三年生といえば○○でしょ!
我輩は春日美空である。名前はあります。ってか、これね。今年もクリスマスがやってくる! そう、クリスマス。学生。このキーワードから出てくるもの。
…。(スーハースーハー)告白します! いや、誰にって憧れのあの人に! クラスメイトの彼に。
そんなロマンティックストーリーが幕を開ける。

「美空ー、25日空いてるー? 空いてるよね? つか、空けて。」
涼子がいつものようにお誘いの言葉。
「だから今年は告白してクリスマスはあかない予定なんだって。言ったでしょ〜?」
「聞いてないわよ♪」
絶対この子確信犯だから・・・。特製ケーキにはだまされないんだから。苺が多くておいしい! クリームもたっぷり!! 店で売れるレベル!
「ふふふ、クッキング部には騙されないんだから…」 「人聞きの悪いこと言わないでよ…」 涼子がうらめしそうににらんですくる。確かに騙されてはいない。甘い夢に惑わされてはいるけど…。
そんなことを思っていると一度言った記憶があることをまた聞いてきた。 「で、で、誰に告白するの? 聞いたっけ?」
聞かれました。言ってもしょうがないからゆわないけどさ。 「坂本君! あの、サッカー部の目立たないけどいいプレイするっていう…」
私はサッカー部の練習は軽音楽部の頃によく見ていた。それから三年間ずっと気になっていたのだった。 三年越しの思いを彼に伝えよう。そう決心したのは今年の春だ。…今までずっと勇気がでなかったんだけどね。
「…。坂本って人、妊娠がどうとかで退学なったと思ったよ。あんな男はやめといたほうが…。」
…。
「じゃあ井上君!」
私は彼が美術部の部員だということぐらいしか知らなかった。賞を取ったとかで有名になってたけど私はさっぱりだった。
軽音楽部のライブで宣伝のポップを書いてもらった。暖かい絵で私は嬉しくなった。他のを見てみて彼の絵が好きになった。暖かい彼が好きになったんだ。
「井上君なら先週フランスに絵の勉強に行ったじゃん。フランスまで行く気なの…?」
…。
「じゃ、じゃあ橋本先輩!」
橋本先輩は私が一年の時生徒会長だったんだ。…うん。いい人。
「橋本先輩なら議員になって自民党やん。政治家の妻は苦労するよ。つか、彼エリートじゃなきゃダメだってさ。」
…。
「じゃ、じゃ、じゃあ骨川君!」
お金持ち!
「骨皮君なら郷田君とチョメチョメな関係じゃん。昔から二人でいたから怪しいと思ってたけど。」
…。
「じゃ、じゃ、じゃ、じゃ、奥田君・・・・。」
目立たないけどそこが好き!
「奥田君死んだやん・・・」

変な生き物が口から飛び出すぐらいに驚いた。ありえない。昨日のうちに私が好意を抱いていた人間がすべて消えている…。
これはなにかの陰謀だろうかと私は気を落ち着かせながら思った。まぁ、橋本先輩以降は適当に言っただけなんだけどね。しかし黒い世界を見てしまった。
こんな事態に誰がしたってとこか。てか、告白どころじゃないよなぁ… おとなしくZAZENでも組もう。桃色発狂。

「まぁ、まぁ落ち着いて。世の中ご印象勝負じゃないよ。ほら、他にも楽しいことは色々あるし…」
私の心にはむなしく響いた。
「なんの話してるんー?」
後ろから突然声をかけられ狼狽しながら後ろを振り返った。
振り返るとそこには大山のぶ代…ではなく加奈子がいた。大山加奈子。みんなからはのぶ代姉さんと親しまれている(ウソ)
小さい割には子供っぽくなくて(むしろ大人っぽい)素敵でチャーミーな女の子だ。ちょっと小柄なのを気にしてるとか、してないとか。
「告白ー? 毎年言ってるよねー。『今年こそは男の人とランデブーだ!』って。にゃははは〜」
「笑うなよ… マジへこむ。」
私の今の心にはナイフのようにサクサクささりますよ、ええ。いわゆるガラスのハートですよ。
「まぁまぁ、星の数ほど男はいるし…」
「かなたんは大人だよ。精神的にも肉体的にも。人間は外見じゃないんだ。それ以上のなにかがある。私はなにも知らないけどね。」
私は加奈子の子供っぽい外見から「加奈子は何も知らない」と内心そうだと思い込んでいた。加奈子を深く考えれば「子供」じゃないのは分かっていた。
「私はなんともないって! 今日も元気だよー!」
加奈子は強いな、と思った。同時に私は浅はかだなと思った。加奈子は去年も一昨年もどこかで私をブレーキしてくれてたのかもしれない。
「色々ありがと、加奈子。」
「なにあらたまってんねん。」

それが正しいかなんて私には分からないけど。単なる私のエゴなんだ。美空には自分を安売りしてほしくないって思っただけ。
どこかで「私といてほしい。誰かのものにはなってほしくない」ってのがあったのかもね・・・。それはこっちの話。

友達以上恋人未満の親友的存在の池田さゆみと小林ゆり乱入。
さゆ「クリスマスはどうするかってー? 特に考えてないなー。さみしー! やっぱ聖夜といえば色々あるよねぇ。私はない!!」
江戸「さみしいねぇ・・・。この子は告白だー!って毎年意気込んでるけど? さゆはなにもしないの?」
さゆ「もうふられたよ!」
春日「あんた勇者だよ!!」おおげさだが手を握って賞賛した。ほんと私から見れば勇者だよ!! 私ってダメだなぁ・・・。
ゆり「私は男には興味ないなー。もっと私を楽しませるものはいっぱいあるからねー。童話とか。」
江戸「私もそうだなー。美空をいじってるだけで十分面白いしー。」
大山「私は色々ー。」
さゆ「私は負け組だー!! お前らクリスマスは遊ぶよ!! うう・・・。」

て、わけで。今年のクリスマスもカラオケに行ってケーキを食べる事にした。
春日「加奈子遅いなぁ。ちょっと先入っててケータイかけてくるから。」
一同「あーい。」
プルルルル・・・ プルルルル・・・
大山「はーい。」
春日「あー、加奈子遅いけどどしたん? なんかあったの?」
大山「あ、今パパと会っててさ。ヤボ用でちょっと行けそうにないなぁ。」
春日「ああそう、・・・加奈子父親死んだんじゃなかったっけ?」
大山「父親じゃなくてパパ・・・、いやなんでもない。てへてへ。じゃあまた来週!」
春日「おい、待て! パパってまさか! 切るな! これの唯一の良い話の部分だろ! おい、まてって! おーい! 切るんじゃねぇー!」

うむ。よーく分かった。本当によーく分かった。あんたは確かに大人だよ!! 色んな意味でな!! ふざけんな!!

春日「野郎ども! カラオケ大会じゃ!! ちくしょー!」
さゆ「しゃー! 男はみんな氏ね!!」
江戸「ははは。バカだな。」
こんな私達青春まっさかり!! これでいいんかなぁ・・・って毎日思います。まぁ、こんなんはこんなんで楽しいかと・・・。
頑張って来年こそは・・・ね。

(おわり)

素晴らしい日々