裁判所・部 横浜地方裁判所・第二刑事部(合議係)
事件番号 平成19年(わ)第1376号
事件名 傷害致死
被告名 G、F、E
担当判事 大島隆明(裁判長)竹下雄(右陪席)横倉雄一郎(左陪席)
その他 書記官:長瀬武照
検察官:武田康孝
日付 2007.11.2 内容 初公判

 公判前整理手続きに付されていた、サンシャイン事件の下位グループ3名に対する初公判が横浜地裁で開かれた。
 小雨のなか傍聴券が配られたが、全員無事入廷できた。
 サンシャインの関係者らしいサーファー風の男性2人組や、Aの内妻らしい代表取締役のクラブ勤めのような中年女性も来ていた。
 男性2人組の話では被告人の家族も来ているらしい。
 大島裁判長は枚方タイル店3人殺人事件や韓国人グループによる共同経営者強盗殺人事件などを過去に担当した。
 Eの若くて眉の濃い弁護人は優秀な人だった。
 検察官はやたらと早口でまくし立てるように話す、重役風の中年男性。
 F→E→Gの順に刑務官に付き添われて入廷した。Aの内妻らしき女性には軽く会釈をしていた。
 F・・・色白で目が細くて垂れ目。痩せ型でスポーツ刈り。普通の身長。目を閉じたりしていた。紺のスエットを着用。
 E・・・パーマがかった頭に鋭い目つき。太っていて膝から下が見えるズボンを着ていた。
 G・・・髪を短く切ってスーツ姿。顔立ちがかっこよくて肌が黒めで、普通の身長。

 開廷されると裁判長がそれぞれの被告人を前に立たせて人定質問をした。
 E・・・昭和43年6月25日生まれ。職業は会社員。
 F・・・昭和58年11月10日生まれ。職業は会社員。
 G・・・昭和60年2月22日生まれ。職業は無職。
 EとFは未だにサンシャインの社員らしく、よくよく考えたら、経営者も共犯で捕まっていたので納得した。

裁判長「3名は傷害致死罪ということで起訴されていますので、どういうわけで起訴されたのか、朗読してもらいます」

−検察官の起訴状朗読−
 本件公訴事実は以下の通りです。
 被告人3名はA、B、C、H、I、J(※Aは第4刑事部、B・C・J・I・Jは第1刑事部でそれぞれ公判中)と共謀のうえ、平成19年5月7日、藤沢市のファーストビルにある「サンシャイン」事務所内で、被害者の全裸にして、酒ビンを肛門に入れ、腹部を手拳で殴打したり足蹴にした結果、被害者を硬膜化血腫により死亡させたものである。罪名傷害致死。

裁判長「被告人には黙秘権があります。この裁判での発言は有利不利を問わずこの事件の証拠となりますので、よく考えて話すようにしてください。それでは今検察官が言った事実はどうですか」
E「(ドスの聞いた声で)違います!今6名と共謀したと言われましたが、一切ありません。自分の意思で足蹴りを3回、タバコを押し付けたり、ゴミ箱を頭の上で揺すったぐらいです」
裁判長「さきほどの6名がそういうことをしたということは合ってるのですか」
E「6名の話ですか?間違いないです」
弁護人「被告人が言ったとおりです。後で冒頭陳述で述べますが、暴行を加えていただけなので暴行罪しか成立しません」
F「共謀した事実はありません。暴行はあくまで自分の判断です」
弁護人「被告人に共謀の事実はないです。傷害致死はあてはまらない」
G「最初は暴行を止めていたが、止めたことについて咎められ、暴行され、私も加害者になってしまいました。頭部にはしていないですが、腹部に3回ずつ蹴りを入れました。共謀と言われたら仕方ないです」
弁護人「被告人と同様であります。BやCに従わざるをえず、命令に従ったという範囲での共謀ということになれば仕方がないです」
裁判長「それでは証拠調べ手続きに入ります」

