AUTO

 

自動車の生産事情〜1995年まで〜レコレータにあるレストラン「サハラ」の宣伝カー

 

自家用車は1995年くらいまでは輸入が厳しく制限され、国産車を積極的に販売する政策が採られていたので、選ぶことができる車種はせいぜい十数種類だったといいます。

当時人々にとって高級且つ憧れの車は「ルノー21」に尽きる、と言った具合に、1つのクラスに1,2の車種だけで、しかも大変な高値(日本の約2倍)だったため、中古車も貴重な財産、5年以上も経った車でも、新車の値段から余り下がらない、という状態でした。

また、せっかく新車を購入しようとして注文しても、色はグレーしかないよ、しかも受け渡しは6ヶ月後、なんていうこともざらだったようです。

国産車として生産を行っていたのはルノー、プジョーのフランス勢の他、フォルクスワーゲン、フォードなどでした。

かくして非常に効率の悪い国産車ではありましたが、「雇用の確保」の一言を至上命題に守り続けた時代でした。

 

1995年以降〜

 輸入関税などを含めた自動車の価格は、相変わらず日本の50%増(1.5倍の値段)と高いですが、輸入が原則自由化されたため、高いながらも車種を選べるようになりました。また同じ頃、ブラジル、ウルグアイパラグアイを含む4カ国間で「メルコスール」という関税協定も結ばれ、自動車に関して例を挙げると、ブラジルがアルゼンチンに対し1台輸出すれば、アルゼンチンからもブラジルに1台輸出すると言った条件付きの自由化が始まりました。

日本のメーカーではトヨタがブエノスアイレス郊外のサラテという場所に工場を開設して生産を開始したのもこの頃です。また、世界中の工場で作られたホンダ、日産、三菱、ダイハツ、スズキなどの日本車も目にするようになりました。

現在は年間40万台くらい売れるようですが、国産と輸入車の販売数は半々です。収入が月500ドルくらいでも、何家族かが共同で中古車を1台購入し、保有しているケースも多いようです。

 

自動車保険 Seguro

 

  自動車保険の種類としては、大きく分けて「自賠責保険」(ContraTercera)、「自賠責+全損」、「自賠責+分損」の3種類があります。

「自賠責保険」は他人に損害を与えた場合に支払われるものですから、アルゼンチンでも強制加入が義務づけられています。ただし、日本より10倍近くも交通事故が多発するアルゼンチンのことですから、強制保険だけでもたいへん高額で、年間支払額は600〜700ドル程度します。

「全損」というのは、事故で自分の車が壊れて修理に出した場合、修理費が車の値段の80%以上掛かってしまい、買い直した方が良いような場合のみ保険が支払われるものです。「全損」は事故で車が壊れる以外にも、火災や天災、盗難にあった場合なども含まれるのが普通です。保険代は「自賠責」の値段に加え、車の値段の5%程度を追加で支払う必要があります。例えば2万ドルの車なら、年間1000ドル+自賠責600ドルで保険代は年間1600ドルくらいになります。ただ、国産車の場合には優遇があり、この値段よりもずいぶん安くなるという話です。

「分損」は一部壊れた場合にも保険で支払ってくれる保険を言います。日本で自動車保険に加入すると、大抵はこの「分損」を含んだ形になっていると思います。日本の場合には、例えば5万円までは自己負担などと、自己負担限度が決まっていますが、アルゼンチンの場合は、自己負担限度ゼロというのも選択することは可能です。ただし保険料は車種によって異なりますが、年間4000ドル程度とべらぼうに高くなります。企業で契約する以外は、こういうタイプの全てをカバーした保険には入らないのが普通です。

 

交通事故 Accidente

 

 交通事故に遭う確率は、日本の10倍、死亡事故に遭う確率は自動車一台あたり日本の8倍だといわれます。私は日本で運転していて事故に遭ったことはありませんが、こちらでは4年間で既に2回ぶつけられています。事故の多い理由としては、

 1)蛇行運転が多く車線を守らず、隣を走る車との間隔が非常に狭い

 2)右車線からいきなり左折してくるなど、曲がるときに前もって車線を移動しておくことが徹底されていない

 3)せっかちな運転でスピードを出す一方、車間距離が短すぎる

 4)道路上で急に止まったまま動かなくなる車が多く、この車を避けようとして、それ以外の車線に殺到した結果、ふいに混雑が起こる

 5)路面に大きな穴が開いていたりなど、路面の状態が悪い

 6)警察の取り締まりが極めて緩く、信号無視は別として、実際に事故でも起こさない限り、乱暴な運転でも捕まらない

などが挙げられます。

歩行者もブエノスアイレス内だけで年間1万人以上が死亡しているそうです。

自動車の運転ももちろん悪いのですが、赤信号でも悠然と道路を横断している歩行者の方もどうかしているのでは?という気がします。

 

カーステレオ Estereo

 

  アルゼンチンを走っている車は、ほぼ例外なくカーステレオの取り外しができます。これは盗難防止のためで、日本では少ないでしょうが、ヨーロッパなどでも結構多いようです。実際にカーステレオは盗難後の売却が比較的簡単で、良く狙われるのだそうです。

昔の車はカーステレオ全体を引き抜くタイプでしたが、これでは持ち運びが重くて大変です。そこで現在は、表面のタッチパネルの部分だけ取り外しができて、これをハンドバックなどの入れて持ち運ぶのが普通になっています。

 

ACA(Automovil Club Argentina)

 

日本で言うとJAFに当たる組織だと思います。会員になっていれば、全国どこにいても車が故障した際にはレッカー車がやってきて直してくれたりするサービスが受けられます。日本のJAFの会員料は年間1万円くらいでしょうが、ACAは276ドルですから、ずいぶんと高額です。まだまだ古い車が多くて故障が多発しているのかもしれません。

