はじめに

 

1. 我が国の脳卒中医療は、ここ数十年あまり変わっていません。脳血管障害は我が国死亡原因の第2位であり、死亡しなくても寝たきりになる最も大きな原因は脳血管障害です。その中で最も頻度が多いのが脳梗塞・脳血栓などの虚血性脳血管障害であり、日本人が脳梗塞が原因で死亡する10万人あたりの死亡数は、心筋梗塞と虚血性心疾患の合計よりも多いのです。にもかかわらず、厚生省による積極的な取り組みが未だに行われないのです。加熱製剤の使用が遅れたAIDS問題の二の舞になってはならないのです。医療行政を動かすには、一般市民の強い要望・圧力が必要なのです。社会啓蒙を目的とし、マスコミを通じたキャンペーンが可能なら是非お願いしたい!厚生省や市町村庁を、純粋に医者の意見だけで動かすことは極めて困難です。

2. 手足が麻痺したらすぐ、1〜2時間以内に専門病院に駆けつけなければいけません!麻痺の原因が脳梗塞の時、最新治療が有効なのは発症数時間以内です。翌日まで麻痺を我慢していては、ある程度の後遺症が残ることは覚悟しなければなりません。手足が痛くなくても専門病院に行って下さい。正しい知識を持って、自分の身は自分で守ってください。

3.いざという時、最新の治療を受けるか受けないかを決めるのは「あなた」なのです。「点滴治療だけで結構」と、選ぶのも「あなた」なのです。ただし、自己責任を持って選んで下さい。結果が気に入らなくても他人のせいにしてはいけません。

 

4. マスコミで、ほとんど取り上げられない、厚生省が目指すDRG/PPS(病名が決まると自動的に診療報酬が決まっていまいます)のシステムを知ってますか?医療費抑制の手段です。

健康保険法では、入院費用の全てを健康保険で扱うか扱わないかの二者択一しか、患者に選べないのです。保険を使うことを選べば、それ以上の治療を希望しても、患者は受けられないのですよ。もし、保険が効かない治療を希望するなら、入院にかかった費用の全てが実費になります。「混合診療」は認めない、のが厚生省の方針だそうです。医療費抑制を狙うDRG/PPS(病名で病院が受け取るお金が決まってしまう)が導入されると、それだけでは患者が治療を選ぶ権利が今以上に抑制されるのは明らかです。市民は、健康保険行政にも目を配らなければ、大変なことになります。

5.「混合診療」を、どうして認めないのか?希望した治療を受けて、保険が効かない部分は実費で支払い、残りは健康保険でまかなってもらう、という制度を選択できる権利を与えて欲しい。健康保険だけで全てやると、知らない間にとんでもない安上がりの治療しかしてもらえていなかった、なんてことになりかねます。「混合診療」は、最後の身を守る術だと思うのですが、今は認められていません。これからも、認められそうではありません。理由はわかりません。厚生省に皆で尋ねましょう。

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