寄せ下さい。会員の皆さまがたくさん参加できる通信にしていきたいと思います。
 今月末を公開質問状の回答の期限としました。高鷲村役場側は、新聞社の取材に対して11月中旬までに回答するといっているようです。
 通信の第2号は回答の全文を掲載すると共に、今後の活動の方向がお知らせできるのではないかと思います。
 郵便振替口座の開設手続き中です。口座番号は次号でお知らせします。

戻る


第2号 '97.11.25発行
初秋の森  今日(11月17日)は、本当に久しぶりのまとまった雨になりました。水かさがすっかり減ってしまった長良川の流域に降る雨。かわいたブナやミズナラの裸の幹が冷たい雨に濡れていきます。積もった落ち葉の中に水がしみこんでいく様子を思い描いてみましょう・・・
 かます谷という具体的な場所に関わりを持ったことで私は、紅葉が終わって一見さびしそうな森の中にもさまざまな豊かさと魅力があることに気づきました。さらにそれは想像力を呼び覚まして、どんどん広がっていきそうです。「くめどもつきぬ」豊かさをもっと探りたい。
経過報告 公開質問状提出以後の経過をお知らせします。
10月28日高鷲村役場から質問状の回答延期と、源流クラブの名簿の提出要請の通知がある。
11月 2日スキー場へのアクセス道路の工事が進行中であるとの情報を得て、現地を視察する。
11月 5日質問状の回答期限を11月10日にすること、プライバシー保護のためクラブ名簿は提出しないこと、アクセス道路の工事続行に対する抗議を書簡で高鷲村に提出。
11月11日アクセス道路の工事続行への抗議の意志を岐阜県の5つの関係課に送付。
11月13日高鷲村村長から質問状の回答が到着。また、午後3時から村長が、今回のスキー場計画の概要について記者会見を行う。(これについて中日・朝日・岐阜の各紙とNHKの地方ニュースが取り上げた。)
編集後記  10月21日付けの公開質問状に対して、11月12日付けで村から回答がありました。伐採が始まるという10月末の回答期限に対して遅れること12日。アクセス道路建設のための樹木の伐採は始まっています。村側の対応は、工事を進めることを優先し、既成事実を積み重ねることによって、開発に意義を唱える者の口を封じようとするのが狙いです。
 白鳥町の白鳥地区の水道は長良川本流二日町地区から取水しています。白鳥町在住の私にとって長良川の水は命の水なのです。「説明会を行う予定はありません」という回答は、私たち流域住民や長良川を共有の財産と考える者をも無視する形となっています。
 スキー場開発予定地かます谷は、かつて白山国立公園でした。1962年に国定公園から昇格したのです。しかしながら、昇格からわずか数年後の1965年頃には指定解除になりました。当時の大日岳スキー場開発に絡んで、高鷲村から国立公園指定解除の要請があったという話を聞きました。
 豊かな自然を食い物にする開発の繰り返しをしてきた高鷲村。スキー場でしか村の雇用対策を考えられない高鷲村。夢のない高鷲村・・・。

戻る