−検察官の冒頭陳述−
 検察官が証明しようとする事実は以下の通りです。
 被告人の身上経歴だが、Eは高校を卒業後、サラ金や不動産会社を転々として、当時はサンシャインの営業5課長だった。独身で前科なし。
 Fは中学校を卒業後、理容師などをして、当時は営業主任だった。平成17年に結婚して前科なし。
 Gは専修学校を卒業して平成18年12月に入社した。婚姻歴・前科なし。
 サンシャインの組織図は、トップがオーナーであるA、補佐役としてAの甥のBや古参のC、その下にIやGといった一般社員がいた。
 被害者に着服の疑いが持ち上がり、Aは暴力を振るい、B・C・Iは着服について追及することにした。Aは社員の面前でも被害者への暴力を辞さず、被害者の妻を呼びつけて仕送り先を聞いたりしたが効果がなかった。
 平成19年5月7日、妻の帰宅後、Aの意を受けて、Cが顔面を殴打、J・Iが断続的な暴行を加えていた。Gがそれを制止したもののAに逆に殴られた。暴行は、被害者を殴打・足蹴にする、アルミポールを肛門に挿入する、ライターの火を当てる、口に唐辛子を入れる、指先に芯を指すなどして被害者は床に倒れたまま動かなくなる。被告人らの具体的な暴行としては
E→被害者の上腕部にタバコの火を押し付ける、腹部を足蹴にする
G→被害者の腹部を殴打、足蹴にする
F→被害者の後頸部を平手で叩く、唐辛子を口に流しこむ
 被告人らは瀕死の状態に陥った被害者の体を拭き、病院に搬送したが、被害者は一旦蘇生したものの亡くなってしまった。
 AはJが1人でやったこととみんなで口裏合わせをして、それを受けたEは警察に虚偽の供述をした。ところが無理があることから、茅ヶ崎のファミリーレストランでJ・I・Jの犯行であること、Aは知らなかったということにした。

 検察官の冒頭陳述が終わると、弁護人も一応は否認事件なので、冒頭陳述を始めた。

−Eの弁護人による冒頭陳述−
 Aと共謀して顔面を殴打して被害者を死亡させたので傷害致死罪で起訴されたが、Eの暴行の程度やその部位から暴行罪しか成立しない。
 自白の任意性にも問題があり、被告人は持病の糖尿病で頭痛に悩んでいて、初めて経験した検察官の誘導尋問に乗ってしまった。
 被告人にとって本件犯行が起きるとは予想していなかった。
 IやJは被害者に語気鋭く詰め寄って興奮しはじめ、Cは被害者に暴力を加えた。JやI(手拳で殴って飛び蹴り)はさらに暴行を加えた。
 Eは被害者にタバコの火を押し付けたというが、軽く近づけただけで痕跡すら残っていない。壊れたゴミ箱を被害者の頭に載せたというが、あくまで「載せた」だけですっぽり被せたりしていない。被告人にはとくに格闘経験もなく、足蹴りなど長くて数分だ。またこの行為も被害者に対する憎しみからではなく、「これ以上の暴行は忍びないので、早く告白してほしい」という思いからである。JやJの暴行のほうが程度が重い。
 J1人がやったことと事実を隠匿しようとしたことについては、Aから指示されやむなくやってしまった。
 共同実行とするには時間的接着が必要だが、被告人の暴行は2分間から数分で、タバコを軽く押し付けただけである。暴行の程度は軽微で悪質なものではなく、判例的に暴行罪しか成立しない。
 他の従業員による暴行を制止したり、お見舞金として10万円払っている。
 反省もしていて警察の呼び出しに素直に応じ、勤労意欲も旺盛、前科前歴もない、39歳とまだ若い、拘置期間も長期にわたり一定の社会的制裁を受けている。

−Fの弁護人による冒頭陳述−
 平成17年3月9日に妻と結婚して、妻の連れ子を含む2人の子どもがいる。Fは生活のため一時期青森に帰ったものの、タウンワークでサンシャインを見つけて、同社に就職、営業として働いていた。
 暴行のときはJやAが近づくとそれを止めていた。
 最初は被害者の妻や子どもをロビーに移して、飲み物を与えていた。
 一部の従業員が帰ったあと、Jは制止を振り切って暴行を加えていた。Fはなぜ暴行が始まったのか理解していなかった。
 被害者は正座させられ顔が腫れていて「何を言ってるの」と声をかけ、被害者が紙に何かを書こうとしたところ、誰かが殴ってしまったため被害者の背中を叩いたのであり、被害者の横領の使途を促すために叩いたのではない。
 Aは日本酒の瓶を被害者の肛門に入れたり、ドレッシングを陰部に掛けるなどしていた。Fも「何かしないと立場がない」と唐辛子の蓋を開けて口のあたりに振り掛けた。異常な暴行が執拗に加えられる雰囲気のなか、強迫観念があった。Fの暴行は被害者の死に結びつくものではなく、傷害致死ではない。

