Television

 

(充実したケーブルテレビ)  

ブエノスアイレスは非常にケーブルテレビが発達した都市で、ケーブルテレビのチャンネル数は世界でも1,2位を争うと聞きました。最近になってアルゼンチンの2大ケーブルテレビ会社が合併し、現在はその一社のほぼ独占状態にあります。加入者数も首都圏に関しては、ある一定所得以上の家庭では高い割合で加入しているとみられます。

 

ケーブルテレビは約70チャンネルもあります。地方でも町ならばどこでも30チャンネル程度はあるようです。幾つか代表的なチャンネルを挙げてみましょう。

 

アルゼンチンならではのタンゴに関するものだけを一日中取り扱う「Solo Tango」というチャンネルは、ここに暮らす外国人にも人気があり、一日中サッカーを中心にスポーツだけを流すチャンネルやスペイン&ラテンアメリカ音楽専門のチャンネルは若い世代を中心に人気があります。

女性視聴者を狙って料理や手工芸、エステティック、ファッションの情報を提供するチャンネル、子供向きにアニメ(「ポケモン」はここでも大人気です)や算数、科学等の学習を促すチャンネルもあり、また、ケーブルテレビの数ある映画専門チャンネルの中で日本の映画(黒沢、伊丹映画など多し)を流すチャンネルは、私自身も思わず手が伸びてしまいます。

国際色も豊かで、スペイン国営放送、イタリア国営放送、イスラエル放送、ドイツ国営放送、CNN、スペイン語のCNN、チリ国営放送、ブラジル放送、BBC、フランス語放送、メキシコ放送などなど、各国の放送をその国の言葉で流しています。

ケーブルテレビのチャンネルの一部はプレミアム・チャンネルになっていて見るにはデコーダーを設置してもらう必要があります。プレミアム・チャンネルになっているのは、サッカーの大きな大会の試合や人気のあるボカやリーベルといったチームの試合、HBOなどの人気映画を放映するチャンネル、そしてアダルトです。毎月の値段もサッカーが一番高く、15ドルくらいします。

 

(特徴ある地上波)

ブエノスアイレスには地上波(普通のアンテナで無料受信できるチャンネル)が6つありますから、東京とあまり変わりません。各放送局にはそれぞれ特徴があります。

Canal 7  Canal 7(7チャンネル,経営破綻前はATCといった) NHKの様に半官半民で、放送終了時に国旗とともに国歌が流れる。一般的な国内ニュースの他にフォルクローレタンゴの番組、幼児向け番組、かつての「明るい農村」的な番組も数多い(牧畜・農業はアルゼンチンの主要産業なので従事者は多いのです)。アルゼンチンの観光スポットを紹介する番組にも力を入れている。

 

Canal America  AMERICA(2チャンネル)一般的な可もなく不可もない番組が多い。スポーツには力を入れていて、サッカーの試合の生中継や、ケーブルテレビではスポーツの専用チャンネルも持っている。平日の昼間は主婦向けにゲストを招いてのトーク番組を、週末は10代の若者向け音楽番組の公開放送をやっている。(東京ならTBSというところか?)

TeLeFe  TeLeFe(11チャンネル)若者向け人気番組が数多い。連続テレビドラマも多く、スタジオに観客を集めてのバラエティー番組も人気を呼んでいる(東京ならフジテレビというところ)。

などなど。

 

(スタジオ見学)

この中でATC(1999年に破綻してCanal 7と名前が変わった。訪問当時はATCといった)のスタジオに行って来ました。このATCのスタジオはパレルモ公園の隣にあって、裏は閑静な超高級住宅街。しかしATCは実はスタジオが2つしかありません。しかも、入り口で単に番組の名前を言えば誰でも中に入れてしまう気安さは日本ではあり得ないでしょう。スタジオの入り口も、本番中でも開いているので簡単に覗けてしまいます。設備の古さと全体の雑然とした雰囲気は、南米テレビ先進国としては今ひとつと感じました。更にATCは金払いが悪いので有名。出演者の出演料を半年くらい滞納することは常のこと。1999年の12月までATCの会長をしていた人物は2000年2月、汚職で逮捕されました。

 

(衛星放送のスタート)

1999年10月からアルゼンチンでも「ディレクTV」が衛星放送を開始しました。このディレクTVの番組の一つにNHK国際放送があり、日本語の番組が日本と同じ時間に見られるようになったのです。田舎に暮らす日系一世からは特に歓迎されているとのこと。都会では建物の方向に拠っては電波の状態が悪く、契約しようにも見られない場合も多いこともあるそうなので、予め業者と共に確認しなくてはなりません。ペイビューチャンネル(チャンネルを選ぶときに有料の確認ボタンを押す必要がある)も充実していて、好きなときに映画を見ることも出来るなどサービスも上々のようです。

 

このように、アルゼンチンでは首都・ブエノスアイレスを中心に今後も益々テレビ文化が社会に広がっていきそうな気配です。

 

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