ジョージ・マクドナルドの部屋

George MacDonald (1824-1905)



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Arthur Hughes アーサー・ヒューズは、マクドナルドの挿絵を多く描いたラファエル前派の画家

C.S.ルイスとジョージ・マクドナルド
Diary of an Old Soul
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マクドナルド関係推薦図書

ジョージ・マクドナルドについて

 ジョージ・マクドナルドは日本ではあまり知られた作家ではありません。しかし、彼がいなければ、私たちは「不思議の国のアリス」や「ナルニア国物語」を−−そしてもしかすると「指輪物語」を−−手にすることはなかったでしょう。
 ルイス・キャロルに「アリス」の出版を決心させたのはマクドナルド家の娘たちの絶賛だったし、マクドナルド自身がその出版を手伝っています。
 「ナルニア国物語」を書いたC.S.ルイスは、マクドナルドの「ファンタスティス」を読んで決定的な影響を受けています。マクドナルドを尊敬してやまないC.S.ルイスは彼のアンソロジー「燃やしつくす火」を編みましたが、そのまえがき中でこう言っています。「『ファンタスティス』がわたしにしてくれたこと、それはわたしの想像力を回心させたこと、いや、受洗させたことであった」。C.S.ルイスの傾倒ぶりは、あまり知られていない寓話「天国と地獄の離婚」の中で、天国の案内人としてジョージ・マクドナルドその人を登場させていることからも伺えます。
 「指輪物語」を書いたトールキンも、子どもの頃ジョージ・マクドナルドの著書を愛読していました。
 C.S.ルイスはマクドナルドのような作家について言っています。「読者が、それまで一度も感じたためしのない、いえ、感じうるとも思わなかった感覚を呼び覚ます」「そのショックによって私たちは、生涯知らなかった目覚めを経験するのです」(「燃やしつくす火」のまえがき)。
 翻訳者の脇明子さんのことばはより直截的でしょうか。「児童文学の世界にファンタジーとよばれる作品は数多いのですが、マクドナルドのように本当の不思議さを感じさせる作家−−そしてそれ以上に、常識的な道徳を越えた善なるものの輝きを感じさせることのできる作家は、めったには見あたりません。」(「お姫さまとゴブリンの物語」あとがきより)

ジョージ・マクドナルドのオンラインテキスト(English)
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PROJECT GUTENBERG
Johannesen Printing & Publishing
Christian Classics Ethereal Library
Phantastes: A Faerie Romance for Men and Women(Holiday ebooks)

Web上のジョージ・マクドナルド(日本語)
児童文学書評「北風のうしろの国」太平出版社 三宅興子評
児童文学書評「日本児童文学」1978/06より「マクドナルド童話全集」 三宅興子評
激辛映画児童文学評論 「お姫さまとゴブリンの物語」 まるは評
私的 児童文学作家事典〔海外編〕マ行「ジョージ・マクドナルド」鈴木朝子著
St Aubins「英国のファンタジー」Miyaji Toshiko著
フェアリーズPARLOR「ジョージ・マクドナルド」ドリ著

「お姫さまとゴブリンの物語」脇明子訳、アーサー・ヒューズ絵、岩波少年文庫
 幼いアイリーン姫は、館の塔の上で不思議な「おばあさま」に出会います。山の底に住むゴブリンたちに襲われたアイリーン姫は、勇敢な鉱夫の少年カーディーに助けられます。ゴブリンたちの陰謀に気づいたカーディーはゴブリンのすみかを偵察中に捕らえられてしまいましたが、おばあさまの不思議な力とアイリーン姫の勇敢な行動によって助けられます。館の騎士たちと鉱夫たちは、知恵と力を合わせてゴブリンとの決戦を迎えます。
 マクドナルドならではの幻想的なシーンを交えながらも読みごたえのある冒険ファンタジーです。

絶版本を投票で復刊!「お姫さまとゴブリンの物語」は復刊希望者が100名を越え復刊されました。ご協力ありがとうございましたm(_ _)m


「カーディとお姫さまの物語」脇明子訳、竹宮恵子絵、岩波少年文庫
本書は「お姫さまとゴブリンの物語」の続編です。
 病をえた王様は悪臣にかこまれて国政から遠ざけられ、国は荒れる一方。「おばあさま」に助けられた鉱夫の少年カーディーは不思議な動物たちを引き連れて立ち上がります。アイリーン姫と一緒にいろいろな試練を越えて、王様を守り、秩序と平和を回復するまでの物語。
 マクドナルドならではの幻想的なシーンを交えながらも読みごたえのある冒険ファンタジー。

