ラッチアップって何?

電源を入れてないのに接続した素子が熱くなる... コレっていったい...とか思ったことありませんか?!
 
 
 半導体の構造上やむをえない現象
半導体は、シリコンのウェハー上に回路を現像し、生成していきます。これはもちろん、期待される機能を満足するように設計され、形成されるものです。
プリント基板のように不導体上に回路を形成していけばいいのですが、基板が半導体だけに少し厄介な問題が発生します。構造上、期待していない位置にトランジスタなどが形成されてしまうことがあるのです。
これは「寄生トランジスタ」とか「寄生ダイオード」と言われ、それ自体は不良ではなく半導体の構造上やむを得ずできてしまう物です。メーカーさんもそれはよくわかっているので、通常用途(仕様書に沿って使っている時)ではそれらの存在を無視できるようにレイアウト等を最適化して製造しています。
しかし、仕様に沿った使い方をしなかった場合、寄生トランジスタや寄生ダイオードが悪さを働くことがあります。その一つが「ラッチアップ」という現象です。

 

 突然大電流!!
普通、ICはアナログ・デジタルにかかわらず、入力端子に自分自身の電源電圧以上の電圧を入力することは絶対禁止です。
これは入力端子〜電源端子までの間に寄生トランジスタや寄生ダイオードによって変な回路が形成されているためです。入力端子の電圧が電源端子の電圧と同等または低い場合はそれらは無視できるものですので、意識する必要はとくにありません(もちろん、シビアな回路を設計する場合は考慮する必要があります)。
しかし、一瞬でも入力端子電圧が電源端子電圧を上回った場合、寄生トランジスタがONになり大電流が流れ始めることがあります。この寄生トランジスタ、内部の変な寄生回路によって自分自身に帰還がかかるため、一度ONになると完全に電流源がなくなるまでOFFになりません。これがラッチアップという現象です。
ラッチアップはIC自体の本当の動作に関係なく起こる現象ですから、普通はラッチアップしてもICが壊れてしまうことはありません。場合によっては、ラッチアップした状態でもとくに問題なく動作してしまうこともあります。
よく起こるのが、2つの機器を繋ごうとして片方の電源がOFFのままで繋いでしまった場合。片側の電源だけが入っていると、OFFになっている方に電流が流れ込み、ラッチアップすることがあります。(パソコンのハードディスクやCD-ROMドライブなどで、IDEケーブルだけ挿しっぱなしで電源を挿さない状態で使っている人が居ますが、実はこれはめちゃくちゃ良くありません。)
ラッチアップすると大電流が流れるので、とたんに素子が熱くなります。ラッチアップ自体でICが破損することはありませんが、ラッチアップによって発生する熱で壊れてしまいます。普通のICはシリコンウェハーとボンディングワイヤー(ウェハーからパッケージと接続するための金でできたワイヤー)の接合部が120℃程度までしか耐性がありませんので、その温度になると物理的に不可逆破損します。
つまり、ラッチアップで破損する場合、ラッチアップ自体というよりも熱によって破損するのです。 
 
 ラッチアップを予防するには?
原因が判っているので、対処法は簡単です。
ラッチアップは気づかずに使っていると火事になったりするので、気を付けましょう。
 
* ありがとうございました *
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