TERMAS DE RIO HONDO

 

7月9日からの3連休を利用してサンティアゴ・デ・エステーロ州にある温泉地、その名もテルマス・デ・リオ・オンドに行って来ました。

ブエノスから飛行機で飛ぶこと約1時間40分、到着したのはトゥクマン州の空港で、そこから更に一時間バスに乗って州境を越えます。ちょうどサンティアゴの空港との中間くらいにリオ・オンド市は位置しているのです。夜の22時、気温5度。夜空には七夕の風物詩・天の川がくっきりと弧を描き、電燈の無い国道9号線沿いにちらばる家々から漏れる明かり以外にパンパには何も見えず、バスの揺れにまかせてうとうとと居眠りをしているとまもなく目的地のホテルが見えてきました。

市内には大小たくさんの宿泊施設があるということでしたが、今回宿泊した「グランド・ホテル・パレス」は客室数およそ100の市内で最も大きいホテルで、冬休みを利用して全国から人がやってくるこのシーズンは満室でした。部屋はこじんまりとして中庭に面した窓があり、専用の風呂とシャワー(もちろん温泉の湯です)も付いていて、24時間いつでも使えるようになっていました。

パロ・ボラーチョの太い幹さて、遅い夕食をしに食堂へ。温かいスープと適度な量の肉料理はなかなかのもの。

 

しばらくして中年のミュージシャンとおぼしき男性がサックスを片手に登場し、周囲は皆、食事の手を止めガタガタと席を立ち始めました。???ああ、そうか!0時の時報と共に独立記念日(7月9日)になったのです。そのオジサンは神妙な顔つきで国歌を吹き始め、それに乗せて宿泊客らも斉唱を始めました。そして曲が終わると、お決まりの「ビバ!パトリア(アルゼンチン万歳)!」。拍手を受けたオジサンはペコンとお辞儀をすると「続きの演奏はまた明日ね」と言って出て行ってしまい、重要なセレモニーを終えた宿泊客らも食事が済むと満足げに退散。残念ながらその夜はもう温泉は入れないと言うことで、自分も早々に部屋へ引き上げ、あつあつのシャワーを浴びて「おやすみなさい」。

 

翌日、朝早くから表の通りはメイン広場へ行く人々でいっぱいでした。これから独立記念式典が開始されるとのこと。

快適な室内プールというわけで、こちらは朝食後ホテルに残って、ご自慢の広々とした温水プールに一番乗りしました。ホテル奥

庭の野外にあってビニールシートで四方を囲ったそのプールはもちろん温泉の湯を使用、透明度といい温度といい想像以上の快適さです。噴出し口の温度は80度くらいで、深さは浅いところで大人の腰あたり、一番深いところで肩口くらい。プールでありながら温泉も兼ねているといった具合です(言い忘れましたが、水着はゼッタイに着用です)。

晴れた空の下で湯けむりをかきわけ、一人すいすいと自由に泳げるなんて最高!思わず鼻歌が出てしまいました。

 

やがて一人二人と人が増え、あっという間に20人は集まったでしょうか。それでもプールが広いのでスペースにゆとりを感じます。

一旦お湯から上がって、お隣のリラックス・ルームへ。そこは、サウナ、水蒸気室(ヴァポール)、係員がお客の体にホースから出る湯を集中的に浴びせる(つまりはツボ刺激か?!)フィンランド風呂(というらしい)と、疲れた心身を休めるためのリクライニング・シート、奥には簡単なトレーニング・ジムもありました。そして美容室。マッサージのサービスも頼めます。部屋はとても温かく、シートにはそれぞれ毛布が用意されており、せっかく温まった体が冷えないように配慮もされていました。看護婦サンが血圧も測定してくれ、体調に見合った入浴を

アドバイスしてくれたりもします。水蒸気室に入ると、もうもうとすごい勢いで水蒸気が出ていて、しばらくいると体が芯から温かくなり、だんだんと肌がつるつるとしてくるのがわかります。サウナが苦手な人でも水蒸気室なら安心。

15分ほどして外へ出ると、かなりグッタリしました。そこで今度はプールサイドのベンチで、家から持参したマテを啜ることに。これでもう「アルゼンチン的リラックス術」は完璧!

れちょんとろくろさて、昼食は町へ出て手ごろそうな道端のレストランを見つけ、ロクロと大好物のレチョン、サラダを注文。驚く

ほど安い。そう、ここはなぜだか物価が安いのです。しかも2時を過ぎてもお客がいっぱいです。流しのギタリストが現れ、お家芸のチャカレーラ、サンバを奏で歌い、ついでにアヤシイ「温泉の素」を売り去って行きました。

リオ・オンドの町はこじんまりとした観光地で、散策するとパリージャ屋、カフェテリアのほか、あちらこちらに物産品(果物のジャム、蜂蜜、アルファフォーレスなど)を扱う店がありました。

内陸性の気候で昼になると気温は20度近くも上昇し、ものすごい日差しの強さを感じます。反対に夜になるとぐっと冷え込み、セーター、暖房器具無しではこの季節を過ごせないほどです。温泉はまさにもってこいなんですね。ちなみに夏の間(11月〜3月)は温泉施設はところどころお休みだとか。

 

その後、ホテルに戻って一息ついてから再びプールへ行き、夕方からアクアビクスがあるというので待ちました。若いインストラクターのお兄さんが元気良く挨拶し、周辺からおじいちゃんおばあちゃんがプール中央に集まってきました。音楽に合わせ、プールサイドのお兄さんの動きを真似て水中で動くのですが、これが意外や意外に難しいし疲れる!徐々にテンポについて行けなくなり、更に周囲から寄せられる波(つまり、右両隣の巨体が動くたびに大きな波がこちらに押し寄せる!)のためにバランスが崩れてしまうのです。終わると「はー」と思わずため息。しかし、全身運動とあって体の筋肉がほぐれ軽くなったのは本当です。

プールサイドで再びマテを啜り、そしてまた水蒸気室へ。ポカポカしてサイコーです。

適度に空腹感も訪れ、従ってホテルの夕食も美味しく頂くことが出来ました。

昨夜のミュージシャンのオジサンも再登場し、奏でるサックスの音色は次第に眠気を誘い・・・・

22時ごろ、部屋に退散。

 

日曜日はひと泳ぎした後、1時からホテル主催のアサードがあり、中庭に集まって自家製エンパナーダとロクロ(これが最高に美味しかったのです!)、それから大きなお肉の塊を頂きました。

サンティアゲーニョたちの演奏 

食事中、2人組のフォルクローレ奏者が登場し、十八番の陽気なチャカレーラを演奏すると、テーブルからは手拍子、掛け声が飛んできて盛り上がりました。私も踊りに飛び入り参加、サンティアゴらしい日曜日のひとときを満喫してご機嫌です。

 

 

 

こんな生活を丸3日続けると(アクアビクスは午前・午後計5回参加)、さすがに身も心もすっかりお休みモードとなってしまいましたが、たまにはこんなふうにのんびりと、アルゼンチンの温泉を堪能するのも「おつ」ではないでしょうか。

 

まだしばらくは肌寒さの続くこの季節、リオ・オンドはオススメです!

 

 

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