ビサ(査証)VISA

 

この数年間に、日本人はどの国に行くにも日本のパスポートさえあれば観光旅行には支障がなくなってきました。一昔前までは米国へ入国するのでさえビサの取得が必要でしたから、それを思うと隔世の感があります。

 

南米で観光ビサ取得を必要とする代表的な国はブラジルですが、その他の国々へは日本のパスポートがあれば通常90日間は滞在が可能です。

これはアルゼンチンでも同様で、日本のパスポートであれば何の問題もなく90日間の観光ビザ(パスポートに押すスタンプ)をくれます。

このように、日本のパスポートは水戸黄門の印籠よろしく、かなり多くの国でフリーパスとなりますので、ブラックマーケット(闇市)ではとても人気のようです。

 

さて、話を戻しましょう。

アルゼンチンを訪れる際、観光で数日間滞在するにはパスポートに押された観光ビサのスタンプだけで問題ありませんが、もっと長期に滞在して語学や音楽などを学びたい、仕事をしたい、はたまた移住したい、といった場合には通常の観光ビサだけでは足りません。どうしたらいいのでしょうか?

 

最も一般的な方法は、始めに観光ビサで入国し、その後はビサの期限である3ヶ月(90日)毎に近隣の国へ一度出国して再度アルゼンチンに戻ってくる、というのを繰り返すやり方です。出国先はどこでもいいのですが、比較的選ばれやすいのはウルグアイ、チリなどでしょうか。ウルグアイへは飛行機以外にもフェリーやバスがブエノスアイレスから頻繁に出ているため日帰りをしようと思えば出来ないこともありません。

しかし、この方法は、仕事をしたい場合や永住を考えている場合(最初のうちはこの方法で暫く凌げますが)には限界もあり不向きと言えるでしょう。

 

観光ビサで入国したのち、期限の3ヶ月を過ぎても無視し、一度も出国しないで目的を達するまで滞在し続ける人もいます。そして最後の最後に空港で罰金を支払い帰国するのですが、これを行った場合は次回の長期滞在が難しくなる可能性があり、あまりお勧めは出来ません。もちろん、仕事・永住の場合はやらない方がいいでしょう。

 

そこで、正規の長期滞在手続きを行おうとすると、やはり色々な手間や問題が生じますから、「代理人」に手続きの代行を依頼することになります。

 

まず代理人を通じて1年間の臨時ビザ(Visa Temporaria)を取得します。自分でも良く手続きがわかっていれば代理人に依頼せずに取得できないこともありませんが、手続きの行程は非常に複雑で、かつ言葉の問題もありますから、やはりここは代理人に頼む方が有効です。代理人は日系の旅行社などに頼む場合が多いようです。申請している当事者のサインが必要なときは必ず本人が代理人に同行しなければなりません。

 

必要な書類は思いつく限りは次の通りです。

1)雇用されている会社の社員であることを証明するレター

2)無犯罪証明書 (日本から来る場合は日本の警視庁で取得。アルゼンチン国内でも取得は可能)

3)日本のパスポートのコピー

4)在日本アルゼンチン領事館の証明書

5)VASA申請申込書(移民局で貰えますがこれにも並ばなければいけません)

6)健康診断証明書(日本だと聖路加病院などが指定病院になっている)

7)以上を公証翻訳人がスペイン語に訳した書類

 

上記のような書類が全部揃わなくても、お金を出せば証明書を発行してくれたりする所もあり、このあたりが南米らしいおおらかさでもあり、代理人の腕の見せどころとなります。

臨時ビサを取得すると、パスポートにその旨が記載されるだけでなく、DNIと呼ばれる身分証明書を発行してくれます。これは手帳型の証明書で、取得時に写真の他に指紋を両手の全ての指の分取られます指紋押捺?(あまり気分の良いものではありませんが)。

このDNIがあると、米国のグリーンカードのように滞在許可だけでなく働くことも可能になりますが、働く場合には納税義務を果たすために更に納税番号であるCUILやCUITを取得しなければなりません。

これは単に預金口座を開くといった場合にも必要になります(利子税を支払うため)。

 

さて、1年を超えて滞在する場合には、臨時ビザを延長する手続きを行うことになりますが、この場合、健康診断や無犯罪証明などは取り直す必要はありません。

ただし、発行される自動車の免許証の有効期限も、このビザの期限に合わせられるため、毎年免許の更新にいかなければならなくなります。

 

もっと長く滞在し、丸3年を超えたら(臨時ビザを3回延長したら)、永久ビザVisa Permanenteを申請することができます。

この場合には無犯罪証明、健康診断書などを改めて取得して申請することになります。

この永久ビザは周辺国であるボリビア、ペルー、パラグアイなどからアルゼンチンにやって来た滞在者が大勢申請し、ブエノスのラプラタ川沿岸ある移民管理局では、早朝4時から人が並び始め9時には長蛇の列になるので、ひとつの書類を取るのも非常に大変です。また、申請から実際にビザがおりるまで1年程度待つこともざらとなります。

加えて、大抵の書類の有効期限が6ヶ月であるため、待たされた挙句に書類の取り直しをしなければならないこともあります。

この手続きは、本人がアルゼンチン人と結婚したり、アルゼンチン国内で子供が生まれたりすると若干は容易になるようです。

 

こうして申請のため移民管理局や警察などのお役所仕事に直接立ち会うと、つくづくアルゼンチンが南米の中の一国であることを感じます。

職員同士の仕事中の無駄話、遅々として進まぬ行程、手作業の多さ故の非効率・手間の数々・・・あげるとそれこそキリがありません。

全ての手続きのプロセスをスムーズにこなせるような体制になれば、外国人のアルゼンチンに対する印象も良くなり、もっと海外からの投資が増加するようになって、アルゼンチンの発展に少しは貢献しようという気が起きるのではないかと考えたりするのですが・・・。

 

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