第2章。血液成分と分画、どちらも重要な物。

  

   血液の成分を主なものから順に挙げると「赤血球・白血球・血小板、それに血漿」ということが出来ます。

「赤血球」の働きはそのなかに30%ほど含まれているヘモグロビンの働きによって酸素を身体の隅々にまで

運搬する事です。「白血球」は免疫という大きな役割を持っています。外部から進入してきた敵から身体を守

る役目があります。「血小板」は出血した際に血を固める働きをする成分です。最後に「血漿」ですが、これは

様々な成分から成り立っています。アルブミン、グロブリンといった蛋白成分、凝固因子といったものですが、

それらについては後述します。


  まず全血に占める各成分の割合ですがこのようになります。「赤血球約45%、血漿約55%、白血球と血

小板は1%以下」です。次にそれぞれの成分を分けて考えてみましょう。

 

 1、赤血球。

   赤血球の成分は「水以外の成分34%」と「水分66%」から成り立っています。「水以外の成分」をさらに

細かく分けると次のようになります。「ヘモグロビン97%」、「脂質1%」、「それ以外の蛋白質(膜と酵素蛋白質)2%」

つまり、赤血球はその大部分がヘモグロビンだと言っても差し支えないでしょう。ちなみに血が赤く見えるの

はヘモグロビンの色素が見えているためです。


 2、白血球。

   主に、「顆粒球50-60%」、「リンパ球30-40%」、「単球6-8%」の3つの分画に分けられます。これらは

すべて免疫システムに深く関わっています。


 3、血小板。

    この成分を分画にして用いる手法はあまり取られていないようです。ですので詳細は割愛します。

 4、血漿。

    この成分は「水90%」と「溶質10%」に分けられます。溶質は「アルブミン48%」、「グロブリン29%」、

「凝固因子3%」、そして「その他の溶質20%」に細かく分けることが出来ます。

 

表にまとめてみます。

  血液全体に

占める割合

成分内の水

分の割合

  分画及び種類の名前
   (全血液内に占める分画の割合)

赤血球

  55%


水分 66%


水以外の成分 34%

ヘモグロビン 97%  (14.8%)

脂質 1%

それ以外の蛋白質 2%

白血球 1%以下(血小板と

合わせて)

水分なし

顆粒球  50-60%

リンパ球 30-40%

単球    6-8%

血小板 1%以下(白血球と

合わせて)

水分なし  
血漿   

 45%
水分 90%



溶質 10%

アルブミン 48% (2.6%)

グロブリン 29% (1.6%)

凝固因子    3% (0.2%)

その他の溶質 20%

 

血漿の分画で太字で示したものは2000年6月までエホバの証人が用いることが出来る分画でした。しかし、

2000年6月15日号の『読者からの質問』ではさらにこのような変更が加えられました。

血漿から様々な分画を取り出せるのと同じように,他の主要成分(赤血球,白血球,血小板)も,処理すれ

ば,さらに細かい要素を分離することができます。例えば,白血球細胞からは,ある種のウイルス感染や

がんの治療に用いるインターフェロンやインターロイキンを取り出せます。血小板は,処理すれば,傷をいや

す因子が抽出されます。また,血液成分からの抽出物を(少なくとも最初は)含む薬も登場しようとして

います。そのような療法は,血液の主要成分を注入するものではありません。たいていは,主要成分の要

素もしくは分画が関係したものです。クリスチャンは治療を受ける際,それらの分画を受け入れてもよいで

しょうか。はっきりしたことは言えません。聖書は細かなことを述べていないので,クリスチャンは神のみ前

で自分の良心に従って決定しなければなりません。


「それらの分画を受け入れてもよいでしょうか?はっきりしたことは言えません」という言葉を用いること

により事実上、分画そのものはもちろん、分画由来の血液製剤を使うことも個人の良心の決定で行うことが

出来るようになったことが分かります。(筆者本人は血液製剤が使えるようになったということは喜ばしいこと

だと考えています)


  となると、1つの疑問が生じます。「エホバの証人は血液の何を拒否しているのだろう?」という素朴な疑

問です。全血及び成分輸血は行ってはならないが、成分を細かく分けておけば治療に用いることが出来ると

言うのは筋が通ってないように見えるのではないでしょうか? 特に表の血漿の部分を見ていただければ

すぐにお分かりかと思いますが、グロブリン、アルブミン、凝固因子といった使用しても良い分画に水を加え

ると使ってはいけない血漿という成分になってしまいます。この矛盾をエホバの証人はどう説明するのでしょ

うか? やや批判がましくなってしまいましたが、この点に関しエホバの証人側からの納得のいく説明を受け

たことのある人はいないと思われます。


  血液の成分や分画に重要な物とそうでない物という線引きはありません。みなそれぞれ身体の為に必要

かつ重要な物だと思います。この点をすべてのエホバの証人の信者は考えるべきではないでしょうか?

 

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