またACAはアルゼンチンの主要都市や保養地に宿泊施設、ガソリンスタンド、契約レストランなどを展開していて、会員であればそれらを安く利用できます。小さな町に行くと、ACAのホテルが一番いいホテル、なんていう場合も多いです。

 

ガソリン NAFTA

 

 ガソリンは、普通ガソリン(Normal), スーパー(Super)、ウルトラ(Ultra)(YPFという最も一般的なガソリンスタンドの場合の呼び名)の3種類あります。スーパーはオクタン85、ウルトラはオクタン95という、ハイオクガソリンです(日本のハイオクがどの程度かは知りませんが)。

アルゼンチンは石油が自給できるほどの採掘国ですが、ガソリンには非常に高い税金(税率100%以上)が掛けられているので、日本並に高いです。

普通ガソリンが80センターボ(88円くらい)、スーパーで1.05ペソ(120円くらい)、ウルトラで1.15ペソ(126円くらい)程度です。

 

車両税 PATENTE

 

   パテンテPATENTEというと、ここではナンバーのことなのですが、このナンバーを所有しているということで税金が課せられており、これが日本で言う車両税に当たるのだと思います。これは所有車が国産か輸入か、そして自動車の値段によっても金額が変わりますが、だいたい自動車の値段によって240〜600ドルくらいになります。1年分を一括で払うと20%程度の割引がありますが、通常は2ヶ月毎に銀行の窓口で支払う分割払いを行っています。この支払の為に磁気カードが発行されており、窓口にカードを出すと支払が迅速に済むようになっています。しかし、窓口はいつも混んでおり、30分程度待たされることはざらにあります。

最近は郵便局が行っている「公共料金支払い専用窓口(PAGO FACIL)」で請求書の期日内であれば支払いが可能になり、かなり簡単になりました。

自動車を売る時や免許証更新の時の調査で、もしもこの税金が支払われていないことが分かると、自動的に売買その他の手続きが出来なくなります。

因みに交通違反の罰金も支払っていない場合には、免許証の更新手続きが出来ません。

 

免許証 LICENCIA DE CUNDUCTO

 

  免許証は、ブエノスアイレスの郊外にある免許センターで取得するこが出来ます。日本の免許からの切り替えも、アルゼンチンの個人登録証であるDNIがあれば行うことができます。費用は11.5ペソ。手続きは午前中しか受け付けておらず、しかも「お役所仕事」ですから非常に待たされることも度々ですが、大抵2時間くらいあれば終わります。外国人の場合には、DNIの期限までの免許が発行されます。通常はB1という、普通自動車を運転できる免許が発行されます。写真はその場で撮りますので、持っていく必要はありません。

 この免許センターで、非効率だなあ、と常々思っていることがあります。

それは申請に来た人に申請書を書かせずに、職員がいちいち質問しながらフォームを書いて埋めていることです。しかも、もう退職も近いような職員が、一生懸命指一本でパソコンに入力しているのを見ると、はじめから申請する人が用紙を書いて埋めてくるか、身分証明書DNIを磁気カードやICカードにして読み取らせた方がよっぽど早いのに、と考えてしまいます。

そして免許証受領前には、多発する交通事故の防止を促すビデオの鑑賞の義務があり、1回あたり約45分間拘束されます。感傷をしなければならない人は、無作為に申請者の中から選ばれているようです。こちらも一部屋でのみ行われるため、もし選ばれてしまったら、手続きでさんざん待たされた上に1時間追加で待たなくてはならず、終わる頃には疲労もピークに達します。なんとかならないものでしょうか。

 

駐車場 Estacionamiento日本庭園前を走っていたクラシックカー

 

  アルゼンチンでは駐車場のことをエスタシオナミエントEstacionamientoと呼んだり、プラジャPlayaと呼んだりします。1時間当たりの値段は1ドルから3ドルくらいで、一番高いコリエンテス大通りの駐車場で4ドルです。また、普通は4時間以上12時間までは4時間の料金と同じくらいになるエスタディアEstadia Mediaの割引もあります。

チケットをとって自分で駐車する場合もありますし、入り口でキーを付けたままの状態で係員に渡して駐車してもらう場合もあります。スーパーマーケットの駐車場は完全に無料か、あるいは1時間だけ無料というところが多いです。

 道端でもEというマークのあるところは駐車することが出来ます。

また、メーターが付いていて、メーターに専用のコインを入れて利用できるようになっている場所もあります。このコインはフィチャFichaと呼ばれていて、1ペソのものと0.5ペソのものがあり、1ペソのフィチャで1時間駐車できます。近くの売店のFICHAとかかれた看板のある場所で扱っています。最近は、お金を直接投入してチケットを買う自動販売機が設置してあるところも多くなりました。

 道端に駐車する時に気をつけなければならないことがあります。それは、アルゼンチンでは駐車中の車を発進させる際に、前後の車のバンパーに当てることを何とも思っていないと言うことです。ですから大切な新車は道端に駐車せず、ちゃんとした駐車場に入れることをお勧めします。また、道端に駐車する場合にも、全く車が動かなければ、ぶつけられてバンパーがへこんでしまう場合もあるので、普通ニュートラルにして当てられても車が動いて衝撃を吸収できるようにしておきます。また、盗難も多いので、盗難よけにハンドルを固定する鍵を追加で付けたり、泥棒よけで車が振動すると大きなサイレン音を出す装置を付けたりしている車も多くあります。

 

車を持っていると、近郊の町に足を伸ばしやすかったり、スーパーの買い物が楽だったりと、いろいろと可能性が広がるのですが、維持費や運転中・駐車時の気遣いが必要なのは日本以上かもしれません。

 

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