「入力インピーダンス」「出力インピーダンス」って何?

電子回路の世界では、「入力インピーダンス」とか「出力インピーダンス」という言葉がよく出てきます。
コレっていったいナニモノなんでしょうか?

 

 「インピーダンス」とは簡単に言うと抵抗のこと
抵抗とは、電流の流れを妨げる要素のことで、単位にはΩ(オーム)が使われます。抵抗が大きくなるほど電流が流れにくくなります。そのまんまですね。
抵抗を少し意味を広く言ったのが「インピーダンス」です。しかし、単純に「抵抗」と言えばいいものをわざわざ「インピーダンス」と言っているのには、ワケがあります。
直流信号(DC信号)の場合、電流の流れる方向は一定です。交流信号(AC信号)の場合、電流の流れる方向が時間によって変化します。
AC信号の定義はいろいろあります。一般的な認識として「時間軸に対して電流が流れる方向が変化する信号」を「AC信号」と呼ばれますが、その辺は実はかなり曖昧です。電流の流れる方向は変わっていなくて、電圧が時間によって変化する信号でも「AC成分の多いDC信号」と呼ばれたりします。
単純に抵抗器を使って電気的な抵抗を発生させる場合、その抵抗はDC信号にもAC信号にも同じように作用します。しかし、コイルやコンデンサなどは、DC信号の時とAC信号の時では全然挙動が異なってきます。
コイルの場合、DC信号が流れると抵抗はほぼ0Ωになります(何千回も巻いた場合は別...)が、AC信号が入ると電気的な抵抗が発生します。これはコイル内に電流が流れるのと逆向きの誘導電流が発生するためです。周波数が高いほど電流が流れにくくなります。
コンデンサの場合、絶縁膜を挟んで電極が存在するため、DC信号は流れません。抵抗は無限大に近くなります。しかし、AC信号だと誘電されて電流が流れます。周波数が高いほど電流がよく流れます。
このように、AC信号とDC信号で抵抗が異なる素子が存在するため、「抵抗」と言ってしまうと区別がつかなくてワケがわからなくなるので「インピーダンス」という言葉を使います。一般的に、周波数によって抵抗が変化する素子の抵抗を表すときに「インピーダンス」という言葉を使うようです。
 
 「入力インピーダンス」とは?
通常、素子の入力端子に信号を入力すると、その量はどうであれ電流が流れ込みます。電流が流れ込むということは、その素子の入力端子は、抵抗器を介してGNDに繋がっているのと等価になります。
その抵抗器の抵抗値が大きいと電流はあまり流れ込みませんし、逆に小さいと電流がたくさん流れ込みます。もしも抵抗が0Ωなら、GNDラインとショートしているのと同じです。その抵抗値のことを「入力インピーダンス」と言います。
一般的な回路では、入力インピーダンスは高いほど、出力インピーダンスは低いほどよいと言われます。
(ただし、長々と信号線をひっぱり回す場合は信号損失とかを考えないといけませんので、話が違ってきます)
入力インピーダンスが高いと、電流があまり流れ込みません。つまり、前段にかかる電気的負担が小さくなり、結果的に微弱な信号も測定できます。逆に入力インピーダンスが低いと、電流がたくさん流れ込むので、前段にかかる電気的負担が大きくなってしまいますし、電流をあまり流せないような微弱な信号を入れると、つぶれて見えなくなってしまいます。微弱な信号を入力したい時には別途アンプが必要になる等、不都合な点が多いのです。

 

 「出力インピーダンス」とは?
出力インピーダンスは、電池の内部抵抗のような物で、素子内部の本当の出力に直列に付いているいわば寄生抵抗のような物です。
先にも述べた通り、出力インピーダンスは低いほどよいと言われます。普通のOPアンプなどでは数Ω〜数十Ωです。そして、出力側の出力インピーダンスは、その出力先に繋がる入力端子の入力インピーダンスよりも低くなければいけません。これはなぜでしょうか?
それは、少し考えてみればすぐわかります。出力インピーダンスを電池の内部抵抗と考えると、出力先に繋がっている負荷が大きくなれば、すなわち、出力先の入力インピーダンスが低くなれば、内部抵抗による電圧降下でどんどん出力電圧が下がっていきます。それが電池ではなく、信号源と考えても同じことが言えます。内部抵抗は小さいほど電圧降下は起きにくくなりますから、出力インピーダンスは小さい方がよいということになります。
また、出力側の出力インピーダンスは、その出力先に繋がる入力端子の入力インピーダンスよりも低くなければならない理由もそこにあります。たとえば、出力側の出力インピーダンスを100Ωとし、出力端子からは100Vの電圧が出力されているとします。ここで、出力端子をショート、つまり入力インピーダンス0Ωの何かに繋いだのと同じ状態を作ります。すると、出力インピーダンスの元になっている内部の寄生抵抗100Ωに100Vがまるまるかかり、1Aの電流が流れます。つまり、自分自身が大きな負荷になってしまうのです。
そうなると、出力端子からは正常な信号が取り出せなくなってしまうので、「出力側の出力インピーダンスは、その出力先に繋がる入力端子の入力インピーダンスよりも低く」設計するのが普通です。 
 

 

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