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 質疑応答(ニュージーランド移民法)



ビザとパーミットの違い


Q:ビザとパーミットの違いはどのようなことですか?

A:ビザ:通行許可証 パーミット:滞在許可証 でわかります?


 (シロクマなりの解説)

 今回は初心に帰ってこの問題です。イミグレのホームページでいろいろ調べものをしていても、このビザとパーミットの違いを明確に理解しておかないと、最終的に混乱してきます。基本というか前提です。再度説明を試みます。
 日本語でどう訳すかは、いろいろ考えてみたのですが、上記の「通行許可証」と「滞在許可証」が一番しっくりくるのではないでしょうか? 日本語訳については人それぞれなので、いろいろな言葉が使われていますが、まぁあまり気にせずにいきましょう。
 一般的にビザもパーミットもひっくるめて「ビザ」と表現されている傾向にありますが、イメージとしては一般的に思われているビザの意味がパーミットの意味であることが強いです。

 最初にそれぞれの属性を箇条書き風にしてみますので、確認してみてください。

ビザ(通行許可証)
 ・定義:国境を越えて入国することを一次的に許可する公的証書
 ・発給目的:入国管理事務を円滑に行うため
 ・管轄:外務省、移民省
 ・事務部局:在外公館、移民局事務所

パーミット(滞在許可証)
 ・定義:国内に滞在することを許可する公的証書
 ・発給目的:滞在事由を明確にするため
 ・管轄:移民省、出入国管理局
 ・事務部局:移民局事務所、出入国管理局事務所


 続いて実際の流れの事例をみてみます。日本からニュージーランドの大学に就学するために入国、滞在するという例です。

 
1) 渋谷の在日ニュージーランド大使館へ学生ビザを申請(通行許可証の申請)
 2) 在日ニュージーランド大使館が学生ビザを発給(通行許可証の発給)
 3) 成田空港から出国(日本の出国管理局の出国確認)
 4) オークランド空港入国で入国申請(NZ入国管理局が通行許可証等確認)
 5) 入国許可(入国管理局が滞在許可証を発給)
 6) 入国管理局のゲートを通過しニュージーランドへ入国


というような流れです。ポイントは 4),5)のオークランド空港の入国ゲート、つまり入国管理局で行う事務です。ここですでに発給されているビザによって入国、つまりゲートの通行が許可されます。そして同時に滞在許可証が発給されます。
 気づいていないかもしれませんが、ここでパスポートにデンッとハンコを押されるのを経験したことがあると思いますが、このハンコが滞在許可証です。認識していただきたいのは、ビザは通行許可証ですからこの入管ゲートを通行した時点で役目は終わりという点です。事前に渋谷の大使館で通行許可証の発給を受けるのは、入管ゲートでいちいち審査をしていては合理的ではないので、先に細かい審査を済ませておいて、円滑に滞在許可証を発給できるようにするための下準備なんですね。

 ところで「3ヶ月未満の観光目的はビザなしオーケー」という規定はご存知だと思いますが、これは滞在に対して無許可であるという意味ではありません。つまり事前の審査が不要なのであって、ほんの数分ですが入管ゲートで通行許可証以外の書類をもって審査を受け、問題がなければ3ヶ月未満の滞在許可証としてパスポートにハンコが押されるわけです。
 かなり以前ですが、日本の広域指定暴力団幹部がフランスのドゴール空港入管ゲートで滞在許可証の発給を拒否され、そのままとんぼ返りすることを余儀なくされたことがありました。これは「ビザなし」で航空機に乗ってやって来たけれど、パーミットが発給されなかったケースです。

 すでにニュージーランド国内にいる人がよく「移民局にワークビザを申請する」という表現を使っていますが、たいていの場合は間違っています。なぜなら、すでにニュージーランドに入国してしまっている人にとっては通行許可証が必要なのではなくて、働くための滞在許可証を必要としているのでしょう。ですから正確には「移民局にワークパーミットを申請する」という表現が正解です。まぁ、わかればいいんですけどね。これは「ビザ」という言葉が広く「パーミット」の意味も含んで使われている事例です。
 永住権についても同じです。永住権には

 
1) 永住滞在許可証
 2) 永久通行許可証


の2点がセットになっています。つまりずーっと滞在できる許可証と、いつでも自由に出入管ゲートを出入国できる通行許可証ですね。
 ただ、現行の移民局規則では、初回の発給では永住滞在許可証は発給されますが、通行許可証については2年限のものが発給され、2年後に再審査を経て、両方が揃うように事務手続きを進めています。2年間のパーソナリティを観護し、永住権剥奪に合法性を持たせるための官僚的措置ですね。

 以下はかなり余談なんですが、紀元前に世界の権勢をほしいままにし、不老不死以外の全てをその手中に収めていたと言われる秦の始皇帝が、イタリアの商人マルコ・ポーロ一族にビザを発給し世界を旅させ、その情勢を逐一報告させていました。この始皇帝発給のビザは単に通行許可証としての意味以上に強力な身分保障になったと言われています。
 また、1940年、外務官僚杉原千畝氏は、第二次大戦下のリトアニアにおいてナチスドイツの迫害から守るために、外務省の意に反して、多くのユダヤ系民族に日本への「通過ビザ」を発給し続けました。
 現在の日本人にとってはその意味は理解しにくいことかもしれませんが、例えばイラクや旧ユーゴスラビアなど政情不安定で命の保証のないような国に住む国民にとって、安定した先進国の永住権を得ることは、まさに「命のビザ」なのでしょう。

 シロクマはたまたま今、日本国民としての権利と同時にニュージーランド国永住の権利をも得ていますが、これら歴史的史実を知るとき、外国の永住権という権利の重さを感じ、また自分のたまたまの幸運さに感謝しなければならないと思うのです。


(2005/12/04)



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