マミズクラゲ?

「マミズクラゲ」は本当に淡水に棲むクラゲの一種です。想像上の生き物でも、「キクラゲ」のような名前だけのクラゲでもありません。海水産に比べると、種類も、観察される機会も少ないのですが、淡水にもクラゲがいます。マミズクラゲはそのうちの一種で、学名を Craspedacusta sowerbyi という、ちゃんとクラゲの形をして、クラゲのように泳ぐ動物です。

愛知県岡崎市のマミズクラゲこれがマミズクラゲ。写真は愛知県岡崎市のYさん提供。


マミズクラゲ発見史

中国ではなんと、1250年には揚子江沿岸で多分同じ種が文献に登場していて、毎年桃の花に季節に発生することから「桃花魚」とか「桃花扇」などと呼ばれてたらしい。西洋科学史での正式デビューは1880年、所はロンドンのリージェントパーク内の王立植物協会植物園の大型スイレンVictoria regiaの水槽に発見されたのがはじまり。発見者サワービーSowerbyの名をとり、ランケスターLankesterによりCraspedacusta sowerbyiと命名されました。

珍しい生き物なの?

答えはイエスであり、ノーでもあります。
まず、絶滅に瀕している、という生き物ではありません。マミズクラゲの原産地は中国揚子江あたりらしいのですが、いまや世界中の温帯、熱帯で見つかっています。日本でも北海道から沖縄まで、各地に発見例があり、毎年のように数箇所で見つかります。もともと国内にはいなかったものが、おそらくは人間によって海外からまぎれこんで、ブラックバスやセイタカアワダチソウのように定着しつつある帰化生物です。世界中の分布も、同様にして広がったものとおもわれます。なかなかたくましい奴なのです。
しかし、それにしてはテレビのニュースや水族館の特別展示でしかマミズクラゲにお目にかかれないのはなぜか?それは、
マミズクラゲは普段はクラゲの形をしていない
からなのです。詳しくは別記「生態と分類」をどうぞ。

何をたべているの?

野生状態ではミジンコなど動物性プランクトンを食べているらしく、口に入るものは大概食べるようです。
魚の卵や幼魚も食べるという報告もあります。
クラゲは水面まで脚を縮めた状態で泳いでいき、沈んでいく途中で脚を伸ばしていき、底につきそうになるとまた泳ぎ始める、という動作をくりかえし、沈んでいくときに脚に触れたものを捕食するようです。

どんなところにいるの?

今までの発見例では、防火用水からため池、池、沼から琵琶湖(!)まで様々なところですが、共通するのは淡水があって、一年中干上がらないようなところです。河川でみつかることもあるようですが、あまり流れの速いところにはいないようです。水質もまちまちですが、弱アルカリ性の硬水を好む傾向がありそうです。また、水道水などの塩素には極端に弱いようです。

クラゲみたいに刺すの?毒はあるの?

マミズクラゲもクラゲと同じ刺胞を持ち毒はあります。餌をとったりするのにつかってますが、いわゆる「刺すくらげ」にくらべて非常に弱いもので、まず人間が刺されても感じないほどだそうです。

見つけるにはどうしたらいいの?

「マミズクラゲの入手法」をごらんください。
注意してみていると、日本全国けっこうどこにでもいるようですよ。

もし、見つけたらどうすればいいの?

すぐに、もよりの水族館に連絡。当ホームページにも情報提供をお願いします。できるなら、数匹だけ捕獲してください。(直接手でさわらないで、水ごとすくって、空き瓶などに空気を入れないで密閉して運ぶのがベスト。)標本の作成などを、ご近所の小中学校などにお願いするのもよいでしょう。
クラゲは一週間くらいでいなくなっちゃいますから、翌日にはもう見つからないかもしれません。マミズクラゲはまだ謎の多い生き物です。もしかしたら、マミズクラゲではなく、絶滅したといわれるイセマミズクラゲか、ユメクラゲか、まったくの新種かもしれないのです!
そして、大事なことですが、マミズクラゲは見つけたところ以外の水系には絶対に放流しないでください!まだ見ぬ新種を絶滅させてしまうかもしれないのです。
昔ここで見た、という貴重な記録や、新聞など地方でニュースになった情報、水族館などの展示の情報もお待ちしています。

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