絶版本を投票で復刊!「お姫さまとゴブリンの物語」は復刊希望者が100名を越え復刊されました。ご協力ありがとうございましたm(_ _)m
「お姫さまとゴブリンの物語」と「カーディとお姫さまの物語」の復刊希望理由 :
 子どもたちは「真理」や「正義」ということばを何か「かっこわるい」「くさい」ものだと思っているのではないでしょうか。大人は「それは大事なものだよ」と真剣に言う拠り所を見失っているのではないでしょうか。でもマクドナルドのファンタジーは、この古くて大切なことばを「本当に大切なことば」として伝えてくれました。
 私が自分の子どもたちに向かうとき、どこかでカーディーやアイリーン姫、そしてカーディーの両親のことを思い描いているように思います。この名著が復刊されるためにご協力ください。
「北風のうしろの国」中村妙子訳、アーサー・ヒューズ絵、早川ファンタジー文庫
貧しい御者の子ダイアモンドと「北風」を巡るのマクドナルドの長編ファンタジーです。
 このページで紹介している「お姫さまとゴブリンの物語」「カーディとお姫さまの物語」などは、場所は英国のようですが架空の時代の物語ですし、「黄金の鍵」は妖精の国での物語です。それに対して「北風のうしろの国」は、マクドナルドの同時代の英国が舞台ですので、当時の社会についてのマクドナルドの見方や人の生き死にについての見方が最も良く現れている作品と言えるでしょう。物語の構成などは決して流麗ではありませんが、C.S.ルイスの言う「真実なものが持つゴツゴツした手触り」を感じさせる作品です。
絶版本を投票で復刊!「北風のうしろの国」は復刊希望者が100名を越え復刊されました。ご協力ありがとうございましたm(_ _)m。復刊ドットコムでのこの本のオーナーは末次紀子さんです。
*「黄金の鍵」中村妙子訳、東逸子絵、偕成社
マクドナルドのファンタジー中の白眉が本書です。二人の主人公タングルとモシーが出かけた不思議な旅。そこで出会う不思議の数々。それはまるで音楽のように読む者を包みこみ、ゆさぶります。そして二人は「影のみなもとの国」へとのぼっていくのです。
 マクドナルドを尊敬してやまないC.S.ルイスは、彼のアンソロジーを編みましたが、その序文の中でこう言っています。マクドナルドのような作家は「読者が、それまで一度も感じたためしのない、いえ、感じうるとも思わなかった感覚を呼び覚ます」「そのショックによって私たちは、生涯知らなかった目覚めを経験するのです」。
絶版本を投票で復刊!「黄金の鍵」は現在絶版になっています。復刊ドットコムでは復刊希望者が100名集まると出版社に復刊を働きかけています。この名著が復刊されるために左のバナーをクリックして投票してくださいm(_ _)m。復刊ドットコムでのこの本のオーナーは末次紀子さんです。
おまけ
「林竹二著作集」の復刊にもご協力ください。
復刊ドットコム リクエスト投票「林竹二著作集」

マクドナルド関係推薦図書
邦訳書はこちら

The Gifts of the Christ Child & Other Stories and Fairy Tales
George MacDonald Glenn Edward Sadler ed.   Eerdmans
 ジョージ・マクドナルドのファンタジー小品集はアードマン社から何種類か出ていますが、本書には主だったファンタジー小品がほとんど収められていますので、これ一冊あればだいたい間に合います。挿絵もアーサー・ヒューズを初めとしてマクドナルドの同時代のものが選ばれていますので、視覚的にも裏切られることはありません。モーリス・センダックのこのエディションへの推薦文がついています。

DIARY OF AN OLD SOUL: 366 WRITINGS FOR DEVOTIONAL REFLECTION
George MacDonald   Augsburg
 C.S.ルイスはマクドナルドについて「彼ほどキリストの霊に近くあり、より近くあり続けた作家を他に知らない」と言っています。本書はそのマクドナルドが、神と信仰者の個人的な関係について記した366の短いことばです。日々のデボーションのために用いることができます。

THE HARMONY WITHIN: THE SPIRITUAL VISION OF GEORGE MACDONALD (Rev.ed.)
Rolland Hein   Cornerstone Press
 ジョージ・マクドナルド研究の第一人者が記したマクドナルドの人と作品についての優れた入門書です。巻末にマクドナルドの作品の読書計画やスコットランド語小辞典がついているのは、ほほえましくも大変便利です。


福音讃美歌協会(JEACS)


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