山サイスキー再び

尾瀬白尾山東尾根(ぺこちゃん尾根)




どこか名残惜しい季節でもある



 午前8時出発としたのには訳がある。
 運が良いと小屋開け準備の軽トラに自転車ごと載せてもらえるからだ。
 早く来ないかなと思いながらすっかり雪の消えた道を行く。
 小津奈木へと違ってこちらは登りらしい登りなど無いのでずっと楽だ。
 いやぁー、しかしすっかり春なんですね。
 道端にはフキノトウ、なんだかトリも盛んにさえずっている。
 それだけに「ぺこちゃん尾根」への取り付きが心配だ。
 なぜなら数年前の6月、ここをスキーを下に放り投げながら、
 ササに掴まって降りてきたことがあるからだ。
 まあ、6月になってまでもスキーをする方もする方なのだが。
 軽トラに追い抜かれたのは大清水のすぐ手前だった。

 大清水から一ノ瀬までも除雪完了。
 道路脇の雪壁は例年になく低い。
 柳沢を過ぎると取り付きだ。
 ヤナギサワ?
 そうか、以後「小よし沢」と呼ぶことにしよう。
 「ただの語呂合わせでしょう。」と誰かの笑い声が聞こえた気がした。
 ミズナラの大木の陰に自転車をデポしてブナ林の急登。
 あちこちでぱっくりと雪が割れ、ササが顔を出していた。
 これでは、来週はもうダメだな。


尾根の取り付きは大きなミズナラが目印

急な尾根を登ると広い尾根上台地



 尾根に登り着くと、名前は判らぬがこれまた赤肌の巨木がある。
 すぐに広い尾根上台地。
 きっとここで100人が100人ともムフフッと笑うだろう。
 そんな素敵な所なんですよ。
 誰かに聞かせるともなくつぶやいてみたりする。
 これが新緑と重なったりでもしたら涙がチョチョ切れんばかりだ。
 しかしこれは先ほどの6月の話で、その後は「スキー放り投げ・
 ササ滑り急下降」の、別の涙がチョチョ切れた。

 ブナが終わりシラビソが現れ出すと、以前着けたテープが数mも
 頭上でひらひらしていた。
 最後にほんの少しの急登で山頂だ。




尾瀬の隅々まで見渡せる山頂

 山頂には先行者のトレイルがあった。
 富士見峠からやって来て皿伏山方面に向かっていた。
 少しショック。
 イヌのようにそのトレイルの倍もあたりを歩き回り、
 自分のシルシを着けた。

 笠ヶ岳、至仏山、尾瀬ヶ原、平ヶ岳、燧ヶ岳、尾瀬沼と、
 ここは尾瀬屈指の展望なのだ。
 至仏山のムジナ沢は上部で雪が途切れている。
 うーん、今年は本当に雪が少ない。
         至仏山はこんな様子や!





  雪が腐って滑降と呼べたのは山頂部くらいだった。
 それでもイーのである。
 それよりもビール、ビール。
 シュプールを見上げて飲み干した。
 うめぇー。

 林道は雪融け水でドロドロ、ハネハネ。
 おかげでウルトラマンよりも立派なチャックができた。







山旅