


そしてとうとうクリスマスの晩。クリスマスツリーが飾られ、子どもたちは喜びました。けれどもかわいそうな蜘蛛たちは、素敵なツリーも見られないし、 イエス様がやってくるのを見ることもできないので、大あわて。そこでいちばん歳とった頭の良い蜘蛛が言いました。「ドアの隙間からのぞけば、たぶん わたしらにも見えるだろう」。蜘蛛たちはそうっと物置を這い出すと、廊下を つたってドアの敷居のところまで行って待ちました。
突然ドアが開き、蜘蛛たちは急いで部屋の中に入り込みました。ツリーはとても大きくていちばん上の飾りは蜘蛛たちには見えないほどでした。じっさい、 蜘蛛たちの目はとても小さくて、一度にひとつの飾りを見るのがやっとなの でした。蜘蛛たちはちょこまかと木の幹を登り、枝々に分かれていっては、 キラキラの美しい飾り物を見てうっとりしました。そのたびに、蜘蛛たちは くすんだ灰色の糸をひいて通っていきます。蜘蛛たちがクリスマスツリー全体を 見終わったときには、ツリーはすっかり蜘蛛の巣におおわれてしまったのです。
イエス様は、蜘蛛がツリーを見てうれしくしているのをご覧になり、微笑みました。けれども、女の人が蜘蛛の巣だらけのツリーを見て、さぞかし心を痛めるだろうと考え、手を伸ばして網に触れ、祝福なさいました。すると蜘蛛の網は、輝く金銀の糸に変わりました。蜘蛛の飾ったクリスマスツリーは、前よりもいっそう美しく 輝いたのでした。
こうして、クリスマス・ツリーの飾りにかならず蜘蛛を忘れないという習慣が、 うまれたんです。