−Gの弁護人による冒頭陳述−
 公訴事実は一応認める。
 Gは平成18年12月にハローワークの求人で、Dを代表取締役とする不動産販売会社「サンシャイン」に入社したが、そこはAのワンマン経営で、ミスをしたり気に入らない社員を怒鳴りつけ、暴力を振るい、土下座させたりするので、社員は戦々恐々としていた。Aの説教が始まると終わるのが翌日の1時や2時になり、休みは月に2日しかなかった。
 事件は業務が終了したあとに発生した。
 Aはaの妻を呼び出すなどして、妻を帰したあと、同人に対してCが厳しい追及をした。
 Jはaの腹部に飛び蹴りをして、Iがドライバーを持ち出した。(Iは後の証人尋問でそれを否定)Gは2人を止めようと「Iさん、ダメだ!」「誰かJ君止めて!J君逮捕される!」と言い、Jを羽交い絞めにしたところ、Jは「うるせえ、この野郎!こいつは殺さねえと気が済まねえんだよ!」と言い、Gが必死に止めていたところ、Aが「G、こら!Jの何が悪いんだ、Jを止めるんじゃねえ!」と怒鳴った。Gは「こんなことで(Jたちを)犯罪者にしたくない」という思いだったが、Aに拳骨で左頬を思い切り殴られて「会社をクビだ!」とまで言われた。Aが簡単に気に入らない社員をクビにしてきたところを何度も見てきたうえに、Aとまた鉢合わせしたとき、Aから「お前悔しくないのか、何とも思わねえのか」と言われて「悔しいです」と返事をした以上、Cから「G、お前何とも思わねえのか」「お前も殴り飛ばしてやりたいよな」と言われたとき、クビの話やAへの返事のことがあったので、「手を出せば許してもらえる」と思ったので、腹部を3回殴りつけた。このように被告人は必死に暴行を止めさせようとしたところ、Aから暴力を振るわれ、威容に恫喝され、期待可能性が著しく減退していた。
 拘置所での般若心経や裁判官に充てた反省の念を述べた上申書も考慮してもらいたい。

 弁護人の冒頭陳述が終わると、裁判長が今後の審理日程について説明をした。

裁判長「公判前整理手続きの結果、本件の争点はEについては共謀の有無や自白に信用性があるか、Fについては共謀の有無や仮に共謀が成立したとしても死亡との間に因果関係があるのか、Gについては共謀は成立するが、指示や命令で従属を迫られたということになりました」
 検察官はI、J、立石の3名を証人尋問で取り調べたい旨を請求した。
 Eの弁護人は10万円の受領書や病気についての診断書を、Fの弁護人はJ証人の尋問や情状証人の請求、手紙の関係を、Gの弁護人は立岩証人や家族の尋問や嘆願書の写し、退職届、上申書、般若心経の写経などを情状証拠として取り調べるように求めた。
裁判長「同意のあった証拠は採用します。次回は11/5の10時からJと立岩の証人尋問、11/16の10時、11/22の10時、11/26の13時30分からそれぞれ開廷して被告人質問や情状関係の証人尋問、12/20の10時から論告・弁論と行っていくことが指定されました。それでは、検察官、同意のあった証拠で要旨の告知を」

−要旨の告知−
・aの死亡の事実(死亡と記された戸籍謄本)、病院に運ばれたときは心肺停止状態だったこと、顔面打撲や直腸貫通の件、爪のなかに針を刺したことが共犯者の供述であってそれを発見したこと
・事件当日のサンシャインの事務所内での割れた灰皿や床の血痕の写真
・写真撮影報告書(酒ビン、木槌、グラスの破片、血のついたハンマー、ライター、蝋燭)
・事件を目撃した社員の供述調書
・J・I・Jの供述調書(事件後に罪証隠滅工作を図ったことなど)
・被害者の遺族である奥さんの供述調書(「夫はヤクザみたいな社長がいる。辞めたいが辞めさせてくれないと言っていた。非常に夫は自慢の優しい人だった。ショックで料理ができないことが辛い。事件のときはみんな(Aに)逆らえなかったと言っているが、やられて当たり前という顔をしていた。何人もいたのだから、1人ぐらい止められたはずだ。Aには死刑、Cには無期懲役、他の社員も生きて一生償って欲しい」)で生前の夫の様子等を話されたもの。

 これを受けて弁護人3名はそれぞれ
・Eの関係では示談書や10万円を支払ったこと
・Fの関係では書証を
・Gの関係では被害者の奥さん宛の手紙や退職届
・「初心に帰って1からやり直したい」と言って般若心経に励んでいること
等を証拠として請求した。

 それが終わると、予定通り、I証人が刑務官とともに入ってきた。整理手続きがされただけあって、展開が早い。野球選手のような体格で太い眉と細い目をしたスポーツ刈りの中年男性だった。

裁判長「お名前は」
証人「Iです」
裁判長「住所等はカードに書いた通りでいいですね。良心に従って真実を述べてもらいます。宣誓の意味は分かりますね。あなたは被告人の身で証言を拒絶することはできますが、嘘をつくのは許されないということです」
 裁判長に促されてI証人は証言台の前に座る。

