首都ヴァレッタ(VALLETTA)

   ようやくマルタ島が見えてきた。ローマ一泊を経た長旅だった。眼下にせまりつつあるその白く乾いた島は、海の青の中にくっきりと旅人たちを待っていた。

   空港も、空港ビルもこじんまりとしている。バスに乗るのが億劫だったため、タクシーで街へと向かうことにした。

   ヴァレッタの街ではまず最初にホテル探しだ。昼間だったのでガイドブックに掲載されている安宿をあたることにした。空き部屋の有無を尋ねると、日本円に換算して一泊3千円くらい(実はあまり覚えていない)の部屋があるというので早速見せてもらう。

  通りに面したその部屋は薄暗くて、おひよさんはまるでお化け屋敷のようだと言った。隅っこに小さなバスタブがそのまま置いてある薄汚れた部屋を私はすっかり気にいってしまった、とまではいかないものの泊まってみたくなってしまった。

   不安そうなおひよさんを言いくるめ、私たちはそのホテルに落ち着くことに決めた。

(後、バスタブのシャワーからは予想通り、お湯がちょろちょろとしか出ないので修理を頼んだ。修理後も変わらなかったので私は根性で髪を洗ったりした。おひよさんはシャワーを浴びようともしなかった^◇^v。)
宿泊したホテルのレストランのバルコニー。 宿泊したホテルのレストランから眺められるヴァレッタの港


   荷物を解くと、いよいよ街の探検だ。私たちは目的もなしに、海沿いを来た時と反対の方向に向かって歩いた。空は快晴。10月なのに汗ばむほどの陽気だ。

   記念公園や鐘楼などに寄り道しながらぐるりと回り込むと、突然馬車の勧誘に出くわした。料金を尋ねるとそれほど高くもなかったので、せっかくだからと島の周遊をする。「ここが戦争博物館だよ。」ものすごいなまりのある英語で説明してくれる御者の案内に揺られながら、私たちはマルタの空気を思う存分吸い込んだ。

   街の中心地が馬車の終点だった。大通りを東へのびる路地たちは、なだらかな下り坂で海へと続いて行く。私たちは軽い足取りでカフェや教会、土産物屋などを探索し、薄暗くなる頃、ホテルへの帰路についた。

 
街角でガイドブックを片手におひよさん。 ヴァレッタの街並


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