藤井寺市と修羅

 

1978年に大阪府藤井寺市の三ツ塚古墳から発掘された古代の重量運搬具である木製の大小2つのソリ『修羅』は、新聞により大々的に報道されて非常に有名になった。発掘から約20年を経た今、修羅のことは世間的には忘れられている赴きもあるが、藤井寺市には修羅に関連するものが多数あり、市民には大変親しまれている。しかし、多くの年月を費やし保存処理を終えた後、小修羅は藤井寺市立図書館で保存・展示されているが、大修羅は、出土地である藤井寺市に戻ることはなく、大阪府南河内郡河南町と太子町にまたがる地域に建設された「大阪府立近つ飛鳥博物館」に保存・展示されている。このような状況をふまえ、藤井寺市にとって修羅とはどのような存在であるか、この視点で修羅をみつめたのが、本論文である。

 

《目次》

・  はじめに

・  第1章 修羅とは

      1, 修羅の発見

      2, 修羅曳きの実験

      3, 修羅使用形態の諸説

      4, だんじりと修羅

      5, 各地でみられる修羅

         第2章 修羅の歴史的背景

      1, 修羅の出土地と古市古墳群

      2, 古墳と土師氏

      3, 修羅の年代

         第3章 現在の藤井寺市民の生活と修羅

      1, 藤井寺市内で見られる修羅に関連するもの

      2, しゅら祭り(市民祭り)の取り組み

         第4章 修羅の保存と展示

      1, 大阪府立近つ飛鳥博物館への展示

      2, 修羅の保存方法とその技術

 

         おわりに