−I証言(1)−検察官から事件の全体の流れについて聞かれ
 私がサンシャインに入社したのは2007年の4月5日で、社内の序列は、bPはA、bQが甥のB、bRがC、bSはDやY1(経理関係)やE、bTがF、bUがGやJや私だった。入ったのが早いか遅いかの違いか。
 私は4月5日に入ってからは電話営業、Aの運転手をしていた。はっきりとしたラインで誰が上司とかはなく、人事はAが一声掛ければ課長になった。
 私がaさんに暴力を振るったのは間違いなく、警察官や検察官にも正直に話して、記憶に基づいたことが調書になっている。
 事件のときはAがみんなの前で、aさんが横領したことを告げ、使い道や金額が合わなかったことを問い詰めるような形になった。aさんの奥さんが呼ばれ、奥さんを帰してから、最初の暴力が始まった。暴力を振るったのは、C、B、J、J、私で、Gが暴力を止めたが、逆にAに「何やってんだ!」と怒られて殴られて突き飛ばされた。Gが怒られたあとは雰囲気がガラリと変わった。Gが止めてから、脱げという話が出たが、みんなの暴力のあとか先に脱いだかははっきりしない。みんなが暴力に参加するようになったきっかけは止めたGが「何やってんだ!」と投げ飛ばされてから、みんな暴力を振るわないといけないと思うようになった。
 Fのやったことは、唐辛子を掛けたり、裸になったaさんを棒で叩きながら「頑丈だな。骨一本折れてねえよ」と前の人に聞こえるように言っていた。aさんはちょうど横たわった状態で仰向けになっていた。上から振り掛けるように唐辛子のキャップを外して、顔にあたりに掛けていた。
 Eと煙草を吸うために行った給湯室で会うと、Eは「戸塚はパンチがすごいな。綾瀬は蹴りなんだよ」と言った。私とJが戸塚方面、GとEが綾瀬方面の出身だから出た言葉か。
 Gは横たわっているaさんの右の脇腹をつま先で連続的に蹴っていた。Eも同じくつま先で右の腹を連続して何回か蹴っていた。
 Fが唐辛子をかけてから、EやGの暴力が始まった。Gがさっき止めたのに暴力を振るったことは「Aに言われると怖いんだな」と思った。また蹴りを見て「綾瀬の人達なんだ」と認識した。入れ替わり立ち替わり暴力が振るわれたが、aさんに恨みがあったわけではなく、暴力を振るった理由は「悔しくないのか」とけしかけられたからだが、aさんの使い込みの件や話に辻褄が合わないことには腹を立てた。
 G以外に止めた人間はいなかった。

−I証言(2)−弁護人の反対尋問で5月7日傷害致死事件の前の暴行について聞かれ
 aさんは私より半年くらい前にサンシャインに入った。私はaさんとはほとんど喋ったことはなかった。
 Eとaさんの仲が悪いということはなかった。仕事上のことでEから朝よく呼ばれて「何やってんだ」と怒られることはあった。
 5月4日の夜、サンシャインの営業室で使い込みの件で、aさんを追求した。A、B、C、Dと私がいた。暴力を振るったが、Aがほとんどで両腕を使って顔面とかを30〜40発殴り、私も腹にパンチを加えた。
 Aは「金を横領した。女に貢いで使った。みんなが寝ないで地道に働いたお金を使い込まれて悔しくないのか。こいつは裏切った」と言っていた。一番先に手を出したのは誰か分からないが、私が呼ばれたときにはすでに顔が腫れていた。
 5月5日の3時くらいまで続き、血だらけで顔はパンパンに腫れ上がり失神した。Aから殴れという具体的な指示があった。6日か7日に出社してきたときは、顔が腫れ頭にネットを被っていた。5月5日の朝には血だらけの部屋を何もなかったかのように掃除しているのを見て、触れてはいけないと思った。何人かからは「昨日は凄かったんでしょ」と聞かれた。

−I証言(3)−同じく5月7日傷害致死事件の暴行について聞かれ
 調書どおりです。
 当日、Aは「今日中に決着をつけろ」と言った。Aにaさんから使い込みについて聞き出すように言われたが辻褄が合わず、奥さんも呼び出したが辻褄が合わず奥さんは返した。
 50万円位の話だったが、今となっては本当かどうか疑問に思っている。Aからの指示は横領した金の使い道やありかを紙に書かせろということだった。
 Aは「倉本(という女性社員)は給料はいらないから、殴らせてくれないかと言ってるぞ。悔しくないのか」と言った。
 Aからは個別に4-5回呼ばれて(最後は役員室で)、「殴る必要はない。真似だけしろ」「やらなきゃお前もやられるぞ。殴れ」と言われた。奥さんを帰した後、暴力を振るった。Aの指示がなかったら殴らなかった。
 B、C、J、J、I等がいたが、誰が最初に振るったかははっきりしない。

