FARMACIA

 

ブエノスアイレスの街角では、カフェテリアやブティックと肩を並べて薬局(Farmacia:ファルマシア)もなぜか良く見かけます。平日、普通の商店が暇そうにしているときでも、目抜き通りの大きな薬局はどこも忙しそうにしています。

 

(まずは番号カード)

 まず薬局に入ったら、入り口付近に設置してある番号札を千切ります(日本の銀行などにあるような自動式と違い、こちらはもっと旧式で、自分で番号の印刷された紙を千切らなくてはいけません)。

 

 この番号札が2種類も3種類もある場合があり、どれを千切ったらいいのか迷うこともしばしば。それは、番号札の種類毎に薬を買う人用、それ以外の化粧品などを買う人用、そして頼んでおいた調剤薬を受け取るだけの人用などに分かれていることがあるためです。ですから、よくチェックして番号札を取らないと、また並び直し、なんていうこともあるので気を付けなくてはいけません。常に番号に従って呼ばれますから、それまで店内で待つことになります。

 

(商品の種類)

言うまでもなく、大きい店舗の方が商品数もバリエーションも多いです。

一般の既製薬の他に世界中からの輸入薬(残念ながら日本製の薬は見かけません)、フラスコや注射器、ダイエット・グッズ、有名ブランド化粧品に至るまで、あらゆるものが売られています。

 

 以前ボリビアのラ・パスを訪れた時、薬を買おうとして「何錠必要だ?」と尋ねられ、3回分(3錠)だけ購入したことがありましたが、ブエノスアイレスでは日本と同じく一箱が最低単位になっています。

 

(調剤)

 薬局は、日本の薬局と同じように調剤まで請け負うところと、既製品を販売しているだけのところがあります。調剤薬は通常、その場で出来上がることは希で、翌日受け取りに再び出向くことになります。ちなみに、病院で医者に掛かっても、その後服用する薬や用具(包帯など)は必ず薬局で調達しなければなりませんし、検査を受ける際でも、必要なものは患者が持ち込まなければならないことがあります(この場合は医師が予め専用紙に書き出して指示してくれます)。

 

 調剤薬はもちろん、医者の診察を受ける際に貰う処方箋がないと作ってくれません。医者の書く字はみな非常に達筆でしかも専門用語。私が読んでも何が書いてあるのか判別できない場合も多く、困ったことも何度かありました。

 

(注射屋)

 大きな薬局では、「注射屋」が常勤しています。日本では、注射は医者か看護婦が診察の一環としてやってくれるのが当たり前ですが、アルゼンチンでは医者はあくまで診察するだけで、注射も、検査も全て別のところで行います。注射は患者自身が打つ場合もあるようですが、多くはこのような大きい薬局にいる「注射屋」に頼みます。注射に必要な液(薬)は、さきほど書いたように医師の処方箋のもとに薬局で購入するのですが、他の薬局で購入した薬や、家に常備してあった薬を持ち込み、注射だけを頼むこともできるのです。注射代は大体1回2ドル。電話で頼めば家に出張してくれ、その場合は1回10ドル以上になります。

 

(営業時間)

 薬局は朝9時から夜8時くらいまで営業しているのが普通です。土曜日は午後1時くらいまで、日曜日はお休みですが、各地域毎に持ち回りで日曜も営業し、緊急時に対応するシステムになっています。その際は、新聞にどこの地域ではどの薬局が営業しているという情報が掲載されますから、いざという時は新聞を見れば即、知ることが出来ます。また、24時間開いている薬局も最近はありますが、夜は従業員も1名程度で物騒なので、格子のシャッターを下ろして格子越しに客に対応するところが多いようです。深夜の時間帯に調剤薬は受け付けていません。

 

(医療保険)

 薬を購入する時には、医療保険に加盟していると割引が受けられます。国の医療保険はPAMIというのですが、それ以外に様々な民間の健康保険(Medicina Prepagaと呼ばれています)が発達していて、この健康保険会社のカードを提示して、割引を受ける仕組みになっています。加入している保険プランなどによって割引率は20%から50%と幅がありますが、日本の健康保険は3割負担(つまり70%引き)くらいですから、日本の方が割引率は高いです。大切なことは、医者に掛かる時、処方箋の上に医者が患者の提示した健康保険番号を記入し忘れると薬の割引や医療費の一部払い戻しが受けられないので、忘れずに申告する必要があるということです。また、日付も重要ですから必ずチェックしなければなりません。

 

 そんなわけで、意外と薬局についてはシステムが発達しているのが現状です。けれど、我々日本人にとって、アルゼンチンの薬は大変強く、量も多いので、その辺りをよく医者に説明した上で処方して貰う必要があります。副作用で胃が荒れてしまった、なんてことは出来れば避けたいですからね。

 

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