史上最高の凱旋門賞馬の末路
シーバード −Sea Bird

      牡・栗毛・フランス (1962 - 1973)
父: Dan Cupid
母:
Sicalad
 競走成績:8戦7勝
主な勝ち鞍:
 凱旋門賞(GI)
 英ダービ(GI)
 サンクルー大賞典(GI) 
 リュパン賞

 全紙絶賛!! 欧州最強にして世界最強の名声あり
 
   歴代の凱旋門賞馬の中でも最も高い評価が与えられていて、今も欧州最強にして世界最強
   ともいわれる、まさに名馬中の名馬がこのシーバード(Sea Bird)である。
   英国が選出した今世紀仏伊ベスト100、アメリカレーシング・ポスト紙選出ベスト10、その他
  数多くの有力雑誌にて今世紀最高の馬として栄誉が送られている。



    Dan Cupidは15戦5勝の二流のスプリンターで、母Sicaladも2戦して未勝利の馬である。
   この母は、まだSea‐Birdが現役時代の頃に食肉工場に売り飛ばされ死亡している。
   先祖も比較的地味な血統であった為、デビュー前から評判になる程はなかった。

   しかし3歳のデビュー戦を出遅れながら勝利して続く2戦目をなんと、後の仏オークス馬になった Blabla を
   差し切って予想を裏切る素質の片鱗を見せる

   3戦目の3歳チャンピオンレース、グラン・クリテリウムでは生涯唯一の敗戦となる2着に負けた。
   が、これは同じ厩舎の Gray Dawn に勝たせるためとも、騎手のあまりにも遅い仕掛けの不手際が原因とさ
   れていて、 Sea Bird 自身は
後方一気に11頭も抜き去っている。

   4歳になると緒戦のロンシャンでのグレヒュール賞を楽勝すると、
   続くリュパン賞では仏2000ギニー馬 Cambremont 、後のワシントンDCインターナショナルに勝利するDiato
   meなど強豪が出走してきたが、全くの馬なりで問題とせず差は開く一方で6馬身差で快勝した。
   
   この底知れぬ強さは欧州全体に知れわたり始めていた。

   英ダービーでは圧倒的1番人気に支持されて、2000ギニー馬の Niksa、後の愛ダービー馬で
   キングジョージVI&クインエリザベスSに勝利した
Meadow Courtを相手にせず、
   なんと直線で馬を抑えて楽勝したのである。
   英ダービーで最後の直線をキャンターで勝った馬の実力は絶賛され、
   この時点で既に歴史的名
馬の称号を得ることになる。

   初の古馬対決となったサンクルー大賞もまったくの大楽勝で、早くも引退レースとして秋の凱旋門賞
   を選んだ。
   この年の凱旋門賞は稀に見るハイレベルで、出馬メンバーは凱旋門史上最高クラスとも言えた。
   各国のダービー馬だけでも仏ダービー馬 、ロシアダービー馬 、後の愛ダービー馬、さらにミラノ大
   賞馬 、プリークネスS馬 、ワシントンDC.I 勝ち馬、 等の超一流馬のなか圧倒的1番人気に支持された。
   そして伝説ともなっている走りを披露するのだ。。

   レースが始まるとシーバードは中団につけていたが、直線に向くと対抗の Reliance が一瞬先頭に立ち、
   各国の蒙者達が熾烈な接線を演じるのだが、一頭だけ馬なりのままあっと言う間に突き抜け、6馬身差
   をつけ圧勝した。
   それがシーバードだった。

   この史上最高レベルの凱旋門賞さえも流して勝ったことで名実と共に史上最高の凱旋門賞馬の栄誉が
   あたえられたのだ。



   シーバード は引退後、アメリカで種牡馬生活を送るのだが、周囲の期待に反し活躍馬は出現しなかった。
    生涯でわずか3頭の活躍馬を出すにとどまった。 
   世間の期待に反して20世紀最強馬となった名馬は、種馬として20世紀最高の期待はずれを演じてしまった。
   だが、1頭だけGIを勝ちまくった歴史に名を刻む偉大な牝馬 Allez France (GI を8勝)をこの世に送り出し
   たことは幸いであった。
   しかし。。。。


   このあとシーバードは、突如行方をくらます。
   調査によりシーバード は、近くの食肉工場の台帳に馬1頭として名を連ねていたことがわかった。

   食肉業者に売り渡されたのだ。
   母と同じように。。。
   
   
   地味な血統で、生まれた時から期待されていなかったシーバード。
   ほんの一瞬の華やかさの後、母と同じ運命をたどるシーバード。
   欧州競馬史上最高の名馬も、結局は単なる経済動物でしかなかったのだろうか?
   華やかに見える競馬の舞台に隠れた現実問題を考えさせられた。

   
                
                             珍しい種牡馬時代の写真


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