サンタクロース研究

(1)空を飛ぶトナカイについて

トナカイ(reindeer,rangifer tarandus)のうち、飛行可能な種は知られていない。しかし一説によれば、いまだ生物学的に分類されていない未発見の種は地球上に300,000に及ぶであろうという。これらの未発見種のほとんどは,熱帯性植物や、放線菌、昆虫であると考えられているが、だからといって大型哺乳類である、「アカハナノトナカイ」の存在は必ずしも否定できない。 アカハナノトナカイには、伝説のペガススなどと違い、羽はないという未確認情報があるが、トナカイの近縁種に羽をもつものはいないという事実に照らし合わせると進化系統樹の観点からは合理的であると言える。また後述するように、アカハナノトナカイは低空の空気抵抗の大きい大気中を非常に高速で移動するように進化しているはずであり翼は持たない方が合理的である。

(2)サンタ活動対象総世帯数

世界のこどもたちは(15歳以下)は1996年の国連資料(United Nations publication, (ST/ESA/SER.A/159), Sales No. E.96.XIII.14)によれば総人口の32%である.96年における世界の総人口が58億人であるから18億6千万人であると推測される。しかし、イスラム教、ヒンズー教、ユダヤ教、仏教を信じる家の子供たちは、サンタ活動の対象外とされている(ように見える)ので、「サンタ活動」対象人口は全こども人口の15%である2億7800万人の子供に絞られる。

キリスト教国における一世帯平均こども数は2.57人/世帯なのでサンタ活動対象世帯数はおよそ、1億800万世帯である。どの世帯にも少なくとも一人はよいこがいるという少々大胆な仮定をおく。

(3)サンタの活動可能時間:

夜間を8時間として2時間の余裕をみるとサンタの活動可能時間は24+6=30時間である。というのは地球は1時間に15度自転するので経度15度の範囲を1時間の割合で活動すると世界中同時刻に活動できる。 たとえば福岡(東経130度23分)で夜9時に活動していたとして北京(東経116度25分)までの地域を1時間かかって活動しても北京ではまだ夜9時である。1億800万世帯を30時間の活動時間で活動すれば1秒間に1000世帯のサンタ活動をこなす必要がある。サンタが1ミリ秒のあいだにしなければならないことはつぎのようなことである。 煙突のそばにソリを止めて、ソリから飛び降り、煙突に飛び込んで、靴下にプレゼントを詰めたり、ツリーになにかぶらさげたり、ケーキのつまみ食いをしたりして、煙突を駆け上がり、ソリに乗り込んで次の家の煙突まで移動するのである。

1億800万世帯/(30*3600)秒 108000000/108000=1000

地球の総居住可能陸地面積に1億800万世帯が均等に建っていると仮定しよう。大平洋の真ん中や北極には家がないので、訪問する家は意外に密集している。 あるイギリス人の試算によれば、平均家庭間距離1.25km,最短総行程距離 1億2千万キロであるという。この距離には高速道路のパーキングエリアやプレゼント補給倉庫などへの寄り道は考慮されていない。

サンタの持ち時間をすべて移動に費やした場合、 1億2千万キロメートル/108000秒=秒速1100キロであって音速の約3000倍の速度である。すなわちマッハ3000であり、最高速のジェット戦闘機の1000倍以上の速度である。通常のトナカイの最高速度は時速約25キロメートルである。

(サンタ研究者への注1サンタが各家庭をどのような順番でまわったらはやく訪問しおえるか?というこの問題は「巡回サンタクロース問題(TSP:Traveling Santa Problem)」と呼ばれ世界中の大学や研究機関で日夜研究されている。「巡回セールスマン問題(Traveling Santa Problem)」というのはクリスマスシーズン以外でも季節外れに聞こえないようにするための便宜的な名前である。 参考文献:「巡回セールスマン問題への招待」山本芳嗣、久保幹雄,朝倉書店)

(サンタ研究者への注2:各家庭の空間分布は一様三角格子と仮定するのではなく次元1.71のフラクタルであるとしたほうがよい近似だとする考えが現在主流となっている)

(サンタ研究者への注:現在の学会の常識ではサンタは全世界を12月24日に訪れるのではないことがわかっている。もともと12月6日が聖ニクラウスの日である。)

4)サンタソリの貨物容量

これについてもイギリスの研究者の試算がある。 「...よいこ一人当たりのプレゼントは、レゴブロック(中セット;重さ2ポンド)であると仮定すると、補給なしのばあい、ソリに要求される積載貨物重量は 321,300トンである。これにはダイエットしているといううわさのサンタ本人の体重は含まれていない。雪上のソリでは、通常のトナカイが牽ける重量は最高でも300ポンドを越えることはない。」 (この研究者の研究では大気中では雪上と違い、動摩擦係数μが大幅に小さくなるという効果が考慮されていないことが問題であると考えられる。) 「...アカハナノトナカイが最高で3000ポンドを牽けると仮定するならばソリを牽くためにおよそ214,200頭のアカハナノトナカイが必要である。正確にはソリの乾燥重量を考慮する必要がある。30万トンという重量はクイーンエリザベス2世号の4倍以上の重量である」 「...また、30万トンの物体は通常かなりの大きさになり(すくなくともトナカイ214,200頭分の大きさ)大気中を秒速1100キロで移動するとき非常に大きい空気抵抗を受ける。サンタキャラバンの運動エネルギーは 180エクサジュール〜1.8*10^18ジュール以上である。 スペースシャトルの大気圏再突入のように大気との摩擦で隊列先頭のアカハナノトナカイの鼻先端は毎秒14エクサジュールで加熱される。トナカイの鼻が赤いという情報はこれに関連しているかもしれない。加熱の結果スタート後4.26ミリ秒でトナカイキャラバンは全部蒸発してなくなってしまう。このようにしてソリが停止したときサンタは18000G(ジー)の加速度をうけることになる。」

(サンタ研究者への注3、現在ではサンタクロースはバチカン・ロンドン・コンスタンチノーブル・サンタフェ・サンタクララ・サンタモニカ・サンタクルス・サンタエレーナ・サンタバーバラのような各地拠点で補給を受けるためにもっと小さな積載貨物重量で活動しているのではないか?という見方が主流になっている。しかし1000箇所の補給拠点があったとしても200頭のアカハナノトナカイが必要であり、一般に言われているように通常の数頭立てで活動するという情報とは矛盾を示している。ロジサンティックスは今後の研究の発展が望まれる分野である。)