FOLKLORE VENEZOLANO

 

  このコーナーでは、ベネズエラのフォルクローレを中心にお勧めのCDをご紹介します。

クアトロの名演奏者たち Los Grandes del Cuatro

クアトロとはスペイン語で4のこと。つまり4本の弦を持つ弦楽器「クアトロ」の名手を集めたCD。この弦楽器、見た目はちょっと大きなウクレレのようだが、さすがは名手、単なるリズム楽器の枠を大きく越えて意外なほどの奥深さを感じさせる。名演奏者たちの創り出す、テンポが良くてかつ複雑なベネズエラのリズムと、ソロ楽器としてメロディーラインを奏でたときの組み合わせは、弦楽器を弾いたことのある者なら一度は挑戦してみたくなるような創造的な内容に満ちている。アルゼンチンなどでも有名な演奏家Hernan Gamboaなども収録されている。(LEON C.D. 1131) 

シモン・ディアス Simon Diaz 「Sus Grandes Exitos」

シモン・ディアスと言えば知る人ぞ知る、ベネズエラ音楽界の巨匠だ。現在、ベネズエラ音楽はアルパ(ハープ)、クアトロ、ベース、マラカスという構成を中心に演奏されるのが一般的なようだが、今回もこの編成で演奏されている。このCDは彼のベスト盤と呼ぶにふさわしく、名曲の数々が収録されており、中でもCaballo Viejo(年老いた馬)は国内外でも知名度の高い一曲だ。シモン・ディアス独特の歌声が妙に心地よい(上手い、というか味わい深いという意味で)。その他、彼が独自に構成したバックグループであるLa RondallaVenezolanaのコーラスの効いた4枚に及ぶアルバムも非常に聴き応えがある。また、ライブ・バージョンの録音もあるが、聴衆の歓声に人気の程が分かる。一度は生を聞いてみたいと思わせる存在だ。Palacio CD-66591 

平原の日没 Atardecer Llanero

ベネズエラに広がる平原をジャノという。ベネズエラのフォルクローレはMusica Llanera、つまりこの平原地帯のカウボーイ達の音楽が中心になっている。このCDは2枚組で、ベネズエラ音楽の魅力を、総勢17人のアーティストたちによって余すところなく、カラカス市内で行われたコンサート中継(ライブ・バージョン)で伝えている。上記で紹介したシモン・ディアスの生き生きとしたライブ風景も収録されている。しょっぱなには、アルゼンチンにも存在する「コントラプントの形式」、つまり2人で交互に言葉(唄)を掛け戦わせる形式の演奏があり、それぞれの歌手が自分のパートを歌い終えるたびに大歓声、こんな楽しいコンサートに居合わせてみたかった!とつくづく思わせるほどだ。Sonografica 75921300589-29 

マリオ・グアカラン Mario Guacaran 「Arpa Llanera」(1989)

CDの題名の通り、ベネズエラのアルパ(ハープ)の演奏を堪能できる一枚だ。アルパといえば、日本ではとかくパラグアイのイメージが強いが、ベネズエラでもおおいに親しまれ愛されている楽器と言えよう。パサーへ、ホローポなど独特のリズムで演奏されるアルパも、リズミカルで「おつ」なもの。フランスには、こういった「南米音楽好き」が日本以上に多いらしく、この録音もフランスで行われ、スイスで編集されており、解説はフランス語で書かれている(故に、この人物のプロフィールについては残念ながらまったくわからない)。余談だが、ブエノスのCDショップではベネズエラものが滅多に見つからない中、これは実に掘り出し物だったと我ながらほくそ笑んでいる。(A.S.P.I.C. X 55507)

セシリア・トッド Cecilia Todd 「Pajarillo Verde」(1997)

セシリア・トッドは、巨匠シモン・ディアスやソレダ・ブラボなどとベネズエラ音楽の一時代を築いた。彼女は幼い頃からクアトロを演奏し、徐々にその才能を伸ばしていったという。このCDは、彼女が3年間暮らしていたブエノスアイレスにて、名ギタリストのCacho Tiraoやボンボ奏者Domingo Curaなどとの共演で1974年に録音されたもの。その後彼女は故郷・ベネズエラに戻り、世界各地の公演を通じ、その名声を不動のものにした。アルゼンチン・フォルクローレ歌手であるテレサ・パドリいわく『セシリアは故郷のカウボーイ達、子供達、恋人達、先住民族、そして森や青い鳥を、まるで自分の友人のように歌っている』。(ACOUA 003)

 

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