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四書五経について

 『四書』は宋以降、儒学を志すものが必ず学ばねばならぬとされた四種類の書籍(大学・中庸・論語・孟子)を指す。
『大学』
前430頃成立。もともと『礼記』のうちの一篇であり、漢の武帝が儒教を国教と定めて大学を設置した際、その教育理念を示したものとされる。
大学とは大人の学、転じて君主・宰相として天下を導くものの修める学問の意。

『中庸』
前430頃成立。『大学』と同じくもともと『礼記』のうちの一篇であり、南北朝の頃に独立した一書になったとされる。『大学』とともに宋代に入り儒学の重要文献として尊崇されるようになった。
中庸とは偏り無く永久不変のものという意味から不変の道理を説く書という意。


 『五経』は儒教における五種類の経典(易経・書経・詩経・礼記・春秋)を指す。
『易経』
前700頃成立。占いの原点であると同時に中国伝統思想における自然哲学と実践倫理との根源を為す書であり、64卦を説明する「経」とその解釈学である「十翼」からなる。十翼のなかでも易の哲理を説いている「繋辞伝」が最も重要である。
古来は『周易』あるいは単に『易』と呼ばれ、『易経』と呼ばれるようになったのは宋代以降である。

『書経』
前600頃成立。聖王、名君、賢臣が残した語録、宣言集。虞夏書・商書・周書からなり、上は尭・舜から下は春秋時代の秦の穆公に至るまで全58篇で構成される。
古くは『書』あるいは『尚書』と呼ばれた。

『詩経』
前470頃成立。中国最古の詩歌全集。西周初期から春秋中期(前11世紀〜前6世紀頃)の多くの詩の中から孔子が雅楽に合う305編を選んで編集したとされる。
古くは単に『詩』と呼ばれ、『詩経』と呼ばれるのは宋代以降である。

『礼記』
前漢末期頃の成立とされる。『礼記』とは「礼(儒教的な慣習に基づく規範)」を記した書という意味であり、日常の礼儀作法や冠婚葬祭の儀礼、官爵・身分制度、学問・修養、さらにはそれらに貫通する精神を説く。

『春秋』
前5世紀頃の成立。魯国の史官が記した編年体の記録を孔子が整理したものとされる。『春秋』の本文自体は簡潔であるため、その経文だけでとりあげらることはほとんど無くその注釈の三伝(『左伝』・『公羊伝』・『穀梁伝』)の何れかを付して論ぜられる。


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