−I証言(4)−同じくE被告の行動について聞かれ
 被害者を蹴ったのをはっきり憶えている。というのは、暴行の前半に給湯室へタバコを吸いに行ったらEもいて、「戸塚はパンチがすごいな。綾瀬は蹴りなんだよ」という会話をした。
 その後、綾瀬出身のE、G両被告が蹴っているのを見て、「ああ、これか」と強く印象に残っているから。(注:G被告は傷害致死の起訴事実を認めたが、E被告は自分は傷害致死に至るほどのことはしていないと起訴事実を否認し、より軽い暴行罪にしかあたらないと主張)
 自分が殴りかかったとき、Eに制止された記憶はない。aさんの周りには人がたくさんいた。ただAが来ると、みんなが止めに入っていた。 
 E被告は証言する証人を据わった鋭い目つきで見ていた。

−I証言(5)−同じくF被告の行動について聞かれ
 その後しばらくして、服を脱がされ床に横たわっていたaさんを棒状のもので叩きながら「頑丈だな」と言った。また、唐辛子を顔に振りかけた。口に流し込んだかどうかは、よく見えなかった。Fがどこでどういうことをしていたかというのは、私も出たり入ったりしていたのであまり記憶にない。
 Fが叩いたときaさんに意識はあったと思うが、5月4日のときもaさんはよけるということがなかったのでよくわからない。Fの暴行は肛門にアルミポールや酒ビンを挿し込む前だ。(その結果、直腸貫通・破裂)

−I証言(6)−G被告の行動について聞かれ
 G以外に止めるものはいなかった。殴りかかるとき止めに入られたとき正直有難いと思った。
 Gが、止めたらAに怒られ暴力を振るうのを見て、Aが怖いんだな、やらないと自分もAにやられると思った。私は殴らないといけないという興奮状態だった。
 証人は尋問のなかで、G被告の弁護人に「あなたはドライバーも持ってたんでしょ!」と問い詰められると、語気を強めて「ドライバー!?持ってません!」と否定していたことが印象的だった。

−I証言(7)−検察官・裁判官の質問で
 「殴る真似だけしろ」「殴れ」というAの指示は奥さんが帰ってから殴れということ。ライターやグラスの破片は誰が用いたかははっきりしない。aさんが事件前の暴行のあと、6日か7日かいつ出社したかははっきりしないが、ネットを被ってその下にガーゼや湿布があった。「昨日は凄かったんでしょ」と誰に聞かれたかは覚えていない。
 Gが止める前にaさんを殴っていたのはAとBとCとJ。
 奥さんがいるときは殴っていない。
 どうしてこんなことになったかだが、サンシャインでは隣の人が突然来なくなって辞めたことやaさんの血をみんな当たり前のように掃除していたことで「ああ、いつものだ」という感覚で、表立って話題にしてはいけない雰囲気だった。
 事件当日、aさんは動きは取れていたが、顔は腫れていた。それまでに暴力を振るわれていたことはみんなが分かっていた。
 Fが棒で叩いているときには意識はあった。裸にされてから肛門に酒ビンを挿入された。ビールの缶が飛んできて、缶ビールをかけたりしていた。
 Aが自分たちのやっていることを認識していたのは間違いない。入社してから1ヶ月あまりだが、自分はAから暴力を受けたことはないが、目の前に来て怒鳴りつけられることはあった。自分以外の人だが、モノが飛んできたり、4日以前にもaさんが殴られて青タンを作っていた。むしろ他の社員から何かあれば殴られるというのはあった。

 I証人の尋問が終わると、証人は刑務官とともに退廷し、裁判長が次回期日を告げて閉廷となった。
 ここでも押送の関係で被告人3名はすぐ退廷することがなく、しばらく法廷で佇んでいた。
 被告人の家族やサンシャイン関係者がそれを見守っていた。
 目が合ったFとGはお互い頷いていた。その後は順次退廷していった。
 サンシャインの件の女性関係者2名や3被告の弁護人はそれぞれ法廷の外で何か話していた。

事件概要  被告達は、2007年5月7日、神奈川県藤沢市において、会社の金を横領したとされる被害者を上司の命令で暴行し、結果死に至らしめたとされる。
報告者 insectさん


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