カラスの種類あれこれ

日本で最も日常的に見ることができるカラスは、管理人のHNの起源になったハシボソガラスと、都市部に多いハシブトガラスです。
ここでは、この2種類に加えて日本で見ることができる、「カラス」と名のつくスズメ目カラス科の仲間たちをご紹介します。

ハシボソガラス corvus corone

 管理人のHNの由来となった鳥。管理人はこのカラスを愛し、学生時代は毎日追い掛け回し、友人たちからは「カラスを操る魔女」「カラス女」と恐れられていた。体長約50cm。田舎モンで、東京などのビル街ではあまりみられない。初冬に田んぼを大挙してうろうろしている連中がいたら、ほぼ間違いなくこいつらである。しかし、札幌や仙台のように、周辺が畑や田んぼだらけの中途半端都会であれば、中心部にもハシボソがいる。

 見た目が小柄で可愛いわりには、鳴き声はガァガァと濁り、身体を膨らませて天を仰ぐ→お辞儀を繰り返しながら絞め殺されそうな声を出す。
 下欄のハシブトに比べると、身体が小さいため、生活圏の重なるところでは、よくハシブトにいじめられたり、エサを横取りされている。その分、彼らは創意工夫や学習の能力が非常に高い。車にクルミを轢かせて割ったり、線路に石を置いて騒ぎを起こしたりしているのは、大概こいつらである。

 性質は、用心深く、義理堅い。一度仲良くなる(敵じゃないことが分かる)と、ずっと朋友として扱ってくれる(私はバッタを分けてもらったことがある)。

ハシブトガラス corvus macrorhynchos

 英名Jungle Crow。その名のとおり、森っぽいところに多い。(すなわち、ビルの谷間も彼らには「森っぽい」ということになるらしく、都心部に多いシティー野郎である)

 ハシボソに比べると身体は一回り大きい。もちろん嘴が太いからハシブトガラスなわけだが、特徴的なのはその頭で、羽毛が逆立ってモヒカン状態となっている。

 鳴き声はカアカアと澄み、よく通る。力も強く、都市部の昼の制空権はほぼ彼らのものであるといっていい。
 そのためか、性格は図々しく、好奇心が強い。ハシブトにエサをあげている人の話によると、割と怖がらずにそばに寄ってくるが、エサをやらないでいると「はやくよこせ」とばかりに威嚇してくるらしい。

ワタリガラス corvus corax

 ハシブトよりもさらに一回りでかい。北方系で、日本では利尻・礼文でしか繁殖しない。冬になると、北海道北東部に群れが飛来する。毛羽立った喉元と楔形の尾羽が特徴である。

 こいつらは「カポッカポッ」と非常に不思議な鳴き方をする。北海道にいた頃、「妙な声のハシブトだなあ」と見上げたらワタリだったことが何度かある。

 ワタリガラスは北方民族の神話には欠かせない存在である。北欧神話、ネイティブ・アメリカンの神話(特にカナダのほうに多い)をはじめ、ワタリガラスの登場する物語は数知れない。
これらの地に於いてワタリガラスは吉兆、凶兆を知らせたり、世界の事象をあまねく神に報告する使者であると考えられていた。

ミヤマガラス corvus frugilegus

ハシボソより一回り小さく、冬になると九州に渡ってくる。

 大抵群れを組んでいるが、種類の違うカラスも気にせず群れに混ぜてしまうおおらかな鳥。特徴的なのは嘴で、成鳥になると根元の毛が抜け落ち、灰褐色に見える。よく絵本などで嘴と足だけを黄色や灰色に塗ったカラスが出てくるが、そのモデルはミヤマガラスなのかもしれない。

 管理人は北方系故その姿をずっと見ることが出来なかったが、数年前九州の知人宅を訪れた際、大挙して舞い飛ぶ群れを見ることが出来た。「ミヤマー!!」と騒ぐ管理人のために、わざわざ車を止めてくださった知人ご家族には心より感謝する次第である。

コクマルガラス corvus monedula

 ワタリガラスがオーディンの両肩にとまっているなら、彼らはコンラッド・ローレンツ博士の両肩にとまっているカラスだろう。偉大な生物学者である氏は少年時代よりたくさんのコクマルガラスを飼育しており、彼の著書「ソロモンの指輪」はコクマルガラスの話からはじまっているほどである。

 彼らはこれまで紹介したカラスの中で最も小さく、ハトくらいの大きさしかない。また、全身が特徴ある白黒2色刷りで、カラスというよりカササギのような外見である(とはいえ、カササギもカラス科の仲間なわけだが・・・)。これなら飼ってみたいと思われる方もおられるのではないだろうか(私は一時期「コクマルガラス飼いたい病」に犯されていた)。

 ただし、日本で見るのは非常にまれで、ごく一部がミヤマガラスの群れに混じって冬季に九州に飛来するのみである。

カササギ(別名:カチガラス) pica pica

 佐賀県を中心とする九州北部に分布する。ハトぐらいの大きさで、腹や羽の先が白く、青や碧の光沢のある長い尾羽が特徴。

 飛ぶ姿は美しく、カシャカシャと嗄れ声で鳴く。
 時にトンビと電柱の止まり権を争うほど気の強い鳥らしい。

 日本では珍しいが、中国などにはわらわらいると聞いている。
 年に一度、天の川にびっしり発生して掛け橋となり、織姫と彦星を渡してやっている律儀な鳥である。

 この鳥も前述の九州訪問時に幸運にも目撃することが出来た。何度も車止めさせてすいませんでしたあの時は。
ホシガラス nucifraga caryocatactes

 日本では高山地帯のみに分布する、珍しいカラス。大きさはハトくらいで、茶色い地色に白い斑点がたくさんある。
 彼らは「日本ハイマツ林普及協会」を運営している。(ハイマツ林に集まり、種子を食べて、秋にはその球果を蓄える習性があり、種を運ぶことでハイマツ林の増殖に手を貸している)

 登山中「ガーッガーッ」という鳴き声を耳にしたら、こいつらかもしれない。


日本には、ここで紹介したほかにも、オサハシブトガラス、リュウキュウハシブトガラスなど亜種が何種か生息しています。

また、ウミガラス、カワガラスと呼ばれる鳥たちもいますが、これらはカラス科の鳥ではないのでここでは紹介しません。

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