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あっと驚くクモの事実あれこれ(2)



・「益」虫・クモ利用の極致: 中国の蜘蛛農法
・クモの惑星 --- 蜘から蛛まで...クモの多様な生態
・「ヘン」な形の蜘蛛
・真のクモと偽のクモ
・クモと親戚は誰? 昆虫、カニ、三葉虫、ムカデ? --- 分類上の地位
・1メートルの巨大古代蜘蛛を見た?!--- クモの化石
・クモは一匹狼か? --- 社会性クモ
・アリとクモ --- ムシに見る奴隷制と民主主義
・クモの和名にみる日本むかし話(お姫様と鬼と戦争と植民地)
・最大のタランチュラは何か? --- 果てしなき論争
・セアカゴケグモに噛まれたら・・・ --- 毒虫との共生のススメ
・クモの糸 --- 自然界最強のファイバー
・参考文献
・クモ一般のサイト(Links)

・真のクモと偽のクモ

タランチュラ、円網やシート網をはるクモ、ハエトリグモなどの、いわゆる 「クモ」は、真正クモ目(Araneae)に分類される。近縁の他の蟲たちに、ダニ、 サソリ、ザトウムシ(英語では「Daddy-long-legs: 足長おじさん」で知られる) などが良く知られているが、さらにマイナーな「クモっぽい」連中もおり、全体 で11個の目(order)に属する蟲たちをもって、「クモ形綱」(Class Arachnida)を 構成する。クモ形類の特徴は、4対の歩脚と1対の触肢、そして複数の節からなる 鋏角(顎と牙)である(ちなみに昆虫やエビカニでは大顎は一節からなる)。 クモ形綱の諸説ある 系統樹の一説(Schultz 1990による)をしめせば、以下のようになる。(他の説はこちら)


<クモ形綱>             |===========            |==|            | | |========            | |==|            |   | |=====            |   |==|          |==|    | |==          | |    |==|          | |      |==          | | =====Arachnida ===| | |===========    クモ形綱  | |==|          |   |===========          |          | |==============          |==|            | |===========            |==|             | |========             |==|               |========

Palpigradi (コヨリムシ目)------------- Araneae (真正クモ目)------------------ Amblypygi (オナシサソリモドキ -------- /カニムシモドキ目) Thelyphonida/Uropygi (サソリモドキ目)- Schizomida (ヤイトムシ目)------------- Ricinulei (クツコムシ目)------------- Acari (ダニ目)----------------------- Opiliones (メクラグモ/ザトウムシ目)---- Scorpionida (サソリ目)--------------- Pseudoscorpiones (カニムシ目)--------- Solifugae (ヒヨケムシ目)-------------

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・クモと親戚は誰? 昆虫、カニ、三葉虫、ムカデ? --- 分類上の地位

クモはよく昆虫と比べられる。小学校の教科書でも、両者の違いを指摘すると いう図解が必ず載っていたのを覚えているだろう。しかし、実際昆虫とクモは どれほど近縁なのか。節のある脚のウジャウジャとある連中(節足動物門)の間の 遠近関係はどうなっているのか?(ちなみに、節足動物は地球上の動物として 最も繁栄した王者である。)

系統分類上の近縁関係の一説を示すと次のようになる。
<節足動物門>

           |====================== Hexapoda (六脚類--昆虫綱を含む)
           |
           |      |========== Pauropoda
           |      |
        |=====|      |========== Millipedes (ヤスデ類)
        |   |=Myriapoda=|
        |    多足綱  |========== Centipedes (ムカデ類)
 |==触角類====|         |
 |      |         |========== Symphyla
 |      |
 |      |============================ Crustacea (甲殻類--エビ・カニ・ミジンコなど)
 |
 |                  |===== Arachnida (クモ形綱--クモ、サソリ等)
 |                  |
 |         |==Merostomata===|===== Eurypterida (ウミサソリ類--化石)
 |         |        |
 | |===鋏角類======|        |===== Xiphosura (Horseshoe Crabs カブトガニ類)
 | |Cheliceramorpha|
 | |        |====================== Pycnogonida (ウミグモ綱)
 | | 
==|==|====================================== Trilobites (三葉虫--化石)

こうしてみると、系統進化上の遠近関係から見れば、クモ形類にもっとも近い 現存する兄弟分(姉妹分)は、カブトガニ。ついでいとこのウミグモ、またいとこ(?)の 絶滅した三葉虫。昆虫類やえび・かにの仲間である甲殻類は、うんと昔に枝わ かれした触角のある遠縁の親戚にすぎない(クモたちは「鋏角」chelicera と よばれるアゴをもつ)。「昆虫とクモ」の距離ということで言えば、昆虫はむし ろムカデやエビ・カニとより近縁で、クモとつなぐには三葉虫までさかのぼるということになる。


しかし、これらの進化の枝を相互につなぐ化石はあまり発見されていない。 クモが何者から進化したのか(三葉虫の原型といまのクモの中間型)は、いまだ 謎につつまれている。そこで、ひとつ、驚きの化石生物を見てもらいましょう。


Palaeocharinus
Rhynie地層から出現のTrigonotarbi目の一種の復元模型(Jason Dunlop)

後記2003:
節足動物内の類縁関係については、こちらの新記事も参照


・1メートルの巨大古代蜘蛛を見た?!--- 蜘蛛の化石

1993年10月のことです。ジュネーヴ自然史博物館で中世代石炭紀上期の生物を 展示したコーナーに、木の幹に張り付いた巨大なクモの復元模型がおりました。 体長60センチ(60ミリじゃなく)はあったと思います。その名を、Megarachne といい、「古代の巨大クモ」との説明書きがありました。

それ以来、この巨大クモのことが頭を離れず、Arachnology メーリングリスト でも尋ねてみたところ、Hunicken 1980 が Megrachne の初記載であるが、そこに 記されている特徴は必ずしも真正クモ目と特定できるものとは限らず、クツコムシ目 (Ricinulei)かも知れないといいます(William Shaer)。Jason Dunlop博士の意見では、 Ricinuleiよりはクモに近いのではないかといいます。南アフリカの Jonathan Leeming が Dunlop と一緒に英国マンチェスター大学でみたという化石 レプリカ(もともとはアルゼンチンから)は、20cmの背甲と腹部(脚は欠く)であり、 クモに良く似ていたということです。

前項の写真の怪物(?)も、その後ウェブサイトで見つけた Dunlop の復元模型 ですが、もしこれが60センチもあって、陸をのしのし歩き回ってたら怖いですねえ。 Dunlop博士は「かつて、地球上で今のクモ類よりも栄えたかもしれない<恐竜グモ>」 と表現していたので、メールで尋ねてみたところ、「4mm」とのこと。なーんだ。怖い 顔して、おちびちゃんか。クモ形綱中の謎の一群、石炭紀上期にのみ化石が残る Trigonotarbi目 が分類上どこに位置するのかは、まだ資料が少なくはっきり していません。先のMegarachneも、若しかしたら全く新しい目かも知れない、と言 っています。

Trigonotabia とその仲間

Pleophrynus 化石

Orthotarbus 化石




驚くべき事実(3)に続く


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